2019年7月26日(金)、DJ Snakeのセカンドアルバム『Carte Blanche』がUniversal Music Group傘下のGeffen Recordsからリリースされました。
この『Carte Blanche』は、2016年8月にリリースしたデビューアルバム『Encore』ぶりの約3年ぶりとなるアルバム。
アルバムタイトルの「Carte Blanche」とは、フランス語で「自由裁量、完全な自由」という意味なのですが、その意味のごとくアルバムでは枠にとらわれない自由なスタイルの音楽を表現しており、自身の精神を具現化した1枚に仕上がっています。
全17曲の収録曲は各シーンのビッグネームとのコラボ曲も多数収録されており、タイトルの通りダンス/エレクトロニック/Hip-Hop/R&B/ラテンポップなどジャンルにとらわれない幅広いサウンドを展開しているのですが、これは旅行好きでも知られるDJ Snakeがこれまで旅してきたブラジル、ラテンアメリカ、アフリカ、カリブ海、ヨーロッパなどで耳にした音楽やその雰囲気をそれぞれ表しています。
2017年にはパリのエトワール凱旋門の屋上からDJをするという史上初の試みを行ったDJ Snakeですが、このときセカンドアルバムの構想が浮かび約2年の歳月をかけて完成させ、様々な国のサウンドが入っているものの、アルバムのカバーアートやアルバムを締めるラストトラック“Paris”などからも分かるようにDJ Snakeの故郷であるフランス・パリに敬意を払った作品にもなっています。
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— DJ SNAKE Carte Blanche July 26 (@djsnake) 2017年9月6日
ここからはアルバムに収録されている17曲をさらっと紹介していきます。
アルバム1曲目の“Butterfly Effect”では出だし部分からSF映画さながらの雰囲気を醸し出しており、その後にドラマチックなドラムとベースの効いた力強いシンセが響き渡るインストルメンタルとなっています。
2曲目の“Quiet Storm”はイギリス出身のプロデューサー、Zomboyとコラボしたファン待望の1曲で、Zomboyの要素も十分に感じられるダーティなダブステップに仕上がっています。
3曲目の“When The Lights Go Down”はヴォーカルチョップとフューチャーベースよりのビートが夏にピッタリのスイートな1曲です。
4曲目の“Reognize”はカナダ出身のR&Bデュオ、Majid Jordanを迎えた楽曲で、80年代の雰囲気を出したアルバムの中で最もメロウなサウンドとなっています。
5曲目の“No More”は中国系アメリカ人プロデューサー/シンガー、ZHUとの楽曲で、中毒性のあるキャッチーなヴォーカルと”Faded”のようなダーク且つソフトなコードが特徴的なハウスナンバーです。
続いて“Made In France”では「Pardon My French」ファミリーであるTchami, Malaa, Mercerをフィーチャリングしており、クラブ受けの良いヒップホップハウスに仕上がっています。
7曲目の“Enzo”はセネガル系アメリカ人ラッパー、Sheck WesとMigosのメンバーでラッパーのOffset, アメリカ出身のラッパーの21 SavageとGucci Maneを迎えたヒップホップ色全開の1曲となっています。
8曲目の“Smile”はアメリカ出身のラッパー、Bryson Tillerをフィーチャーした1曲で、DJ KhaledによるラッパーをフィーチャーしたR&Bよりのサウンドを彷彿とさせます。
9曲目の“Try Me”は3月にシングルカットされた楽曲で、フランス出身のプロデューサー、Plastic Toyコラボしており、ヴォーカルチョップが特徴的なしっとりしたサウンドとなっています。
10曲目の“Loco Contigo”は6月にシングルとしてリリースしたコロンビア出身のレゲトンシンガー、J Balvinとアメリカ出身のラッパー、Tygaとのコラボ曲で、クセになるサウンドとJ BalvinとTygaのラップが上手くマッチしています。
11曲目の“Taki Taki”は2018年9月にリリースされ、アメリカ出身のシンガー、Selena Gomezとプエルトリコのレゲトンシンガー、Ozuna, アメリカ出身のフィメールラッパー、Cardi Bという豪華なメンツがタッグを組んだことでも話題になり、すでにYouTubeで14億回以上再生されているモンスタートラックで、陽気なラテングルーヴが魅力的です。
12曲目の“Fuego”はジャマイカのレゲエシンガー、Sean Paulとブラジル出身のシンガー、Anitta, プエルトリコのプロデューサー、Tainyを迎えたダンスホールポップとなっています。
DJ Snakeが考える音楽において最も重要なことは、感情やダンスへの欲求を人々に伝えることだそうで、13曲目の“Magenta Riddim”ではインディアントゥワークでその満ち溢れたエネルギーを人々に証明しています。
14曲目の“Frequency 75”はDJ Snakeによる高周波なベースが効いたパワフルなエレクトロサウンドとなっています。
15曲目の“SouthSide”はベルギー出身のプロデューサー、Epticとのコラボで、2018年のUltra Miamiでもかけていましたがアグレッシブなダブステップに仕上がっています。
16曲目の“No Option”はナイジェリア出身のシンガー、Burna Boyを迎えたアフリカ由来のアフロフュージョンというレゲエよりのサウンドとなっています。
ここまでの16曲で様々な国にインスパイアされたサウンドを披露しましたが、ラストトラックは原点でもある“Paris”に戻り、コソボ共和国出身のラッパー、GASHIを迎えたラストを締めくくるのにふさわしいエモーショナルで美しい1曲に仕上げてあります。
パリのゲットー(スラム街、貧困地区)で生まれ育ちここまで努力と忍耐で這い上がったDJ Snake。
以前もインタビューで語っていましたが、自分と同じように世界中のゲットーに住む子どもたちに己の力で自分を、そして世界を変えることができるということを証明するために、今後も新たな挑戦を続けていくことでしょう。
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