本日紹介するアーティストはMNNでも数名取り上げた敏腕プロデューサーであるMoe ShaliziがマネージメントしているGhastly(ギャストリー)。
ベースハウスが好きな人なら特に彼のことを知っているでしょう!
Skrillexにも才能を認められ、今最も勢いのあるDJのひとりでもあるGhastly(ギャストリー)について紹介します!
目次
- 1 Ghastlyとは
- 2 MijaとのコラボがOWSLAとの契約に発展!
- 3 ゴーストというキャラクター性が可愛い!
- 4 すでに来日済み!来日公演も大盛況!
- 5 Ghastlyのオススメ曲
- 5.1 Ghastly & Mija ft. Lil Jon – Crank it
- 5.2 Ghastly – Get On This
- 5.3 Jauz & Ghastly – Ghosts N’ Sharks
- 5.4 Ghastly – Fuk Watchu Think feat. Jameston Thieves
- 5.5 Getter & Ghastly – 666!
- 5.6 Ghastly – If Ur Listening
- 5.7 Ghastly – Every Night
- 5.8 Brillz & Ghastly – Hawt
- 5.9 Zomboy – Lights Out (Ghastly Remix)
- 5.10 Snails & heRobust – Pump This (Ghastly Remix)
- 5.11 NGHTMRE & SLANDER – WARNING (Ghastly Remix)
- 6 おわりに
Ghastlyとは
Ghastly(ギャストリー)とは、アメリカ出身のDJ / プロデューサーです。
本名はDavid Lee Crowといい、Skrillexの「OWSLA」をはじめDiploの「Mad Decent」, Steve Aokiの「Dim Mak」, Borgoreの「Buygore」といったレーベルで主に活躍しています。
幼い頃、空手に夢中だったGhastlyですが、兄がアコースティックギターでMetallica(メタリカ)を弾いてくれたときに、「自分もやってみたい!」と思ったのが音楽に興味を持ったきっかけ。
また8歳の頃から学校の友達を家に招いて音楽をかけてはしゃぐのが好きだったように、その頃からパーティー好きの性格が現れていました。
アメリカのヘヴィメタルバンド、Megadeth(メガデス)などを聴きながらアリゾナのヤギ農場で育った彼は、メタルバンドのリードシンガーとして活躍する傍ら、空いた時間にパソコンでDAW(音楽制作)について学びました。
次第に自分の作った音楽で人々を熱狂させる側になりたいという感情が強くなり、2008年にエレクトロニックミュージックの世界に本格的に参入するのですが、メタルバンド上がりというアグレッシブな経験が現在の彼のDJ/プロデューススタイルにも現れています。
メタルバンド上がりのDJといえば、この間紹介記事を書いたSikdope(シックドープ)やJauz(ジョーズ), Skrillex(スクリレックス)など結構多いですよね!
すぐにプロデュースを始めたのではなく、メタルバンドを抜けたものの音楽は続けたいと思ったときにイベントで初めて耳にしたハードスタイルやダブステップに心を動かされ、音楽の持つ無限の可能性を体感。
またアメリカで勢いがあったダブステップにサウンドの構築の面などメタルに共通した部分を感じたそうです。
そして夢を追うため機材をトラックに詰め込み生まれ育ったヤギ農園を飛び出し、LAへ移りました。
移ったといってもお金も友達もいなかったため、数か月間はトラックの中で寝泊まりして、駐車場に車を止めて音楽を作ったり、ご飯はホームレスの人たちから恵んでもらったこともあるのだとか。
アメリカの衣料品メーカー、American Apparel(アメリカンアパレル)で働かせてもらったものの、ホームレスということがバレて解雇されるというなかなか凄まじい経験をしています。
10歳のときから自分の農場でエサやりや店でミルクを売ったりととにかく働いていたGhastlyは、LAに引っ越してからも毎日掛け持ちで朝から晩まで働いていたので、ゆっくりではあるものの着実に技術を磨き、自分だけのサウンドを追い求めました。
その後、アメリカ出身のプロデューサー、Static Revenger(スタティック・レベンガー)のプロデュースを手伝っていたある日、彼からへヴィメタルからエレクトロニックミュージックまで手掛けるアーティスト、Sullivan Kingを紹介してもらい、有名なプロダクションスクール「Icon Collective」を教えてもらいました。
※「Icon Collective」といえば、MAKJ(マックジェイ)やJauz, Kayzo(ケイゾー)などを輩出した名門音楽スクールです。
しかしGhastlyは実際、スクールになんか絶対通いたくなかったのですが、彼らとの友情のために仕方なく通うことに。
いざ通ってみたら本格的なDJの練習を積むことができ、なにより同じ志を持つ同胞たちということで良い刺激を受けたと言います。
そして「Ghastly」として初めて作った曲はいきなりOWSLAのコンピレーションアルバムに『EGGNOG Vol. 1』に収録され、ぶっ飛んだベースハウスシンセとダンスフロア向けのブレイクビーツを盛り込みジャンルを超えたハイブリッドなサウンドは多くの注目を集めました!
それで調子に乗り毎日パーティー三昧な生活を送りながら曲もいくつか作ったものの、初めて出した曲のようなオリジナリティはなくファンやレーベルからも不満の声が上がりました。
そこでGhastlyはふたたびヤギ農園に戻って一からやり直すことにし、馬鹿騒ぎは一切なしでしっかり働いてお金を貯めて、音楽を作ること以外は何もしないと決意します。
そして半年後、ふたたびLAに戻ってきたとき、進化したサウンドを認めてもらいLAの人気クラブ、Exchange LAのレジデントを掴んだのです!
2012年にはBassrushというクラブのレジデントも務め、“Funky Flex”という曲をリリース。
この“Funky Flex”はOWSLAの『Free Treats Vol. II.』からリリースされ、Skrillexも自分のセットでプレイしたことで話題になりました!
それからは一気に勢いを増したGhastlyは、次に出した”Bitch U Ghastly”もファンの間でも大人気のトラックとなり、Mad Decentからリリースした”Get On This”は、Jauzがリリース前からセットでかけるなど色んなDJからもサポートされました!
ヘビーなベースサウンドと力強いドラムパターンを組み合わせた彼のユニークなサウンドはダブステップやエレクトロ好き両方の人たちの心を掴み、その後Rottun Recordingsはじめ色んなレーベルから曲を発表。
2016年にはロサンゼルスの超人気クラブ、Avalon Hollywoodでも初プレイを果たしたのです!
今日に至るまで、Burning ManやTomorrowWorldのBlack Butter Recordsステージなどで世界各国のフェスにも呼ばれ、SkrillexやDiplo, Dillon Francis, Tchami, DJ Snake, Datsik, Borgore, Zomboy, Zeds Deadなども支持する人気DJのひとりへと成長しました!
Ghastlyはダブステップとメタルは使う楽器が違うものの構造やアグレッシブでエナジーサウンドを創り出すという面で共通していると語っているだけに、彼のセットではよくロックやメタルの曲もミックスされています。
これは自分の原点でもありインスパイアを与えてくれたメタルに敬意を表しており、今の自分があるのはメタルのおかげだと断言しています。
MijaとのコラボがOWSLAとの契約に発展!
2008年にアリゾナで行われたアンダーグラウンドなレイヴ、Bloodfest warehouseでMija(そのときはまだ「Mija」というステージネームではありませんでしたが。)がSkrillexとB2Bしているのを見てこれまた衝撃を受けたというGhastly。
この頃から「Mijaと一緒に曲を作りたい!」と熱望していました。
そのレイヴでMijaと初めて知り合った後、頻繁に連絡を取り合うようになり、2014年についにLil Jon(リル・ジョン)もフィーチャーした“Crank It”でのコラボが実現し、OWSLAから発表したのです!
この曲はGhastlyのベース要素と、Mijaのハウスの要素を50/50でバランスよく組み込んだベースハウスとなっています
Skrillexが早い段階からMijaに注目していただけに、このコラボを制作したときにはすでにMijaはOWSLAと契約していましたが、Ghastlyはまだ未契約の状態。
そこで気を利かせたMijaが直々にSkrillexにGhastlyのファイルを送り、それを確認したSkrillexが「すぐに契約しよう!」となり無事 OWSLAの一員となったのです!
OWSLAに入って自分のサウンドがよりアグレッシブになったとその変化を感じているそうで、ようやくファミリーと呼べる居場所を見つけることができたと語っています。
余談ですが、GhastlyはMontana Martzという女性と付き合っているのですが、彼女が水色の髪にしていた時はMijaなのかと思ってびっくりしました!
彼女はGhastlyはもちろんGetterなど色んなDJのフォトグラファーとして活動しています。
2人もなかなかのラブラブカップルで微笑ましいです!笑
ゴーストというキャラクター性が可愛い!
Ghastlyは敏腕マネージャーのMoe Shaliziが手掛けるアーティストのひとりでもあるのですが、「Ghastly」という言葉から連想できるように「ゴースト」がテーマとなっています。
※「Ghastly」=「恐ろしい、不気味な、ゾッとするような」
Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)が【=◈︿◈=】のマークで有名なように、Ghastlyは (◕,,,◕) のマークで有名です!
ちなみにMarshmelloはマシュマロ、Slushiiはフローズンドリンク、Jauzはサメ、Sikdopeは錠剤(薬)などMoe Shaliziがマネージメントするアーティストの多くはこういったキャラクター性を持っています。
みんな仲が良いのですが特にJauzとは一時共同生活をしていたほど親しく、“Ghosts N Sharks”という曲でコラボレーションもしています!
Camp BiscoというフェスでJauzと話す機会があり、彼から「2人でdeadmau5の”Ghosts N Stuff”のような曲を作ってみよう!」と言われたのがきっかけで、Ghastlyはコラボしたいアーティストとしてdeadmau5(デッドマウス)の名前を挙げているほどファンでもあったためコラボを即決し、この“Ghosts N Sharks”が生まれました。
Jauzはとにかく色んなことに挑戦するアイデアマンでお互いのサウンドを取り入れスムーズに曲が出来上がったそうです。
話がちょっとそれましたが、GhastlyはゴーストがテーマなだけにVJではポケモンのゴースが使用されることが多々あります。笑
下の写真ではポケモンのゲンガーがプリントされた服まで着ていますね!笑
すでに来日済み!来日公演も大盛況!
Ghastlyはすでに来日したことがあり、2016年の6月に東京と福岡の2公演を行ったのも記憶に新しいかと思います。
東京では「Sound Museum VISION」で、福岡では「SP room」でプレイし、両会場ともに大いに沸かしてくれました!
福岡では日本を代表するプロデューサー、Banvoxと夢のB2Bが実現し、プレイ中も終始仲良しっぷりが感じられました!
https://twitter.com/banvox/status/744164722136616960
東京と福岡合わせて4日間という短い滞在でしたが、思いっきり観光も楽しみ、ファンとともにカラオケや飲みに行ったり、快く写真撮影に応じ、さらに自分のグッズまでプレゼントするという優しい一面も見せてくれました!
個人的な願望ですがまた近い将来、福岡に帰ってきてほしいです!!
Ghastlyのオススメ曲
Ghastly & Mija ft. Lil Jon – Crank it
ULTRA JAPAN 2015やelectrox 2017など何度も日本でプレイしたことのあるアメリカ出身のフィメールDJ、Mija(ミーハ)とのコラボで、ラッパーのLil Jon(リル・ジョン)をフィーチャーしたナンバー。
このメンツを見てクレイジーな曲なのは予想できましたが、PV然り想像を超えるブッ飛び具合でした!
いくつものジャンルをブレンドしたハイブリッドなサウンドが魅力で、ドロップのベースハウスの音が気持ち良いです!
Ghastly – Get On This
サウンド、PVともに良い意味でクレイジーな1曲。
中毒性のあるドロップも最高ですが、なによりイントロとビルドアップ部分がカッコイイです!
この曲にはAblazeと一緒に作ったVIPバージョンもあるので、聴いてみて下さい!
Jauz & Ghastly – Ghosts N’ Sharks
アメリカ出身のDJ、Jauz(ジョーズ)とのコラボ・ナンバー。
タイトルはそえぞれの持つイメージ(Ghastlyはゴースト、Jauzはシャーク)をタイトルにしています!
メロディアスなサウンドとクレイジーなドロップのギャップが秀逸です!
Ghastly – Fuk Watchu Think feat. Jameston Thieves
アメリカ出身のDJ、Jameston Thievesをフィーチャリングしたナンバー。
ビートのタイミングやサウンドの一部がGetter(ゲッター)に若干似ていますが、キーボードの音やドロップはユニークでドープな1曲です!
Getter & Ghastly – 666!
似ていると言いましたが、そんなGetterともコラボしたことがあるんです!
シンプルに見えて色んな音が使われている奥深い1曲で、なんといってもブレイクビーツがたまりません!
Ghastly – If Ur Listening
美しいメロディから始まり、爽々しいヴォーカルサンプルも起用していて珍しいと思いきや、やはりGhastlyワールドに展開されていきます!
メロディアスなパートはエモーショナルさを含んでいて、激しいけど美しい、そんな1曲です!
Ghastly – Every Night
まずUKガラージ系のしっとりとしたサウンドとヴォーカルサンプルを使ったお洒落なイントロ部分に惹かれます!
80年代、90年代のサウンドにディープなベースを加えて現代風にアレンジしたようなサウンドとなっています!
Brillz & Ghastly – Hawt
アメリカ出身のDJ、Brillz(ブリルズ)とのコラボ・ナンバー。
この曲はBrillzの『GEEKIN EP』に収録されており、ヘビーなベースとヴォーカルチョップを併用したサウンドの打ち込みがクセになります!
Zomboy – Lights Out (Ghastly Remix)
イギリス出身のダブステップDJ、Zomboy(ゾンボーイ)のナンバーをリミックッスしています。
ファーストドロップ、セカンドドロップだけでなく、サウンドが徐々に変化していく様も面白いです!
この曲は、最近リリースされたEP『Neon Grave (Remixed)』に収録されています!
Snails & heRobust – Pump This (Ghastly Remix)
カナダ出身のDJ、Snails(スネイルズ)とアメリカ出身のDJ、heRobustのコラボ曲のリミックスも手掛けました。
全体的にダークで独特の雰囲気漂うサウンドに包まれていますが、中盤のブレイクではメロディアスな一面も垣間みれます!
Snailsとは“King Is Back”という曲で、彼と共にVIPミックスも制作しています!
NGHTMRE & SLANDER – WARNING (Ghastly Remix)
アメリカ出身のDJ、NGHTMRE(ナイトメア)とおなじくおメリカ出身のDJ、SLANDER(スレンダー)のコラボ曲をリミックッスしています。
メロディアスなサウンドから「Warning!」という掛け声で一気にアグレッシブなサウンドへと豹変する部分がテンション上がります!
おわりに
いかがでしたか。
Ghastly(ギャストリー)がどういった人物は少しは分かっていただけたでしょうか。
すでにMNNの記事でGhastlyの名前を何度か出したことがありますが、「ガストリー」という読みで説明していました。
正確な読みは「ギャストリー」なのでここでお詫びして訂正いたします。
このGhastlyの記事にあった「ZOMBOY」というアーティストについてもっと知りたいです。
よろしくお願いします。
>>>赤木敢大さん
MNNを読んでいただきありがとうございます。
先日の来日公演もかなり盛り上がりましたね!
了解しました。Zomboyも近いうちに紹介しますね!