今MNNの中で、Seven LionsやIllenium, MitiSといったメロディック・ダブステップ/フューチャーベース/チルトラップがキテいるので、これらのジャンルを代表するアーティストたちに力を入れて紹介していきたいと思います。

まずは日本にもコアなファンを持つSaid The Sky(セッド・ザ・スカイ)について紹介します！

Said The Skyとは

Said The Sky(セッド・ザ・スカイ)とは、アメリカ・デンバー出身のDJ/プロデューサー。

本名はTrevor Christensenで、1993年5月12日生まれの現在24歳です。

8歳のときから両親によって嫌々ピアノ教室に通わされていたSaid The Skyは、数年後に教室をやめますが、中学生のときにパーカッションクラスにはいったとき必要性を感じ再び通い始めます。

このときピアノだけでなく他の楽器についても学び始めます。

そして高校に上がるとマーチン具バンドに入り、且つ「デジタル・オーディオ・プロダクション」クラスで音楽プロデュースについて学習するのですが、この学習によってエレクトロ・ダンス・ミュージックに興味を抱くようになります。

高校卒業後は1970年から続くアメリカの有名な音楽教育機関、バークリー音楽大学(Berklee College Of Music)に入学し、そこで音楽の理論や聴音など様々なレッスンを受講し知識を高めていきました。

Said The Skyはアメリカのメタルコアバンド、We Came As RomansやWoe Is Meからアメリカのエレクトロ・ポップ系ミュージシャン、Owl City、アップビートな音楽まで幅広く聴いており、高校で音楽プロデュースについて学んでいたときに、Geminiの“Blue”に衝撃を受け、エレクトロニック・ダンス・ミュージックに興味を持ち、その後、Cookie Monstaなどのダブステップを好んで聴くようになったそうです。

このときから自身でLogic Pro(後にAbleton)を使って楽曲制作をスタートするのですが、本当は音楽プロデュースに関する授業に参加したかったものの、定員オーバーが何かの理由で参加できなかったそうです。

そのため毎日のように授業を途中で抜け出しては、違うキャンパスに行ってプロダクションについての授業を受けていたとのこと。

しかしこの学校での授業では事足りないと感じて、自分でYouTubeのチュートリアルを見て学習したり、デンバー周辺にいるDJ/プロデューサーに直接会いに行って話を聞いたりしていました。

DJ/プロデューサー1本で活動できるようになるまでは、20歳のときからレストランに食材などを供給する会社に勤めており、仕事をサボるのが嫌いで与えられた仕事は完璧にこなしたい性格ということもあって周りからの評価も良かったそうですが、こういった内面が現在のプロデューサーの仕事にも反映されている気がします。

そして2014年夏、ある音楽フェスティバルに参加するのですが、そこで「Phase Management」所属のアーティストたちにインスパイアを受けたため、このマネジメント会社と契約します。

メロディックダブステップ“Drop Our Hearts”を出した後、同年6月8日、デビューEPとなる『Faith』をリリース。

 

このEPに収録されている全ての曲に力強さと繊細さを秘めたピアノのメロディ、そして彼独特のニューロベースが入っており、この美しい1枚は各メディアからも高く評価されました。

ちなみにSaid The SkyはAlicia Keysとのコラボで開発されたバーチャル・ピアノ・プラグイン「ALICIA’s KEYS」がお気に入りだそうで、彼の曲を聴けばAlicia Keysが実際に使用していたYamaha C3 Neoグランド・ピアノからサンプリングされたこのプラグインを使っているのが分かります。

2015年7月には“Run Away”など4つのシングルをリリース。

このうち“Falling In”と“In Your Wake”の2曲は、同じくエモいフューチャーベース/チルトラップを作るプロデューサー、Illeniumとコラボしています。

 

このIlleniumとはコラボだけでなく彼のツアーにも同行したのですが、IlleniumはSaid the Skyにとって憧れの存在だっただけにツアーへの同行が決まった当時「夢が叶った！」とかなり喜んでいました。

同年7月には再びシングル”Espy”をリリースし、その4日後にはEP『Painted White』を発表。

このEPはSaid the Sky単体ではなく、IlleniumとCristina SotoとのコラボEPとなっています。

この年はとにかく新曲リリースに意欲的で、この月だけで“Disciple”や“For You”, “Everything”と3曲も出しました。

 

 

この年の後半にはさらに追加で、“Darling”や“Nostalgia”, “Listen”, “Mountains”など4曲以上の新曲をリリースし、うち数曲はEP『Painted White』にも収録されています。

 

 

 

2016年に入るとこの年1発目のシングル“Ares”を出すのですが、実はこの曲はもともとSaid The SkyとIlleniumとSeven Lionsとのコラボで、「Das Energi Festival 2016」のときに披露されました。

その後Said The SkyはIlleniumのアメリカツーにサポートとして同行したほか、San HoloやSeven Lionsといった人気アーティストたちのイベントやツアーにも出演。

同年10月にはIlleniumとSeven Lionsとコラボした“Rush Over Me”や3LAUとコラボした“Fire”をリリースしました。

 

 

この“Fire”に関しては、発展途上国に学校や教育を提供している非営利団体の「PoP」に収益を全て寄付したことでも話題となりましたね。

またオリジナル曲だけでなく、公式リミックスも数多く提供しており、2016年11月にはThe Chainsmokersの“All We Know”のリミックスを手掛けました。

 

2017年には故郷デンバーで初のヘッドライナーショーを開催した後、アメリカ10都市近くを回る「Always Summer」ツアーを敢行しどちらも大成功を収めました。

毎回美しく且つユニークなサウンドを聴かせてくれますが、これらのメロディを見つけるために色んな事からインスパイアを受けるそうで、毎回受けるものは違って、例えばスタジオにこもって考え込んでいるときだったり、スタジオの外で全く音楽とは関係のないことをしているときにふとアイデアが降りてきたり、でもなによりピアノで好きなように弾いているときに結構思い付いたりするそうです。

Said The Skyにとってこのプロジェクトは「happy and uplifting vibes(ハッピーと希望にあふれたもの)」を意味しており、自分の作った音楽で聴く者を笑顔にしてあげるのがプロジェクトのゴールとしてあり、これを成し遂げることで自身も喜びを感じると語っています。

2018年にはSelena GomezとMarshmelloのコラボ曲“Wolves”をリミックスしたり、Excisionがホストを務めるイベント「Lost Lands」や「Dancefestopia Music Festival」といったビッグフェスへの出演が決まっており、今後の活躍が楽しみです！

2017年のインタビューでMatthew Komaとコラボした曲を作り上げていると発言していたので、こちらのリリースも楽しみです！

色んな楽器を取り込んだパフォーマンスも圧巻！

彼のショーはキーボードやドラムパッド、スネアドラムなど色んな楽器を取り込んだライブショーとなっています。

この「Said The Sky」プロジェクトを始めたときからライブパフォーマンスを行いたいという願望を持っていました。

8歳から習っているピアノもそうですが、色んな楽器を経験してきたSaid The Skyはそれぞれの楽器の演奏が好きだったので、自分のDJセットでライブパフォーマンスを取り入れるイメージを膨らませていたそうです。

自身のセットだけでなくIlleniumのツアーに同行したときもピアノを演奏していましたが、このようにピアノを人前で弾くのは何よりも心地が良いそうで、観客としては深みのあるパフォーマンスを見られるので双方にとってもプラスとなっています。

今や色んな楽器を演奏できるアーティストも多く、DJだけじゃ物足りなく感じる観客もいますが、Said The SkyとしてもDJだけでなくライブミュージックを取り入れたほうが数倍楽しく、そして音楽を演奏している感を感じられるため好きなのだそう。

大量の機材やそれぞれのスタンドを各国に持ち運んだり、それぞれのセットアップに結構な手間と時間がかかりますが、そんな大変さを負って最高のパフォーマンスを提供してくれているのを知っておきましょう。

Said The Skyのオススメ曲

Seven Lions x Illenium x Said The Sky – Rush Over Me feat. HALIENE

 

アメリカ出身のDJ、Seven Lionsとアメリカ出身のDJ、Illeniumとのコラボでアメリカ出身の女性シンガー、HALIENEをフィーチャーしたナンバー。

スローテンポでとってもエモーショナルなサウンドにHALIENEの透き通るような歌声がマッチしています！

この曲はIlleniumが先日「Coachella 2018」に出演した際に、Said The SkyとDabinとともにライブパフォーマンスを披露しました！

Illenium & Said The Sky – Painted White ft. Cristina Soto

 

Illeniumとのコラボで、アメリカ・オースティンを拠点に活動する女性シンガー、Cristina Sotoをフィーチャリングしたナンバー。

ちょっとパターンの違う美メロなフューチャーベースかと思ったら、斬新なサウンドを取り込み新しい境地を見せてくれました！

Illenium x Said The Sky – Where’d U Go

 

こちらもIlleniumとのコラボナンバー。

サウンドに若干古き良きPorter Robinsonの雰囲気がありますね！

力強さのなかにエモーショナルさを秘めていて「Where’d U Go」というヴォーカルサンプルも胸に刺さります！

3LAU & Said The Sky – Fire feat. NÉONHÈART

 

アメリカ出身のプロデューサー、3LAUとのコラボで、アメリカのシンガー、NÉONHÈARTをフィーチャーしたナンバー。

音楽のジャンルはフューチャーベースで、3LAUの非営利レーベル Blumeからリリースされました！

この曲は上でも紹介したように収益は全て寄付されました！

Said The Sky – Show & Tell feat. Claire Ridgely

 

カナダ出身の女性シンガー、Claire Ridgelyをフィーチャーした新曲。

Said The Skyの繊細なサウンドにClaire Ridgelyの甘い歌声がマッチしています！

ドロップのボーカルチョップの入ったポップなサウンドも素敵です！

Said The Sky – Pray For Me feat. Origami

 

シンガーのOrigamiをフィーチャーしたナンバー。

この曲は他のSaid The Skyの曲に比べて少しダーティなサウンドとなっています。

ヴォーカルから作り始めたそうで、Origamiが送ってくれたトップラインをもとに構築していったのですが、彼の歌声がに合うラップ調のサウンドへと導いてくれたそうです。

Said The Sky & Kwesi − All I Got

 

アメリカ出身のシンガー、Kwesiとコラボしたナンバー。

心地よいメロディが素敵ですが、リリックはかなり切ない失恋ソングとなっています！

The Chainsmokers – All We Know ft. Phoebe Ryan (Said The Sky Remix)

 

The Chainsmokersのナンバーをリミックス。

数々のアコースティックな要素とキャッチーなメロディ、そして心地よいベースラインをブレンドした美しいリミックスとなっています！

Novo Amor & Ed Tullet – Faux (Said The Sky Remix)

 

イギリス出身のシンガー/プロデューサー、Novo Amorとイギリス出身のプロデューサー、Ed Tulletのコラボナンバーをリミックスしています。

自身が手掛けた曲の中でもかなり想い入れのある楽曲のひとつだと断言しているリミックスでもあります！

美しいピアノの音色に特徴的なドラムの音が上手い具合にハマっています！

おわりに

いかがでしたか。

Said The Sky(セッド・ザ・スカイ)について少しは分かっていただけたでしょうか。

2018年4月現在、まだ来日はしていませんが、Illeniumも「EDC JAPAN 2018」で初来日も果たすことですし、そろそろ来て欲しいですね！

次回のフューチャーベース/メロディック・ダブステップアーティスト紹介はDabinあたりを考えていますが、その他オススメがありましたら是非コメントやメッセージ等で教えてください！