本日ご紹介するアーティストは日本でもコアなファンを多く持つ、Kryder(クライダー)。
2015年1月に初来日を果たしWOMBでプレイしましたが、彼のGroove House(グルーヴハウス)に心を鷲づかみされた方も多いのではないでしょうか。
また彼は同じく人気の高いTom Staar(トム・スター)との活動でも有名なのですが、そんなTom Staarが3月19日(日・祝前日)にWOMBに登場するのでそのイベント詳細も載せておきます。
それではKryder(クライダー)の紹介に参りましょう!
目次
- 1 Kryderとは
- 2 当初は二人三脚で活動していた!?
- 3 Tom Staarと共同で「Cartel Records」を設立!
- 4 自身のレーベル「SOSUMI Records」の活動にも精力的!
- 5 Kryderのオススメ曲
- 5.1 Kryder, Tom Staar & The Wulf – De Puta Madre
- 5.2 Kryder & Eddie Thoneick – The Chant
- 5.3 Kryder – Fiji
- 5.4 Kryder & The Wulf – Good Vibes
- 5.5 Kryder & HIIO – La Luna
- 5.6 Kryder – Selecta (Chocolate Puma Edit)
- 5.7 Oliver Heldens feat. Ida Corr – Good Life (Kryder Remix)
- 5.8 Michael Calfan – Treasured Soul (Kryder & Genairo Nvilla Remix)
- 5.9 Alan Walker – Faded (Kryder & Tom Staar Remix)
- 5.10 Showtek & Justin Prime ft. Matthew Koma – Cannonball (Earthquake) [Kryder Remix]
- 6 おわりに
Kryderとは
Kryder(クライダー)とは、本名Chris Knightでイギリス・ロンドン出身のDJ / プロデューサーです。
エレクトロやテクノ、テックハウス、トランスのコードが入ったプログレッシブハウスなど彼が作り出すサウンドは多岐に渡りますが、最近ではプログレッシブハウスから派生した耳当たりのいいグルーヴハウスの曲が多い印象です。
Beatportのトップ100で1位を獲得した“Aphrodite”とKölscの“All That Matters”のリミックスでも有名なほか、“Treasured Soul”のリミックスや“Jericho”はじめ数多くの曲をチャートインさせているヒットメイカーでもあります!
クラブに通う前の11歳から友人の兄の影響でFantasiaやDreamscapeなどのオールドスクールなエレクトロニックミュージックを聴いていたKryder。
そしてCarl CoxやAxwell, Richie Hawtin, The Prodigyといったアーティストの曲に影響を受け、ダンスミュージックを作ることに興味を持ち15歳の頃からスタジオでプロデュースをスタート。
自身でも語っていますが、学校も途中で辞めているし学があるわけでもなく、色んな仕事に挑戦してみたものの決められた時間きっちり働くのは自分の性に合わないと悟ったものの、音楽だけは自分の全てを100パーセント捧げることができたそうです。
バイトをいくつも掛け持ちして稼いだお金でレコードを買ったり、イベントのプロモーターとして働いた時期もあったりと音楽に没頭する毎日を送ります。
頭に浮かんだアイデアをすぐに落とし込み、オートメーション化するのが容易という理由でDAWはAbletonを使用しており、ホテルの部屋や移動中も余すことなくプロデュースに励んだそうです。
彼のターニングポイントとなる2011年、デビュートラック“K2”をリリースすると、これがTiestoやLaidback Luke, Swedish House Mafia, Eddie Halliwellらに支持されました!
実際この曲は2010年より前に出来ていたもののトップラインを歌ってくれるヴォーカルを探すのに時間がかかったそうです。
まだヴォーカルが決まっていないときにマンチェスターで行われたギグでこの曲ををかけた際、一緒にプレイしたJudge Julesがこの状態で十分完成されていると言ってくれたことでリリースに踏み切ったのですが、トランスとハウスをクロスオーオーバーしたこの曲は、どちらのシーンのアーティストからも絶賛され、彼の知名度は一気に上がりました!
またKryderの曲は色んなレーベルと契約していることでも有名で、Nicky Romeroの「Protocol Recordings」もそのひとつ。
2012年にAviciiのプライベートパーティーでNicky Romeroに出会ったことがきっかけで連絡を取り合うようになり、Nicky Romeroにデモを送ったそうです。
そのときは“Pegasus”というタイトルだったのですが、Nicky Romeroがとても気に入ってくれて最終的に“PYRMD”というタイトルで「Protocol Recordings」からリリースすることになり、Steve AngelloやAlessoからもサポートされました。
2013年に発表した“Aphrodite”ではスウェーデン出身のDJ、Axwellのレーベル「Axtone Records」と契約。
Kryderの人気曲のひとつでもある“Aphrodite”は当初リリースするつもりは一切なく、むしろパソコンのゴミ箱にまで入れる予定にしていました。
その後、Swedish House Mafiaがニューヨークで開催した「The Black Tie Rave」でこの曲をかけたことで、良いアイデアが思い浮かび急遽曲を完成させたそうです。
そして完成した曲のデモをAxwellに送り、そのとき10バージョンほどあった中で一番気に入った1曲を「Axtone Records」からリリースすることになったのです。
現在も「Axtone Records」から定期的に曲を出したり、2015年にはAxtone x BeatportのADE Boat Partyに出演したりとAxtoneならびにAxwellとは古くから親交があります!
2013年にはスウェーデンのエレクトロダンスポップデュオ、Icona Popの“All Night”のリミックスを手掛け、ポップソングをカッコ良くアレンジするという難業を成し遂げ、そのリミックスセンスの高さも認められました。
この曲はAxwellから個人的に「この曲を送って欲しい」とまで言われ、新たなジャンルのリミックスという点で良い挑戦になったそうです。
ここまででSteve AngelloやAxwell延いてはSwedish House Mafiaから大きなサポートを受けていることが分かったと思いますが、ついには“Don’t You Worry Child”の公式リミックスを手掛けさせてもらうなど全幅の信頼を置かれています!
スウェディッシュ・ハウス・マフィア
価格: 250円posted with sticky on 2017.3.8
さらにKryderはとにかく色んな賞を受賞しており、エレクトロニックミュージックシーンで権威ある賞とも言えるIDMAs(International Dance Music Awards)では2015年に「最優秀プロデューサー」と「ブレイクしたアーティスト」でノミネート!
2016年も「最優秀プロデューサー」にノミネートされ、Tom StaarとThe Wulfとコラボした“De Puta Madre”では「最優秀ラテンダンストラック」で受賞しました!
DJ Magの人気DJランキングで2015年に108位、2016年は134位と惜しくも100位圏外ではありましたが、広く確固たる支持を得ており、EDMにおいて世界最大級のデータベースを誇る1001Tracklistが選んだ「ベストプロデューサー10人」では6位にマークしました!
そのほかラスベガスの人気クラブ、Marqueeやイビサ島のPrivilegeやPachaなどでもプレイしたほか、TomorrowlandやTomorrowland Brasilなどの人気フェスにも軒並み出演しています!
『KRYTERIA』という自身のポッドキャストもしており、グルーヴ感を大事にした60分のミックスを堪能できる内容となっているので、こちらも是非チェックして見て下さい!
当初は二人三脚で活動していた!?
下のKryderの初期の頃の写真を見てみて下さい。
活動し始めた当初は、隣に骸骨のマスクを被った謎の小人もセットで、さらにKryderは未来からやってきた謎のアーティストというSFチックな設定があったのです!
Kryderがかけている近未来感のあるサングラスもそんな設定から選んだものでしょうか。
ちなみにこの骸骨のマスクを被った彼の名前はDokta Kaotikaといいます。
Me and dokta kaotika starting early at the airport ! First stop Germany then France for the sound factory ! pic.twitter.com/qCs7fC55jb
— K̶R̶Y̶D̶E̶R̶ (@KryderMusic) March 29, 2013
Dokta KaotikaはKryderとともにステージに登場し、客を煽って盛り上げるという重要な役目を担っていました!
しかしいつの間にかKryderひとりになっており、初期の頃から彼らの活動を見守ってきた人たちからするとちょっぴり寂しいですね。
今ではKryderの未来から来た設定もなくなり、むしろイケイケでちょいワルな雰囲気をプンプン漂わせています!笑
これはこれでまた良いキャラですけどね!笑
Tom Staarと共同で「Cartel Records」を設立!
上でKryderは色んなレーベルと契約して曲を出していると話しましたが、自身のレーベル「Cartel Records」からも曲をリリースしています。
この「Cartel Records」はKryderひとりでなくイギリス出身のDJ、Tom Staar(トム・スター)と共同でSpinnin Recordsの傘下に2016年6月1日に設立しました。
Tom Staarとは今まで色んな楽曲のリミックスを一緒に手掛けたり、あらゆるイベントで共演したりチームを組んでプロデュースに取り組むほど仲も良ければサウンドの相性も抜群!
2人ともペイズリー柄のバンダナをマスクのように付けているクールな風貌もかっこいいです!
そんな2人がついに2016年にレーベルを作ることに決めたのですが、エレクトロやビッグルーム、プログレッシブといった既存のジャンルではなく、パワフルでリズミカルなテクノ要素の入ったサウンドやラテンハウス、パーカッションの効いたグルーヴィなエレクトロニックミュージックなどを扱う斬新なレーベルとなっています。
2016年に引き続き、2017年もWinter Music Conference(WMC)期間中の3月24日(金)に、マイアミのHeart Nightclubで、KryderとTom StaarはもちろんHI-LOやCID, Chocolate Puma, Daddy’s Groove, Tom Tygerなども出演する「Cartel」主催のイベントが行われる予定となっています!
さらに!3月17日(金)と19日(日)にはKryderの相方とも言えるTom Staarが、札幌と東京公演のため再来日が決定!
3月17日(金)に札幌のRivieraに出演。3月19日(日・祝前日)は、2016年8月に国内初のフリーダウンロード・レーベルとしてスタートし、すでに海外からも注目されている「Sinka Records」によるニューパーティーのスペシャルゲストとして東京のWOMBに出演します!
2016年に千葉の幕張メッセで行われた「SENSATION JAPAN」ぶりの来日ということで、あのときの興奮をクラブイベントで体験できます!
3/19(日) OPEN: 22:30 CLOSE: 4:30 | DOOR: ¥3,500
FLYER&MEMBER: ¥3,000
GUEST: TOM STAAR
RESIDENT DJ: NORIYUKI OMOTO
LINE UP: RYOYA, MARIA FUJIOKA, YUA
VIP LOUNGE:
GUEST: Karibiza
LINE UP: RYO, KOU, ZeHro, RISA, Kyohei Tanaka, FUMINE, Keita Ishigaki
WOMB LOUNGE: YAMARIKI, jun oikawa, cartoon, Na-Oh, HI.SAI, YosK, KAZUHIY, K→C, KAI
下のWOMB公式サイトでは当日有効の割引クーポンを発行しているのでチェックしてみて下さい!
http://www.womb.co.jp/event/2017/03/19/sinka/
自身のレーベル「SOSUMI Records」の活動にも精力的!
「Cartel Records」について簡単に説明しましたが、Kryderはもうひとつ「Sosumi Records」というレーベルも運営しており、2つのレーベルの設立者でもあります。
この「SOSUMI Records」とは、自身はもちろん有能な新人プロデューサーたちが何の制約もなく曲をリリースできるプラットフォームを整備するために立ち上げた完全無料で曲を提供しているレーベルです。
非営利でありながら普通の大手レーベルと同じようにアートワークや曲の促進などいろんな面でアーティストをサポートしています。
つまり無料でより多くの人に音楽に触れてもらい、ダンスミュージックを良い方向へ変えていこうという信念のもと運営しているのです。
「SOSUMI Records」主催の楽しそうなプール―パーティーも行ったりとイベントもちょちょい開催しているようです。
この「SOSUMI Records」には「泥棒」や「独立」、「自由」といった謎の日本語が入っていたり、出される曲のアートワークは全て浮世絵だったりと和のテイストを盛り込んでいるのも特徴です!
ちなみに「Sosumi」とは「So sue me!(訴えてみろよ)」を文字ったもので、なぜその名前をチョイスしたかは分かりませんが、そもそもこの「Sosumi」という言葉が生まれたエピソードを話すと長くなるので、下の記事を参考にしてみて下さい。
Kryderのオススメ曲
Kryder, Tom Staar & The Wulf – De Puta Madre
イギリス出身のDJ、Tom StaarとSpinnin’ Recordsからも曲を出しているDJ、The Wulfとのコラボ・ナンバー。
上で述べましたが、2016年のIDMAsで「最優秀ラテンダンストラック」を受賞した人気の高い曲でもあります!
メロディックなホルンの音色とリズミカルなベースライン、そしてラテンアメリカンなヴォーカルがエキゾチックな雰囲気を醸し出しています!
Kryder & Eddie Thoneick – The Chant
ドイツ出身のDJ、Eddie Thoneickとのコラボ・ナンバー。
タイトルにもなっている「chant」とは「単調な旋律で歌を繰り返す」ことを意味しており、この歌でも魅力的なヴォーカルのループが印象的です!
ドラムとピアノによるパーカッションとハウスサウンドの相性も抜群です!
Eddie ThoneickといえばBeattportのハウスチャートで1位になった“House Music“でもコラボしているので聴いてみて下さい!
Eddie Thoneick & Kryder
価格: 250円posted with sticky on 2017.3.8
Kryder – Fiji
タイトルの通りオセアニアの国家で太平洋に浮かぶ諸島、フィジーにインスパイアを受けて作っただけに女性ヴォーカルサンプルも印象的なグルーヴィな1曲に仕上がっています!
この曲はSpinnin’ RecordsのサブレーベルであるSPRSからリリースされたのですが、アートワークも素敵ですね!
Kryder & The Wulf – Good Vibes
こちらも“De Puta Madre”で共演したThe Wulfとのコラボ・ナンバー。
力強くソウルフルなヴォーカルがアクセントとなったバウンシーなハウスに仕上がっています!
ネットでは賛否両論の声がありますが、クラブ受けも良さそうですしMNNは好きです!
Kryder & HIIO – La Luna
アルゼンチン出身のデュオ、HIIOとのコラボ・ナンバー。
アップリフティングなドラムとエネルギッシュなシンセによってラテン感を表したハウスチューンとなっています!
Kryder – Selecta (Chocolate Puma Edit)
オランダ出身のデュオ、Chocolate Puma(チョコレート・プーマ)によるエディットが加わったナンバー。
ツイストしまくりのエフェクトやバックスピンまで使ったディープなリミックスに仕上がっています!
オルガンのシンセがアクセントになっています!
Oliver Heldens feat. Ida Corr – Good Life (Kryder Remix)
オランダ出身のDJ、Oliver Heldens(オリバー・ヘルデンス)のナンバーをリミックスしています。
ファンキーなベースラインとともにIda Corrのヴォーカルを上手く利用してグルーヴィ感を出しており、踊り出したくなること間違いなしです!
この曲もBeatportで1位を獲得しました!
Michael Calfan – Treasured Soul (Kryder & Genairo Nvilla Remix)
フランス出身のDJ、Michael Calfan(マイケル・カルファン)のナンバーをオランダ出身のDJ、Genairo Nvillaとともにリミックスしています。
アフリカの聖歌的なヴォーカルサンプルは残しつつ力強いドラムパターンを強調させたリミックスとなっています!
Alan Walker – Faded (Kryder & Tom Staar Remix)
イギリス出身のノルウェー人プロデューサー、Alan Walker(アラン・ウォーカー)の大ヒットナンバーをTom Staarとともにリミックスしています。
ピアノの軽快なメロディが心地よいお洒落なリミックスとなっています!
Showtek & Justin Prime ft. Matthew Koma – Cannonball (Earthquake) [Kryder Remix]
Kryderによるリミックスといえば、この曲も外せないでしょう!
オランダ出身のデュオ、Showtek(ショーテック)とオランダ出身のDJ、Justin Prime(ジャスティン・プライム)のコラボ曲をリミックスしています。
オリジナルであるビッグルームからプログレッシブハウスへと大胆アレンジしており、アメリカのシンガー、Matthew Komaのヴォーカルがより映えたように感じます!
なによりエモーショナル感たっぷりなドロップが素敵です!
おわりに
いかがでしたか。
Kryder(クライダー)がどのような人物か分かっていただけましたか。
彼はラジオショーや「Sosumi Records」と「Cartel Records」の2つのレーベルを通して独自のグルーヴハウスを広めています!
もしかしたらTom Staarに引き続き、Kryderの来日も近いかもしれません!!
2017年も来日してくれることを心待ちにしましょう!
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