皆さんは「Laser House」という言葉を耳にしたことはありますか?
本日は、この新スタイル・コンセプトを生み出した注目のアーティスト、Valy Moについて紹介したいと思います!
目次
Valy Moとは
Valy MoことValintin Morellは、フランス出身のDJ/プロデューサー。
2013年にリミックスを手掛けたCrystal Castlesの“Kerosene (Valy Mo Remix)”がソーシャルメディアを中心にバズり、脚光を浴びます。
https://soundcloud.com/valymo/crystal-castles-kerosene-valy
Valy Moのツイストの効いたベースヘビーなサウンドはSkrillexからも注目され、2014年にはNest HQからEP『Tokyo Bright』のリリースに至りました。
2014年にフランスで開催されたLes Arenes de Nimesというフェスでは短い時間ではありますが、SkrillexとB2Bセットを披露したこともあり、このときちょうどEP『Tokyo Bright』をNest HQと契約したばかりで、Skrillexの方からわざわざ会いに来てくれたそうです。
DJや音楽のプロデュースをはじめたばかりの頃は、決して自分が音楽で生計を立てられるなんて夢にも思わなかったそうで、2017年はDJ/プロデューサー業と別に母国のフランスでWeb制作会社の仕事をしていたValy Mo。
しかし音楽への情熱が抑えきれないほど大きくなり、音楽だけで生計を立てたいと思うようになり、そのためにもまずは十分なお金を貯めることからスタート。
無意味なお金の無駄遣いもやめて節約し、会社の給料と時々出演していたギグのギャラを貯金していました。
しかし、2015年のサマソニに出演して以来、アジアの虜となったValy Moは、2017年にアジアの国々を旅することを決めて、2018年はじめに訪れたベトナムで人や文化、雰囲気に魅了され、ベトナムを拠点に活動することを決意して移住。
ちなみに、当時は下の画像のようなビジュアルで活動していました。
現在もベトナムで多くのインスピレーションを受けながら音楽制作をしており、過去にはベトナムのローカルプロデューサーともコラボしたこともあります。
十分なお金を貯めるのに約2年間かかり、その間にも自分の決断は間違っていないか何度も悩んだそうですが、音楽への情熱と愛情が上回った結果が現在のValy Moなのです。
SkrillexやTchamiが憧れの存在だったのですが、現在すでにOWSLAやConfession, UKF, Ultra, Universalといったメジャーレーベルから、ソウルフルなハウスからダークなベースミュージック、そして後で紹介する「Laser House」まで幅広いジャンルの曲をリリースしています。
MalaaのIllegal Tourにサポートアクトで出演したこともありますが、このときのショーと2015年のサマソニに出演したとき、そして2045年に初めてLaser Houseを聴いたときのショーを今までのキャリアで最も印象深かった3つのショーとして挙げています。
Valy Moは自分の音楽を通して自分の世界やストーリーを伝えることに重きを置いていますが、今後更にステップアップさせて、新しい世界観を作り出しリスナーに体験してもらいたいとのことなので、進化した世界を目撃するのが楽しみです。
また今年2020年には自身のレーべルを設立予定で、true.valy.mo@gmail.com からデモを受け付けているので是非送ってみて下さい!
レーザーハウスとタイムトラベルがコンセプト
Valy Moのサウンドは‘Laser House(レーザーハウス)’と呼ばれているのですが、これはValy Moがリスナーに自分の曲を通してユニークな体験を与えることを常に意識しており、ハウスのリズムとテクノのベース、アグレッシブなトップラインをミックスしたパワフルな音楽だと定義しています。
構成としては、[イントロ / ビルドアップ 1 / ドロップ 1 / ブレイク /ビルドアップ 2 /ドロップ 2 / アウトロ]で、曲の長さは2分から3分の間、フューチャーハウスに似たドラムを持ち、ドロップはサイベースもしくは、シングルノートで長くディープなベースが入ったハウスのサブジャンルだとも説明しており、EDMとアンダーグラウンドのボーダーを無くすことを目的に生み出したそうです。
またValy Moのプロジェクトにはタイムトラベル的なコンセプトも入っており、2045年にタイムトラベルした際、初めてパフォーマンスを行った2019年のDJという設定まであります。
[’Laser House’という言葉は、2045年に行ったときに耳にしたこの時代の音楽を形容する言葉 / 時々、追加実験のために2045年に戻っている」等、インタビューでも語っていた細かい話はここでは省きまが、Valy Moのサウンドはそんな近未来的な設定にも合っていると言えるでしょう。
そんなユニークなパフォーマンスを行ったタイムトラベルのビデオレポートは、“2045”のミュージックビデオからも見ることができるそうです。
Valy MoはマスクとLEDのサングラスを着用して、フェイスペイントまで施してDJすることでも知られていますが、これは自分の音楽にビジュアルのコンセプトを加えるためで、アーティストとして進化するということは、自分のキャラクターも同様に進化させることと同じで、時と場合によってオーディエンスに異なるストーリーを見せているのだそうです。
ルックスや設定、音楽からもValy Moプロジェクトのキャラクター性が見えてきますね。
Valy Moのオススメ曲
Valy Mo – Laser House
Musical Freedomからリリースしたナンバー。
タイトルからも分かるように、Valy Mo特有の「Laser House」を体現させた1曲で、上で定義を色々と説明しましたが、まずは聴いてどんなスタイルか確認してみて下さい!
Valy Mo – Dimension
ユニークなディープハウスよりのエネルギッシュなサウンドとなっており、AFTR:HRSからのリリースです!
ミュージックビデオはValy Moが住んでいるベトナムで撮影されたものとなっています。
Valy Mo – 2045
こちらもAFTR:HRSからリリースしたナンバー。
こちらも”Laser House”のように、Valy Moのスタイルを前面に表現した1曲となっており、2045年でパフォーマンスしたビデオレポートにもなっているというこのミュージックビデオは、ベトナムのプロダクションクルー Antiantiartが手掛けています!
Slowbody & Valy Mo – Let Me
アメリカ出身のプロデューサー、Slowbodyとのコラボ・ナンバー。
奇想天外なビートが特徴的なBPM126のベースハウスよりのサウンドとなっており、Barong Familyからのリリースです!
Valy Mo – Gold
2045年にLaser Templeというクラブに行ったとき、ドロップにサイベース要素が組み込まれた曲を聴いてインスパイアされ、その後また2019年に戻ってきたときに再現して完成したのがこの“Gold”だそうです!
この曲はBeatportのチャートでトップ20入りし、AfroJack, Zeds Dead, Wax Motif, Gregor Salto等からもサポートされました!
Valy Mo x Dustycloud – Baguette Vibe
フランス出身のプロデューサー、Dustycloudとのコラボ曲。
Valy MoとDustycloudは、この曲をOWSLAによる「NESTIVUS」というプロジェクトのためにフリーで制作し、この「NESTIVUS」で得た収益はアフリカの学校建設のために充てられました!
Valy Mo + Rave & Crave – Survival
インドを拠点に活動するデュオ、Rave & Craveとのコラボ曲。
力強いベースラインとフルートのシンセが特徴的なセクシーなサウンドとなっており、Insomniacによるレーベル IN / ROTATIONからのデビューシングルです!
Valy Mo – A Night Shift With Valy Mo EP
Valy MoがTchamiのレーベル Confessionから出したEP。
Valy Moは単なるサウンドとしてだけでなく、その作品を通して写真や映像のように頭のなかにイメージを沸かせることを重要視しています!
このEPのタイトルはValy Moが古いモーターバイクに乗ってアジアの夜を走っていたときにインスピレーションを受けてタイトルを決めたそうで、このEPを聴けばまるで自分も夜風やガスの匂いを感じながら古いモーターバイクに乗っているような体験ができることでしょう!
おわりに
いかがでしたか。
Valy Moがどういったアーティストで、「Laser House」がどんなサウンドなのか理解していただけたでしょうか。
「Laser House」はEDMとアンダーグラウンドを繋ぐ橋となり、将来的にひとつのジャンルとして確立される可能性も秘めているので、是非今のうちから押さえておいて下さい!
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