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SEL OCTAGON TOKYOのミュージックディレクターも務めるKDHがProtocol Recordingsからデビュー!新曲”Hard To Hold”の制作の裏側や今後の展望などをインタビュー!

SEL OCTAGON TOKYOのミュージックディレクターも務めるKDHがProtocol Recordingsからデビュー!新曲”Hard To Hold”の制作の裏側や今後の展望などをインタビュー!

Spinnin’ Records や Revealed Recordings, Maxximize Records, Fonk Recordings, Generation HEX, NCS など、日本でも人気の海外レーベルから次々とソロ/コラボ曲をリリースしており、MNN でも過去に何度か記事で取り上げたこともあるコリアン DJ /プロデューサー KDH。

 

SEL OCTAGON TOKYOのレジデントにしてミュージックディレクターやブッキングまで担当している KDH が、2024 年 1 月 19 日(金)に Nicky Romero 主宰のレーベル Protocol Recordings からデビュー・シングル “Hard To Hold” をリリースしましたので、制作に関する質問や普段の音楽制作のプロセス、今後のリリース情報やコラボしたいアーティストなど気になることを色々聞いてみました!

KDH – Hard To Hold

 


Q. Protocol Recordings からのリリースおめでとうございます。今回の新曲 ”Hard To Hold” に関するインスピレーションやサウンド面で意識されたこと、また、力を入れたパート等ありましたら教えてください。

僕のセットでは今、”FOREVER” というトラックを基本フィナーレとしてプレイすることが多いのですが、”FOREVER” に代わるようなフィナーレにピッタリな別の曲を作りたいというのがあって、2015 ~ 2017 年のフェスティバルチューンの音楽を聴き直して、エナジックだけどフィナーレとしても似合いそうなトラックを制作したいというところから始まりました。

この曲の僕なりのポイントはもちろんドロップではあるんですけど、最後のセカンドビルドアップにも力を入れています。フィナーレ感を出すために結構引き伸ばしたりと、バイブスで感情を引き立てるようビルドアップからのドロップを意識したので、そこがこのトラックの推しポイントです。

Q. この曲はボーカルを聴いてから、ボーカルや歌詞に合うようにサウンドを構築していったのか、ある程度アイデアがあって、それに合うボーカルを見つけたのでしょうか?

普段はインストを先に作ることが多いのですが、今回に関してはボーカルをもとに制作に入りました。”Hard To Hold” は、Jay Mason(SGNLS 名義でも活動)によるボーカルなのですが、実は去年 10 月に出した “Under My Skin” や SMACK とコラボした” With You” でも歌ってもらっていて、彼に良いのがないか声を掛けたときに、このボーカルのトップラインを先に聴かせてくれて、凄く気に入ったのを覚えています。

KDH – Under My Skin [Lyric Video]

 

SMACK & KDH – With You (feat. SGNLS) [Official Audio]

 

Q. 毎回、ジャンルを制限することなく、色んな音楽スタイルで海外レーベルから曲を出されていますが、今回、多幸感あふれるプログレッシブ・ハウスでいこうと決めた理由はあったのでしょうか?また、Protocol からのリリースを狙ってたのですか?

現実的な話になりますが、自分のセットの中でひとつ、ふたつのジャンルだけではなく、始まりから最後まで全体を通したグルーヴ、流れというのを大事にしていて、プログレッシブ・ハウス自体、個人的に好きですし、前々から作りたいとは思っていたんですけど、プログレッシブ・ハウスをリリースできるレーベルがなかなかないのが現状で、そんな中、Protocol は今でもリリースしていることもあって、完全に狙ってというわけではないのですが、ある程度、サウンドデザインやボーカルラインは Protocol からのリリースを意識して臨みました。

Nicky Romero & Deniz Koyu & Jaimes – Tomorrow Comes (Official Lyric Video)

 

Q. “FOREVER” もそうですが、2023 年の Revealed の Miami Sampler にも収録された “Need You Now” でもプログレッシブ・ハウスを披露していましたが、KDH さんが今得意とするジャンル、スタイルはありますか?

メロディックなサウンドが好きながらも、自分の中でトライ・アンド・エラーを繰り返す意味でも、今年は特にヨーロッパ向けのトラックの制作に集中してみようかなと思っています。

KDH & SGNLS – Need You Now (Progressive House) [Miami Sampler 2023]

 

Q. 別のインタビューで、曲の制作は半年 〜1年掛けて少しずつ作業しているとおっしゃられていましたが、”Hard To Hold” については、いつ頃から制作に取り掛かり、完成までにどのくらいの時間を費やしましたか?

このトラックに関しては、そもそも制作に取り掛かったのは 2022 年の 9 月とか後半あたりだったのですが、2023 年あたまぐらい制作を終えました。たまにテストで自分のショーとかでプレイして、それからリリースが決まるまでに 1 年くらいかかりました。リリースに至るまで色々ストーリーがあって、幾つかのレーベルにデモを送ってたんですけど、その中のひとつとして Protocol にもデモを送っていました。しばらく、音沙汰がなかったのですが、2023 年 8、9 月あたりに急に Protocol から「まだ ”Hard To Hold” は有効か?」みたいな連絡がきて、そこからリリースが決まったという流れだったんです。

Q. Protocol 側から具体的にサウンドをもう少しこうしてくれ、みたいなやり取りもあったんですか?

連絡をもらった後、サウンドの細かいところの調整、指示はあったので完了させて最終的にリリースが決定しました。

Q. 正直、”Hard To Hold” を聴かせてもらうまではテックよりのディープなプログレかなと勝手に予想していたら、まさかの正統派プログレだったのは驚かされました!

まさかデモ音源送付から半年過ぎてから Protocol から連絡がきたので、自分でもビックリしました!(笑)曲が出来上がったばかりの今から 1 年くらい前に、自分の ID とも何も言わずにショーでかけたことがあったんですけど、この間の KŌSOKU JAPAN MUSIC FESTIVAL でラストの方にプレイしたときに自分の周りやファンの人たちが覚えてくれていて、今回、リリースが正式に発表されたときも SNS で「やっとリリースされる!」みたいな反応があったのは、とても驚いたし嬉しかったです!

Q. DJ から音楽キャリアをスタートさせたとお聞きしましたが、曲の制作をスタートするきっかけだったり、憧れのアーティストはいましたか?

昔から Martin Garrix に憧れていたんですけど、Ultra で彼のパフォーマンスを生で見て、1 時間半のセットの中で盛り上がれたり、感動したりと、感情が持っていかれるほど衝撃を受けたことで、自分も音楽、曲で人の感情を動かせるようになりたいと思ったのがきっかけですね。もともと色んな現場で DJ をずっとさせてもらっていたなかで、お客さんに対してもっと “KDH という DJ はこうなんだ!” って自分自身を表現するためには、海外のアーティストみたいに自分のトラックを出して、そこで自分の色を出していく必要があるなと感じました。

Q. ところで、KDH さんはもとも音楽とかされていたんですか?

昔、別の形で音楽活動をしていた時期もあったんですけど、なかなか軌道に乗らず挫折しかけたこともありました。でも、若いうちに “もう 1 回音楽にチャレンジしたい!” と思って、当時からストレス発散や趣味で続けていた DJ をもっと本格的に取り組むことに決めたという感じです。

Q. 色んな海外レーベルからクオリティの高い曲を出されていますが、どのように曲制作のスキルを磨いていったのか興味あります。

最初は音楽制作のスクールにも通っていた時期もありました。独学しつつ、周りの韓国のプロデューサーともコラボしたりアドバイスをもらいながら、SoundCloud でとにかく沢山曲を出して勉強してきました。

D-Steal & KDH – Good Time

 

Q. KDH さんが使われている DAW ソフトを教えてください。曲によって異なるかもしれませんが、普段はどういったプロセスで曲制作を進めることが多いですか?

作曲ソフトは Ableton Live 11 を使っています。自分の DJ セットでもっとこういうジャンルの曲を入れたい、というところから制作する楽曲のジャンルを決めることが多いです。曲作りについては、最初はドロップから取り組んでます。ドロップのメロディラインが浮かんで、それから骨作りをしていくという感じです。インストが完全に出来上がった後に、仲の良いボーカルに話を持ち掛けたり、ボーカルを依頼できるサイト経由で入手したりと、普段はそういう流れになります。たまに、ボーカルの方からトップラインを送ってきてくれることもあるので、それらを聴きながら、これはこういうメロディでやってみたいなというのがあれば、連絡してステムをもらって、そこから作業に入る場合もあります。

Q. SMACK や Steff Da Campo, Raven & Kreyn, Dastic など多数のアーティストとコラボ曲を出されていますが、今、最もコラボしたい DJ /プロデューサーや、次にリリースを目指されているレーベルはありますか?

Mesto です!結構仲良くさせてもらってて、この間の来日時もさらっと「そろそろ 1 曲一緒にやってみようか!」と言ってくれましたが、まだ具体的に何か進んだわけではなので、アイデアを送ってみようかなというところです。

 

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今目標のひとつとしているレーベルは、憧れの Martin Garrix が主宰している STMPD RCRDS です。実はあるアーティストと今もうコラボ曲の制作を進めていて(STMPD RCRDSからのリリースを)狙っています。結構、コラボを沢山してきて有難いことに認知度も少しずつ上がってきたので、今後はそういったレーベルからソロシングルをリリースできるようになりたいと思っています!

Q. 先月、Instagramで “Hard To Hold” を含む9つほどの ID のプレビューを公開されていましたが、リリースがある程度決まっている曲もあるのでしょうか?また違った雰囲気のプログレッシブ・ハウスの曲もありましたが。

そこに載せた 8 割は決まっています!アップした別のプログレッシブ・ハウスの曲はまだリリースは決まっていませんが、”Hard To Hold” のフォローアップとして Protocol の方に話をしている段階です。まずは “Hard To Hold” のリリースに集中してその後に話を詰めていければと考えています。

 

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Q. 今後のリリース予定など、可能な範囲で共有できることがあれば教えていただけますか?

今年もすでに去年ぐらい沢山のリリースが決まっていて、自分のキャリアの中でも大きなターニングポイントになるようなリリースも幾つか予定されているので、沢山聴いて欲しいです。また、今年は『FOREVER』に次ぐセカンド・アルバムを avex EDM からリリースできるよう制作の方にも力を入れているので楽しみにしていて下さい!

Q. それでいくと、セカンド・アルバムは色んなジャンルに挑戦した作品が期待できそうですね!

リリース済みの幾つかのジャンルの曲も収録される予定ですし、何人かの海外アーティストとのコラボ曲も収録される予定です。彼らとは普段から仲良くさせてもらっていて、「一緒にやろうよ!」みたいな感じで言ってきてくれて嬉しかったです!

セカンド・アルバム含め、今後のリリースも期待しています!本日はインタビューに応じていただきありがとうございました!


毎回、自分のセットのなかでストーリーを考えている KDH が、フィナーレ感を出しつつ、”FOREVER” に代わる新たなフェスティバルチューンを求めて制作されたのが、今回の Protocol Recordingsからのデビュー・シングル “Hard To Hold” ですので、SEL OCTAGON TOKYO などの現場でも是非体感して下さい!

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