日本人プロデューサーのKen Takanoが、2020年1月17日(金)にポーランド出身のプロデューサー、Patrick Morenoとコラボした新曲”Antidote”をSpinnin’ Recordsが2019年11月にローンチした新レーベル「Spinnin’ Records Asia」からリリースしました!
From Japan to the world. 🇯🇵 Happy #ReleaseDay! Check out “Antidote” by @kentakano_dj and @djsmoreno, out now.
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🎥: https://t.co/KguRVS9Zrw#KenTakano #PatrickMoreno #Antidote #SpinninRecordsAsia pic.twitter.com/OXzc9yWUOP— Spinnin’ Records Asia (@spinninasia) 2020年1月17日
Ken Takanoは株式会社よしもとミュージックパブリシング所属のアーティストで、1998年から「高野健一」や「pal@pop」名義で音楽プロデューサーだけでなく、シンガーソングライターとしても活動しており、2007年の”さくら”のヒットで『日本有線大賞・有線音楽優秀賞』を受賞。
2012年からダンスミュージックに本格的に取り組み、2017年にはDon Diabloがホストを務めるラジオショー「Hexagon Radio」で“Departure”がピックアップされ、Future House Musicから正式にリリース。
その後も、Future House MusicやFuture House Cloud, 2-Dutch, Spectrum Recordings, Break It Down Musicといった海外レーベルからコラボ曲含むシングルを多数リリースし、2019年にはLost Frequenciesのレーベル Found Frequenciesからも複数のシングルを発表しました。
そして今回リリースした、吉本興業所属のダンスユニット、エグスプロージョンとミュージックビデオでコラボしたことでも話題の“Antidote”では、「Spinnin’ Records Asia」からリリースという日本人初の快挙を成し遂げました。
そこで、Ken Takanoさんに音楽のルーツや音楽プロデュースをはじめたきっかけ、最新シングルに関する質問など幾つかお話を伺ったので是非チェックしてみて下さい。
Q1. まず、Ken Takanoさんご自身の音楽のルーツを教えて下さい。
中学生のときに出会ったビートルズですね。子供の頃から鼻歌で自作のメロディーを口ずさむのが好きだったんですが、楽器は全く弾けず、音楽の授業は嫌いな方でした。ビートルズを聴いて「音楽教育を受けていなくてもこんなにイイ曲を作れるんだ!」と影響を受けて、見様見真似でギターを覚えたのが本格的に作曲を始めるきっかけでした。バンドブーム全盛の頃(80年代)でしたが、バンドはやらずに家に引きこもって、ひたすら1人で曲を作ってましたね。「ビートルズに絶対負けない!」という気持ちでやってました(笑)。
Q2. J-POPだけではなく、ダンスミュージックの制作を始めようと決意したきっかけはなんですか?
2012年頃、EDMムーブメントの最盛期だったと思うのですが、その頃にZeddやDavid Guettaなどのヒット曲を聴いて「こんなに新しいサウンドでヒットチャートが溢れるなんて素晴らしい!」と衝撃を受けました。もともとダンス・ミュージックは好きで、J-POPの曲のアレンジに取り入れたりしていたのですが、「これはもう自分もEDMを本格的に作って、ライフワークとして新しいサウンドとヒット曲を模索し続けよう」と決心しました。
Q3. ダンスミュージックの制作の際に使用しているDAWソフトを教えて下さい。
Bitwigです。マイナーなソフトですが、カラフルでポップなルックスが気に入ってます。操作性はAbleton Liveに似てますね。
Q4. EDM、Future Houseの楽曲制作において、制作のコツやヒントに繋がったトラックがありましたらBEST 3を教えて下さい。
- Zonderling ft. Mingue – Remedy
- Zonderling x Don Diablo – No Good
- The Chainsmokers ft. Halsey – Closer
ですね。これらの曲は必ずリファレンスとしていつも聴いています。
Q5. これまでのダンスミュージックの制作活動において、一番苦しかった事や悔しかった事はありますか?
曲を作っていて「イイ!」と思えたものが翌日冷静に聴くと「ゴミだ!」と思えてしまう挫折感は、ほぼ毎日繰り返してます(笑)。これホントにイヤになるんですけど、しょうがないですね、繰り返していくしかないです。
一番悔しかったのは、ファリ(Pharien)君に先を越されたことですね(笑)。やはりSpinnin’ Recordsという大きな目標があったので。冒頭に書いたように、ずっと1人で曲を作ってきた自分にとっては、ファリ君との出会いはとても貴重で、唯一の「同志」であり「ライバル」だと勝手に思ってます(笑)。
Q6. 最新シングル”Antidote”は、Spinnin’ Records Asiaからの日本人アーティスト初リリース楽曲となりますが、 Spinnin’ Records Asiaとの契約に至るまでの経緯を教えてください。
ファリ君とほぼ同時期にSpinnin’ Records にデモを送っていて、ファリ君に先に良い返事が来てしまった…。これはもう自分の力量不足だと受け止めて「ファリ君がSpinnin’ Nextなら、自分はSpinninのメインレーベルを狙おう!」と心機一転作ったのが今回リリースした”Antidote”でした。この曲を作るのに4ヶ月もかかってしまい、それくらい新しい試みがあってミックスとマスタリングは苦労しました。僕的に最も難産だった楽曲になりましたが、Spinnin’ Records(メイン)からリリースするためには、それくらいクオリティーアップさせる必要があると考えながら作りました。Spinnin’ Records Asia発足の話は”Antidote”を送ったときに初めて聞いたのですが、「Spinninとワーナーでアジアマーケットも視野に入れた新しいレーベルを作る。ポップな曲が好ましい」とのことで、歌モノとしてもしっかり作ったことが幸いして、レーベルテイストに当てはまったようです。
Q7. “Antidote”はどのようなイメージ、コンセプトの楽曲ですか?
まず「歌」だけで素晴らしい!と思えるものを…というところから作り始めたのですが、”Antidote”はコラボ希望者から送られてきたボーカルトラックの一つでした。強すぎず弱すぎず、アンニュイな雰囲気もありつつキャッチーでポップな歌声を聴いて「これだ!」と思いました。トラックに関しては、自分らしいサウンドメイクの枠組みは守りつつ、Future Houseの枠組みを超えてポップになるように、具体的にはメロディーの音域やベースの音色などですが、とにかく“メインストリーム”ということを意識して作りました。
Q8. 音作りやプロダクション面で、今回特にこだわった部分、重視したことがありましたら教えてください。
「Future Houseだけどクラブバンガーではない。リスニング、ストリーミング向けの歌モノ」ですね。またリリック面ですが、「Antidote(解毒剤)」という強いワードと「男の片想い」のミスマッチが楽しめる楽曲になってると思います。
Q9. Spinnin’ Records Asiaからのリリースということで、制作していく中で何か意識したことはありましたか?
今振り返ると確かに、”Antidote”はSpinnin’ Recordsの他のどのサブレーベルからも出せないようなポップな歌モノになっていると思います。そういう意味で今後作ってゆく楽曲も、よりポップなものになると思います。アジアマーケット向けのサウンドの方向性は分かりませんが、今までSpinnin’ Recordsが培ってきたヨーロッパ向けのトレンドサウンドとは違う枠組みのサウンドが求められるだろうし、僕自身もそこを狙っていきたいと思っています。
Q10. “Antidote”でのコラボレーター、Patrick MorenoとNico Mについて教えてください。それぞれどのような経緯でコラボすることになりましたか?
コラボ希望者だったPatrick Morenoからは、大量の良質なボーカルトラックが送られてきてました。その中で”Antidote”を歌っていたのがNico Mです。Patrick MorenoとNico Mが作詞作曲とボーカルプロダクションを共作していて、僕に送られてきた段階で完成されたものでした。
Q11. “Antidote”のミュージックビデオも話題ですが、エグスプロージョンを起用することになった経緯、ミュージックビデオのコンセプトを教えてください。
エグスプロージョンとは、彼らのサウンドプロデュースをさせてもらってた経緯で仲が良く、依頼したときも二つ返事でOKをもらいました。ずっと前から「世界進出!」とお互いに話していたので、「いずれは大きな舞台で一緒に何か」というのが暗黙の了解であって、ようやくその時が来たという感じですね。エグスプロージョンと同じく、MVを制作してくれたUISHAAAWORKSも僕が最も信頼する映像制作集団で、「いつか一緒に」と思っていました。今回のMVは、エグスプロージョンのユニークなダンスとUISHAAAWORKSの映像センスの中に、日本らしい様々なエレメンツが散りばめられた、インパクトのある作品になっていると思います。良い意味で「こんなMVがSpinnin’ Recordsのオフィシャルビデオとして流れていいのか?」というくらい痛快な作品です(笑)。
Q12. 最後に今後のリリース予定、活動予定について教えてください。
2作目、3作目とSpinnin’ Records Asiaからリリースを重ねて、自分のサウンドがSpinnin’ Records Asiaのレーベルカラーとなるように頑張りたいと思います。
ダンスミュージックが大好きで、世界で1番のSpinnin’ Recodsからリリースすることは大きな目標だったそうですが、今回のリリースがゴールではなくスタートなのだと心に強く受け止め、アジアを代表するアーティストになれるようもっと上を目指していくとのことなので、今後の活躍にも期待したいですね!
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