本日はまだ十代にして数々の偉業を成し遂げた話題のプロデューサ-、Moore Kismetについて紹介します。
ベースミュージックシーンに彗星の如く現れ、Dancing AstronautやEDM.comなどの海外の人気EDMメディアも大注目しているアーティストです!
目次
- 1 Moore Kismetとは
- 2 LGBTQ+の活動に積極的に参加!
- 3 アニメTVシリーズ『Stargazers』を制作!
- 4 Moore Kismetのオススメ曲
- 4.1 Moore Kismet, Momma Kismet – Flair
- 4.2 Moore Kismet, Leotrix – Adore
- 4.3 Moore Kismet, Laxcity – Flourish
- 4.4 Moore Kismet, WYN – Rumor
- 4.5 Moore Kismet, TYGKO – Vendetta For Cupid
- 4.6 Moore Kismet, torr – Autonomy
- 4.7 Moore Kismet – Self-Expression
- 4.8 Moore Kismet – Beauty Is A Facade
- 4.9 Moore Kismet – Tokyo
- 5 おわりに
Moore Kismetとは
Moore Kismetとは、アメリカ出身のDJ/プロデューサー。
本名はOmar Davisと言い、2004年12月4日生まれの16歳です(2021年7月現在)。
プロのシンガーでもあった母とアメリカの商業放送テレビ・ラジオネットワーク「CBS」のコンポーザーを担当し、ガールズグループやラッパーのトラックも制作していたこともある父のもとに生まれたMoore Kismetは、祖母も曾祖母も同じように音楽に携わっていたりと、まさに音楽家のサラブレッド!
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ちなみに母親はガールズグループにも所属していたものの、Moore Kismetを妊娠したことで音楽のキャリアから離れたのですが、自分が様々なショーで活躍する姿を見せることが親孝行になると考え、自身の道を突き進んでいます。
Moore Kismetは昔からAbove & BeyondやCalvin Harrisといったトランスやプログレッシブ・ハウスを好んで聴いていたそうで、特にCalvin Harrisの4枚目のアルバム『Motion』を聴いたときに「自分もやってみよう!」と思ったのが音楽プロデューサーを目指すきっかけとなったそうです。
ほかにも、AudienやBoombox Cartel, Virtual Riot, WRLD, San Holo, Pixel Terror, そしてRickyxsanの影響を受けたそうで、特にRickyxsanの曲が好きな人はMoore Kismetのエクスペリメンタル・べースミュージックを気に入ると思います。
7歳の頃から音楽制作に取り組んでいたMoore Kismetは、A-TRAK主催のDJ世界大会「Goldie Awards」に出演経験もあり、10歳の頃から本格的にキャリアをスタートさせ、自分のオリジナル曲やブートレグをネットにアップしていました。
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音楽制作を始めてから現在に至るまで来る日も来る日も音楽を作ってきたそうで、常にスキルを磨き続け、型にはまることなく自分だけのサウンドを進化させてきました。
そんなある日、Hekler & Gladezの“404”を趣味でリミックスしたところ、これがネットでバズり、ダブステップシーンの人気レーベルであるNever Say Dieからも注目され、公式リミックスとしてリリースされることになり、2019年には同レーベルからEP『Character』を発表。
このEP『Character』はMoore Kismet自身の人柄だったり生き方、アイデンティティを具現化したような作品となっており、自分の心から湧き出たあらゆる感情が詰め込まれています。
このように2019年、当時14歳の頃からすでにベースミュージックシーンで大活躍しており、初めて出演したショーは14歳のときにフロリダで開催されたAsteria Arts & Music Festivalで、そこで憧れの存在でもあったVirtual RiotやTrivectaとも会うことができ、その2年後には16歳という若さで、EDC Las Vegas史上最年少出場も果たします!
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Moore Kismetにとって音楽というのは自分自身を体現したもので、自分のストーリーだったり、考えていることを表現する手段と捉えており、EP『Revenge Of The Unicorns』では、Moore Kismetの人生における数々の重要な瞬間をそれぞれの曲に収めた作品となっています。
現在では、Imagine Music FestivalyやLollapalooza, Brownies & Lemonade主催のWeekend at Havasuなど様々なフェスやイベントにも出演しており、斬新なサウンドと情熱的なパフォーマンスでファンを沸かせています。
SAY HELLO TO THE FUTURE @MooreKismet_ pic.twitter.com/CGay7sJR55
— Brownies & Lemonade🍫🍋 (@TeamBandL) June 17, 2021
コラボしたアーティストとして、SkrillexやSpace Laces, Porter Robinson、エレクトロニックミュージック業界以外だと、Halsey, Beyoncé, Melanie Martinez, Chloe Moriondo, Troye Sivanなどの名前を挙げているので、いつの日か彼らとコラボする日が来て欲しいですね!
LGBTQ+の活動に積極的に参加!
6月は「プライド月間(Pride Month)」となっており、アメリカなど世界各地でLGBTQ+の権利を啓発する活動やイベントが実施されています。
Moore Kismetはノンバイナリー(自身の性自認・性表現に「男性」「女性」といった枠組みをあてはめようとしないセクシュアリティ)で、パンセクシャル(あらゆる性別の人が恋愛対象になる人)であることを公言しており、LGBTQ+のあらゆるイベントやコミュニティに参加しています。
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2021年にはApple Musicはプライド月間を記念して、未来を担うLGBTQ+のアーティストたちによる11のミックスを公開しており、そのアーティストのひとりとしてMoore Kismetも選ばれました。
today is the beginning of Pride Month 2021. today also marks my 4th Pride Month as an openly non-binary and pansexual teen.
I am so proud to be able to celebrate my history, my stories, my identity, and my art with others just like me. I wouldn’t trade it for anything.#PRIDE pic.twitter.com/iO3RJY8BfP
— Moore Kismet (they/them) 🌺 (@MooreKismet_) June 1, 2021
Moore Kismetは自身の曲の中でもテーマとして扱うこともあり、LGBTQ+に関する理解啓発を進め、プライド月間だけでなく私たちの日常生活や慣習に意識が浸透すること、そしてエンターテインメント業界全体でLGBTQ+の人口が増えていくことを目標に様々な活動を続けています。
アニメTVシリーズ『Stargazers』を制作!
Moore Kismetは音楽だけでなく、友人たちと一緒にアニメTVショー『Stargazers』を制作しているのです。
構想に1年以上を費やしたというこのアニメは、銀河や惑星間の犯罪と闘い、惑星の住民たちを守る戦士たちが闘いやロマンス、困難を乗り越える過程のなかで、個人としての在り方を再確立していく内容となっているとのこと。
まだ公開はされていませんが、Instagramの公式アカウントも準備されており、近日公開予定となっています。
『Stargazers』の制作クルーやキャストの約90パーセントはMoore Kismetと同じLGBTQ+で構成されているそうです。
Moore Kismetは16歳という若さにして様々な分野でマルチな才能を発揮しており、この先もどんな分野でクリエイティブな能力を爆発させてくるのか末恐ろしいです!
Moore Kismetのオススメ曲
Moore Kismet, Momma Kismet – Flair
Moore Kismetが実の母親をフィーチャーしたナンバー。
当時15歳だったMoore Kismetが母親に贈ったトリビュート・ソングで、言葉では直接言い表せない感謝の気持ちを込めた特別な1曲となっています!
Moore Kismet, Leotrix – Adore
オーストラリア出身のプロデューサー、Leotrixとのコラボ・ナンバー。
グリッチの効いた圧倒的テクスチャーとエフェクトが魅力の1曲で、トラップ風のビートと歯切れの良いサウンドとパーカッションが病み付きになる美しくもカオティックなナンバーです!
Moore Kismet, Laxcity – Flourish
Moore Kismetがプライベートでも仲の良いイギリス出身のプロデューサー、Laxcityとコラボしたナンバー。
ノイジーだけど美しい独創性溢れるメロディック・ベースミュージックで、先の読めない展開にワクワクさせられます!
Moore Kismet, WYN – Rumor
Moore Kismetが14歳のときに自身がLGBTであることを初めて父親にカミングアウトしたときの体験に基づいて制作された作品。
そのとき父親は自分の性を理解してくれず、2時間にも渡って間違った性だと叩きこまれ2人の関係も断絶となったそうですが、このような過去のトラウマに悩んでいる人たちに力と希望を与えるような楽曲となっており、前類のない先鋭的なベースミュージックもカッコいいです!
Moore Kismet, TYGKO – Vendetta For Cupid
Moore Kismetが過去に友人だと信じていた人から受けたイジメの体験をベースに描いた作品。
関節を外したような独特のリズムと煌くようなシンセ、ヴォーカルチョップを使った歌声が混じり合って化学反応を起こしており、砕け散った心を癒して平穏を与えてくれる効果があります!
Moore Kismet, torr – Autonomy
毎回ユニークなサウンドデザインでファンを魅了するMoore Kismetが、初めてボーカルに挑戦した作品。
繊細なストリングスやシンセを中心としたブレイク、愛や人生について歌ったソウルフルなリリックが印象的で、傷ついた時に聴きたい失恋ソングとなっています!
Moore Kismet – Self-Expression
Moore Kismetが何も隠すことなく自分と正面から向き合った作品。
まさに自分自身をサウンドで表現したパーソナルな楽曲となっています!
Moore Kismet – Beauty Is A Facade
聴く人によって色んな解釈ができる曲で、Moore Kismet自身はもともと自分のルックスに自信がなく、コンプレックスにさえ思っていましたが、自身のアイデンティティを改めて探していくうちに、ルックスというのは全く重要ではなく、自分は自分だ!ということに気付けたそうで、その強い気持ちを曲に表しています。
不気味な笑い声だったり、ベルなど繊細なサウンドを取り込んだ、先の読めない展開も魅力で、まさに次世代のポスト・ダブステップと言えます!
Moore Kismet – Tokyo
繊細且つ華やかでどこか妖艶さも見え隠れするMoore Kismetワールド全開の1曲。
「東京」の混沌とした雰囲気を表現したような作品と言えます!
おわりに
いかがでしたか。
Moore Kismetがどんなアーティストか少しは理解していただけたでしょうか。
EDC Las Vegasの25年の歴史の中で16歳のアーティストが出演するのは初めてで、若きノンバイナリーのアーティストがこのような世界的なステージ出演することで、同じLGBTQ+の人々に勇気と希望を与えてくれることでしょう!
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