マッシュアップシーンを盛り上げ普及させた立役者にして、現代の DJ に間違いなく多大な影響を与えてきたベルギー出身の DJ /プロデューサー・デュオ 2manydjs が、7 月 26 日(金)に ZEROTOKYO に初出演することが決定!
今年の FUJI ROCK FESTIVAL’24 への出演も決まっていますが、2manydjs 及び彼らのキャリアのスタートでもある Soulwax の歴史や数々の功績を振り返りながら、ZEROTOKYO での貴重な来日イベント概要をお伝えします。
マッシュアップの人気の礎を築いた2manydjs
2manydjs とは、David Dewaele と Stephen Dewaele からなるベルギー出身の兄弟 DJ /プロデューサー・デュオ。
DJ Zaki という名前で活動し、地元で知らない人はいないラジオスターだった父親 Jackie Dewaele の影響もあって、2 人は幼い頃から膨大なレコードコレクションに親しみながら育ちました。(ちなみに、母親はリクエストメールを選別し、ラジオでかける曲をチョイスしていたそうです。)
次の章で触れますが、はじめはロックバンド Soulwax の中心メンバーとしてキャリアをスタートさせた後、並行して兄弟で The Flying Dewaele Brothers という DJ /プロデューサー・デュオを結成。
1999 年の段階で、ベルギー最大のフェスティバルである Rock Werchter のメインステージに Soulwax としてオープニングを務めた後 、セカンドステージでは The Flying Dewaele Brothers としてヘッドライナーを務めたりと、その人気から至るところに登場していたので、おそらく観客から「it’s those fucking Dewaele brothers again(またあのDewaele兄弟かよ)」と思われていたと本人たちも語っており、そこで実際にステージネームを The Flying Dewaele Brothers から The Fucking Dewaele Brothers へと改名した時期もあります。
今の 2manydjs 名義で作品を出したのは、2002 年のデビュー・ミックスアルバム『As Heard On Radio Soulwax』からになるのですが、このアルバムは、New York Times 誌から “2002 年の最高のポップアルバム” と称され、The Face 誌の “2002 年のベストアルバムリスト” で 2 位にランクインしたほか、Spin 誌からは “2002 年の最高のノベルティレコード” と絶賛されるなど、各メディアから賞賛の嵐となりました。
Radio Soulwax Presents: As Heard On Radio Soulwax pt. 2 from Radio Soulwax on Vimeo.
『As Heard on Radio Soulwax Pt 2』は、後のマッシュアップムーブメントの起爆剤となり、アルバム自体も 50 万枚以上の売り上げを記録。このアルバムは、ポップ、ロック、ラップ、インディーズ、ダンスミュージックにおけるヒット曲を融合しており、Velvet Underground や Destiny’s Child, Felix da Housecat, New Order, Peaches, Sly and the Family Stone などの楽曲要素が入っています。
曲のフレーズごとに分解して再構築し、パズルのようにミックスしていく彼らの手法は当時斬新で、今ではマッシュ・アップのパイオニア的存在として讃えられており、ジャンルを越えた画期的なミックスや数々のリリース、伝説的な DJ セットは、当ダンス・パンクシーンとインディナイトライフの形成に大きく貢献し、2022 年には『As Heard On Radio Soulwax Pt.2』のリリース 20 周年を記念したデラックス版も再リリースされました。
そして、2manydjs と言えば欠かせない代表作のひとつとなっているのが、Beatles と Kraftwerk のマッシュアップ。
レコードのターンテーブルと Pro Tools を使い、2 週間かけて Beatles の “Eleanor Rigby” と Kraftwerk の “Numbers / Tour De France” の公式ミックスを制作したところ、瞬く間にセンセーションを巻き起こし、これまた各音楽雑誌から高い評価を受けたほか、伝説のロック・スター David Bowie にいたっては「ダイナマイト・コンビネーション!」と大絶賛。
このマッシュアップは、『Soulwax Presents 2 Many Dj’s The Mash Up Machine』にも収録されましたが、その後、Soulwax は自身のオンラインラジオショー「Radio Soulwax」の一環として、David Bowie へのオマージュ作品となる映画『Dave』まで公開しています。
世界各国からオファーが殺到しており、ロンドンの Fabric や パリの Le Pulp といった名門クラブや、I Love Techno, Coachella, Creamfields, Gobal Gathering, Sónar Festival といった大型フェスティバルにも軒並み出演。FUJI ROCK FESTIVAL や Electraglide などのフェス出演や来日ツアーも敢行するなど、日本での絶大な支持を受けています。
Not enough DJs @2manydjsTour pic.twitter.com/MIQmiQpTh0
— Coachella (@coachella) April 17, 2023
2015 年には自分たちのレーベル 「DEEWEE」を設立したほか、母国ベルギーに同じく「DEEWEE」と名付けた自分たちのスタジオまで持っていますが、このスタジオは、ベルギーの有名建築家 Glenn Sestig によって設計してもらう程のこだわりようで、ロンドンのバンド Sworn Virgins やベルギー・ヘントの仲間である Charlotte Adigéry や Bolis Pupul といったレーベル契約アーティストたちにも場を提供し、同レーベルから自分たちの楽曲だけでなく、様々なアーティストの楽曲をリリースしています。
さらに、LCD Soundsystem でお馴染みのアメリカの音楽プロデューサー/エンジニアである James Murphy と共同で、高額かつハイエンドなサウンドシステム、Despacio を設計したことからも、こだわりが強い完璧主義的傾向と音楽にかける強い情熱が感じられます。
ユニークな音楽的探究心をロックのみならず、最先端のエレクトロニックミュージックの奥深くまで推し進め、絶えず新たなベンチマークを打ち立て続けているのです!
ロックバンド Soulwaxとしてキャリアをスタート
1995 年、David Dewaele が 18 歳、Stephen Dewaele が 23 歳のときに、ロック・バンド Soulwax を仲間と共に結成。
Stephen は映画学校に通っており、David と 5 歳も年の差があったため、友人関係もキャリアプランも異なっていましたが、 バンドを組むことで初めて兄弟の絆を深めることができたそうです。
1995 年にブリュッセルの名門レーベル PIAS よりシングル “Second Handsome Blues” を発表した後、当時、2 人ともアメリカのストーナーロック・バンド Kyuss のファンだったこともあり、Kyuss のプロデューサーだった Chris Goss に作品への参加を依頼し、1996 年にデビュー・アルバム『Leave the Story Untold』をリリース。
1998 年にはセカンド・アルバム『Much Against Everyone’s Advice』をリリースし、この作品も成功を収めましたが、アルバム収録曲である “Too Many DJ’s” が彼らのユニット名「2manydjs」の由来となっているのはファンの間で有名な話。
ちなみに、この頃ツアーは楽しいものの、何かが欠けているような気がしてマンネリから脱却して新しいことに挑戦したくなり、DJ やミックスを作るようになり、ネット上にブートレグやマッシュアップを公開したことで人気に火がつき、2manydjs としてダンスミュージックシーンへ参入することになるのです。( The Flying Dewaele Brothers → The Fucking Dewaele Brothers → 2manydjs )
Soulwax としての人気も軌道に乗り、Coldplay や Muse といった人気ロックバンドの前座も務めたほか、イギリスのインディペンデント音楽産業やアーティストが加盟するAIM主催の音楽賞「AIMアワード」の “Outstanding Contribution to Music award in association with Merlin” 部門で受賞したり、母国ベルギーやオランダでも数々の賞を受賞。
2019 年に発表したカナダ人フィメールプロデューサー Marie Davidson の “Work It” 公式リミックスは大ヒットを記録しました。
上記のリミックス含め、ブルックリンのサイケ・ポップ・デュオMGMT の “Kids (Soulwax Remix)” や、3 ピース・ガールズ・バンド GOSSIP の “Standing In The Way Of Control (Soulwax Remix)” は、Soulwax の傑出したリミックスとして今尚称されています。
このようにリミキサーとしての功績も数知れず、他にも Peggy Gou, Róisín Murphy, Robyn, Sylvester, Fontaines DC などの作品や、グラミー賞にノミネートされた Wet Legの “Too Late Now” のリミックスも手掛けました。
Kyuss のいちファンだったただの兄弟から世界的な DJ にまで成り上がった彼らの類まれな才能と血のにじむような努力は計り知れません!
満を持してZEROTOKYOに初登場!
駆け足にはなりましたが、2manydjs 及び Soulwax がどれだけ偉大なアーティストなのかは少しは分かっていただけたでしょうか。
7 月 26 日(金)は、30 年近くにわたってロック~エレクトロシーンをリードし、今もなお変わらず絶大な人気を集める 2manydjs を日本のクラブで拝める貴重なイベントとなります。
2manydjsが坂本高橋っていう声のサンプリング入れてFirecraker流してるの粋すぎて泣いちゃう #COACHELLA2023 pic.twitter.com/dEOWEuYPen
— liliy (@donp0084) April 17, 2023
昨年は Coachella にも出演しており、大規模なフェスなどでしかお目にかかれない 2manydjs が ZEROTOKYO でどんな DJ SET を披露してくれるのか期待しかありません!
また、国内からは、人気 HOUSE・TECH HOUSE・TECHNO パーティー ”EDGE HOUSE” のレジデントを務める JOMMY と KZMT も出演しますので、この機会をお見逃しなくお見逃しなく。
2024.7.26(金) 2manydjs in ZEROTOKYO @ZEROTOKYO
OPEN 23:00
HP:https://zerotokyo.jp/event/2manydjs-in-zerotokyo0726/
DOOR:¥3,500-
FASTPASS TICKET:¥3,000-(優先入場・入場料金含む)
B4 Z HALL
2manydjs (DJ SET) / JOMMY / KZMT
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