新しいタレントを発掘することでも知られているEDM最大手のレコード・レーベル「Spinnin’ Records」が初の中国人アーティストと契約したことが大きな話題となっています!
その人物とは、Carta(カルタ)。
「Spinnin’ Records」と契約しているDJは欧米人ばかりだったので、初の中国人DJということで同じアジア人としてこれは嬉しい事です!
本日はそんなCarta(カルタ)について掘り下げていきたいと思います!
目次
Cartaとは
Carta(カルタ)とは、中国・上海出身のDJ / EDMプロデューサーで、先日8月22日に20歳の誕生日を迎えたばかりの期待の新人です!
両親のイタリアと中国(香港)の血を継いだCartaは中国・上海で生まれました。
幼い頃から中国のポップソングを良く聴いていた記憶があるそうで、Swedish House Mafia(スウィデッシュ・ハウス・マフィア)や多くのプログレッシブ・ハウスアーティストに影響を受け、EDMの世界に興味を持ち始めます。
なんでも13歳の頃、ダンスミュージックのコンピレーションアルバムに収録されていたSwedish House MafiaとPharrell(ファレル)がコラボした“ONE”を聴いて衝撃を受けたのが全てのはじまりだそうです。
スウェディッシュ・ハウス・マフィア
価格: 250円
posted with sticky on 2016.9.12
またCartaはUKで何年間も過ごしていたこともあって英語はペラペラで、UKのクラブミュージックを聴きつつ自身のエレクトロ・サウンドに対するイマジネーションを研ぎ澄ませていきました。
そして14歳の誕生日のときに初めて機材に触れ、見真似でDJをしたのですがその楽しさのあまり、それ以降学校よりEDMが大事なくらいハマり込んでしまいます。
人知れず練習に打ち込みプロデュースの基礎を習得。
その土地のグルーヴに合うようUKガレージをフュージョンさせたりとサウンドを進化させたりもしました。
また2011年に上海の「MAO LiveHouse」で行われたSteve Aoki(スティーヴ・アオキ)のライブを見に行ったのが初めてのEDMアーティストのライブで、そこはクラブと言うより倉庫のような会場だったにも関わらず、かなり盛り上がりEDMの持つエネルギーにも魅せられたといいます。
自分のトラックを作ってはデモを送っていたCartaは、2013年に「Hardwell On Air」で自分が送ったデモがかけられた瞬間に、「自分もできる!」と確信し音楽の道に進む決断をしました。
はじめ家族は自分がDJになることを反対していましたが、母親がHardwellのポッドキャストで自分の息子の曲が流れているのを聴き、改めて息子の音楽に対する熱い気持ちを理解し、サポートしてくれるようになったそうです。
今では母親は自分がビッグイベント等に出演するときは必ず観に来てくれるそうで、いつも自分が回しているときにステージで踊らせてくれないかお願いしてくるほど応援しているようです。笑
UKで培ったスキルを持って2014年に上海に戻ってからすぐに上海のEDM/クラブシーンでも頭角を現し、上海の人気クラブ「M18」のレジデントに抜擢!
上海のクラブイベントにも軒並み出演し、彼のダイナミックなライブパフォーマンスは地元DJたちから多大なサポートを受け、多くの若者たちをも虜にしました!
2015年、彼が19歳のときには中国のビッグEDMフェスティバル「Storm Festival」に出演!
Don Diablo(ドン・ディアブロ)やAbove & Beyond(アバブ&ビヨンド), DVBBS(ダブズ), Laidback Luke(レイドバック・ルーク), Skrillex(スクリレックス), Tiesto(ティエスト)といったビッグネームたちと同じメインステージでパフォーマンスをかましました。
そこで初めて憧れであったTiëstoに会ったときには思わず「oh shit.(ヤベぇ)」と声が漏れたと明かしています。笑
これだけ有名になり露出が増えてきたCartaですが、まだ自分のサウンドに関して特別なスタイルだとは言えず、現在オリジナリティを模索中とのことで1日でも早く自分だけのサウンドを確立するのが目標とのこと。
しかし、すでにリリースされている彼の曲を聴く限り、どれもエネルギッシュなサウンドかつメロディアスな一面のある曲ばかりとなっています!
そしてこの1年以内に人気ランキングに名が載るようなビッグDJたちみんなから自分の音楽、スキル、パフォーマンスを認めてもらうことを宣言しています!
この野心と勢いから見ても『DJ Mag Top 100 DJs』にCartaの名前が載る日も近いのではないでしょうか。
「Spinnin’ Records」と契約した初の中国人!
2016年の2月に「Spinnin’ Records」と契約したCartaは、「Spinnin’ Records」と契約した中国人DJ1人目ということで話題になりました!
なんでもA2LIVEがホストを務める「International Music Summit」が上海で行われたときに、「Spinnin’ Records」の担当者も会議のために来ており、そのとき初めて会ったのがきっかけだそう。
後でお話ししますが、Cartaという名前で活動する以前から「UFORIK」という名前でプロデュース活動をしており、そのときから色んなアーティストや音楽関係者たちから注目されていました。
そしてその担当者と色々話して意気投合し、「ADE」や「BOOM! Magic」にも招待してくれ、その後に契約までトントン拍子で話が進んだそうです。
今年2016年には早速「Spinnin’ Sessions」のアジアツアーで、香港、成都、台北などのアジアの主要都市を廻り、各国のフロアを沸かしてくれました!
ツアー後はマイアミの「Winter Music Conference」期間中に開催された5日間のイベント「Spinnin’ Hotel」でもSpinnin’チームの一員としてパフォーマンスするなど早くも多忙なスケジュールをこなしています!
その後もFedde Le Grand(フェデ・ル・グランド)やR3hab(リハブ), Quintino(クインティーノ)などの人気DJたちとも共演を果たしています!
中国・上海出身ということで同じアジアのDJがこうやって大舞台で活躍しているのを見ると勇気をもらえますよね!
これは余談ですが、上海のクラブに行ったことがある方は上海のクラブは音楽を聴いて踊り狂っている人が少ないというイメージを持ちませんでしたか?
私自身も当時行ったときそう思いましたし、そもそもダンスフロアが狭くテーブル席が大半を占めているクラブがほとんどだという印象があります。
それぞれのクラブによって、また誰が回すかによっても雰囲気がかなり変わってくるそうですが、“Shanghai”のPVを見ても分かるように現在では上海でもEDMシーンが日に日に大きくなっていることは間違いないですね!
またCarta自身も自分だけでなく才能あふれるDJやプロデューサーはまだ上海に沢山いると語っているので、これは日本勢も負けていられませんね!
Cartaの前は「UFORIK」名義で活動!
今の「Carta」というステージネームで活躍する前、プロデューサーとしてキャリアをスタートさせた当初は「UFORIK」という名前で活動していました。
そのときからすでにプロデュースのスキルはピカイチで、特に2014年に出したイタリア出身のEDMデュオ、Lush & Simon(ラッシュ&シモン)とコラボした“Hydrogen”なんかはかなりおすすめです!
ピアノのメロディと澄みきったような美しいシンセのコンビネーションが素晴らしいトランス風プログレッシブ・ハウスに仕上がっています!
そしてこの曲を制作したとき、Cartaはまだ18歳というのが驚きです!
それだけでなくThe Chainsmokers(ザ・チェーンスモーカーズ)からも“Far Away”という曲を気に入られ、自分たちのセットで是非かけさせて欲しいから曲を送ってほしい!とメッセージをもらったりもしています。
やはり素晴らしい曲やそんな類まれない才能を持っている人物というのは誰かによって必ず発掘されるものなんですね!
自分のセットでよくかける4曲!
Cartaがインタビューで自分のセットで必ずと言っていいほどかけるお気に入りの曲を4曲挙げていたので、こちらでも紹介させていただきます!
- Mike Williams – Sweet & Sour
フューチャー・ハウスのサウンドとベース・ハウスのドロップというコンビネーションにメロディックなブレイクダウンが大好きだそうで、非常にかけやすく自分のセットでもよくプレイするそうです。
- Fedde Le Grand and Holl & Rush – Feel Good
オールドスクールっぽいブレイクブートが最高で、ドロップの音が今まで聴いたことがないほど新鮮かつユニークで気に入っているとのこと。
- Swedish House Mafia – Don’t You Worry Child ft. John Martin
これはCartaに限らず、間違いなく皆大好きなEDM名曲のひとつでしょう。
過去2年間、必ずといっていいほど自分のセットでかけていたそうです!
スウェディッシュ・ハウス・マフィア
価格: 250円
posted with sticky on 2016.9.12
- Cheat Codes x Kris Kross Amsterdam – SEX
IDだったときから何度も何度もヘビロテで聴いていた曲で、ずっとこの曲のブートレグを作りたいと思っていたそう。
そしてついにこの曲の公式リミックスのリリースが決定しました!
Cartaのオススメ曲
まだ「Carta」としての曲が少ないこともあって、「UFORIK」時代のオススメの曲も一緒に紹介したいと思います!
Carta – Shanghai
故郷である上海をタイトルにしたCartaの初のソロ・ナンバー。
Headhunterz(ヘッドハンターズ)とSkytech(スカイテック)の“Kundalini“に若干似た部分もありますが、テイストとしてはR3habやShowtekのようなエネルギッシュなサウンドとなっています!
PVももちろん上海で撮影されています!
Lush & Simon x Carta feat. Funkz – Th3 0ne
イタリア出身のEDMデュオ、Lush & Simon(ラッシュ&サイモン)とのコラボで、Funkz(ファンクズ)をフィーチャーしたナンバー。
メロディといいドロップといいかなりシックでクセになります!
ヘビーなビートにエフェクトのかかったスイートな女性ヴォーカルが織り交ぜられた鋭いエレクトロ・チューン!
PVのはじめに「てんかん発作を起こす可能性がある」という警告が出てビックリしますが、不気味なPVありきで聴くとよりゾクゾクして楽しめますよ!笑
Sem Vox & Carta – Memories
オランダ出身のDJ、Sem Vox(セム・ヴォックス)とのコラボ・ナンバー。
メロディックで高音のシンセと魅惑的なプログレッシブ・サウンドで恍惚になってしまうほど素敵なフェスティバル・バンガーです!
Bassjackers, Sirah & KSHMRの“Memories”やMatisse &Sadkoの“Memorie”、David Guetta & Kid Cudiの“Memories”、そしてLaidback Luke & Project 46の“Memories”など「Memories」というタイトルの曲は総じて素晴らしいという認識があります!笑
Matt Nash x Carta – Fearless
UK生まれのDJ、Matt Nash(マット・ナッシュ)とのコラボ・ナンバー。
タイトルとはじまりのビートからも分かる通りパワフルなサウンドとなっており、ドロップの音は聴いているだけで鼓動が高鳴りそうな位緊迫感すらあります!
Lush & Simon, Uforik – Hydrogen
上でも紹介しましたが、イタリア出身のEDMデュオ、Lush & Simon(ラッシュ&シモン)とのコラボ・ナンバー。
アップリフティングなプログレッシブ・トラックとなっています!
Uforik – Cobalt
惹き込まれそうなほど幻想的なイントロが素敵なメロディック・ハウスに仕上がっています!
曲のテイストとしては上の“Hydrogen”に似ていますね!
Spencer Tarring & Juicy M – Superhero (Uforik Remix)
中国・上海を拠点に活動するDJ、Spencer Tarring(スペンサー・ターリング)とウクライナ出身の美人DJ、Juicy M(ジューシー・エム)とのコラボ曲“Superhero”をリミックスしています。
コードが美しい奥行きのあるサウンドにアレンジされていますが、あなたはオリジナルとどちらが好みですか?
Uforik – Get Your Hands Up
繊細かつダイナミックな1曲で、エフェクトのかかった「Get Your Hands Up!」という掛け声がテンションを上げてくれます!
やはりこの頃にはすでに今のエネルギッシュなサウンドが確立されていますね!
Uforik – Scorpion
メロディアスなプログレッシブ・ハウスなのかと思いきや、掛け声からのドロップはかなりアグレッシブなサウンドになっています!
この曲は、アメリカ・テキサス出身のEDMデュオ、Tritonal(トライトーノル)のラジオ・ショー「Tritonia Radio Show」でもかけられました!
おわりに
いかがでしたか。
UFORIKとしての曲も好きですが、Carta(カルタ)として出した曲は今のところどれもMNNのなかでかなりヒットしています!
そんなCarta(カルタ)は9月17日(土)の「Road to Ultra: Hong Kong」への出演が急遽決定したのですが、MNNは15:30に香港着なので12:30からのCarta(カルタ)のパフォーマンスを見れないのが非常に残念でなりません。。
アジアから世界へと羽ばたいているCarta(カルタ)がこれからどんな活躍を見せてくれるのか楽しみですね!
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