前回、EMINEMがMachine Gun Kellyに対するディスソング“Killshot”をリリースしたときぶりのヒップホップ記事です。
2018年9月28日(金)、アメリカの人気ラッパー Lil Wayneがニューアルバム『Tha Carter V』をリリースしました!
このニューアルバムは本名であるDwayne Michael Carter, Jrからタイトルを取った、Lil Wayneによる人気の『Tha Carter』シリーズの5作目となる作品。
2004年6月にはじめて『Tha Carter』をリリースして以来、『Tha Carter II』, 『Tha Carter III』, 『Tha Carter IV』と発表してきましたが、2008年にリリースした“A Milli”や“Lollipop”等のヒット曲を含む『Tha Carter III』は、全米で380万枚以上を売り上げトリプル・プラチナムにも認定され、第51回グラミー賞では8部門でノミネートを受け、最優秀ラップ・アルバム賞含む4部門を受賞しました。
2011年に『Tha Carter IV』をリリースした後、2012年の段階で『Tha Carter V』について「これが最後のアルバムになる」と語りアートワーク等まで公開されるなど、当初は2014年にリリースされる予定でした。
しかしLil Wayneと自身が所属するBirdmanら主宰のレーベル「Cash Money Records」との間で契約問題やギャランティーの未払い問題等が長期化したことでアルバムのリリースが延期。
昔、Lil Wayneの誕生日に100万ドル(約1億1300万円)相当の腕時計や宝石が飾られたケーキを送ったり、「(Lil Wayneは)息子のような存在だから普通にキスもする」という記事を読んで衝撃を受けた記憶がありますが、いつからビーフまでし合う不仲になったのでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=86&v=OGpXJI3UVHs
契約問題は後に訴訟にまで発展しましたが、ようやく5月に和解し、Lil Wayneの誕生日である9月27日の翌日である9月28日にリリースされました。
※Lil Wayneは「Cash Money Records」ならびにその配給元である「Universal Records」を起訴しましたが、「Universal Records」から1000万ドル(約11億3000万円)の和解金を受け取り、正式に「Cash Money Records」との契約を解除したそうですが、「Cash Money Records」に対しては支払い義務は生じなかったと報じられています。
昨夜LAで開かれた『Tha Carter V』のリリースパーティーには、Chris Brown, Big Sean, Wiz Khalifa, Rae Sremmurd, Ashanti, Ray J, and Stevie Wonderらが駆けつけました。
Chris Brown, Big Sean, Wiz Khalifa, Rae Sremmurd, Ashanti, Ray J, and Stevie Wonder all supporting Lil Wayne at #ThaCarterV release party tonight in L.A. #WaynesWorld 🐐🐐 pic.twitter.com/HOPajFseLm
— Rap-Up (@RapUp) 2018年9月28日
ちなみに『Tha Carter V』は自身のレーベル「Young Money Entertainment」及び「Republic Records」からリリースされたのですが、Lil Wayneにとって「Cash Money Records」以外のレーベルからリリースした初のアルバムでもあります。
そんなニューアルバム『Tha Carter V』では、2018年6月18に日に銃殺されたラッパーのXXXTentacionはじめ, Travis ScottやNicki Minaj, Kendrick Lamar, Snoop Dogg, Ashanti, Mack Maine, Niveaといった豪華なアーティストとのコラボ曲を含む全23曲が収録。
またクレジットされていませんが、3曲目の“Dedicate”ではラッパーの2 Chainzの楽曲“Dedicate”をサンプリングしています。
XXXTentacionが生前録音したヴァースを入れた2曲目の“Don’t Cry”もそうですが、11曲目の“Famous”ではLil Wayneの実の娘であるReginae Carterと共演しているほか、20曲目の“Dope New Gospel”ではLil Wayneの息子、Neal Carterの母親で元恋人のNiveaとも共演していることでも話題を呼んでいます。
また17曲目の“Start This Shit Off Right”や21曲目の“Perfect Strangers”は、元「Cash Money Records」のアーティストでラッパー/プロデューサーのMannie Freshとの20004年以来となる久しぶりの共作で、“Start This Shit Off Right”に関してはアメリカ出身のシンガー、AshantiとラッパーのMack Maineという懐かしいメンツを迎えているだけに昔からのファンにとっても嬉しい内容となっているのではないでしょうか。
今回アルバムには収録されませんでしたが、Niveaが昨日のインタビューで、Lil WayneはNiveaとDrakeとのコラボ曲も控えていると明かしていたので、こちらも楽しみです!
トラックリスト
1. I Love You Dwayne
2. Don’t Cry (feat. XXXTENTACION) [prod. by Z3N and Ben Billions]
3. Dedicate [prod. by Roc & Mayne, Louie HazeManny and Manny Galvez]
4. Uproar [prod. by Swizz Beatz / co-prod. by Avenue]
5. Let It Fly (feat. Travis Scott) [prod. by Sevn Thomas and Dirtwork]
6. Can’t Be Broken [prod. by Thomas Troelsen and Ben Billions]
7. Dark Side Of The Moon (feat. Nicki Minaj) [prod. by Bloque / co-prod. by Jonah Christian]
8. Mona Lisa (feat. Kendrick Lamar) [prod. by Infamous / co-prod. by Angel “Onhel” Aponte]
9. What About Me (feat. Sosamann) [prod. by DJ Frank E and Johnny Yukon]
10. Open Letter [prod. by Infamous and Ben Billions]
11. Famous (feat. Reginae Carter) [prod. by Lasanna “ACE” Harris and Sham “Sak Pase” Joseph]
12. Problems [prod. by Zaytoven]
13. Dope Niggaz (feat. Snoop Dogg) [prod. by R!o / co-prod. by Kamo]
14. Hittas [prod. by Jayones]
15. Took His Time [prod. by FREEWAYTJAY]
16. Open Safe [prod. by DJ Mustard and Mike Free]
17. Start This Shit Off Right (feat. Ashanti & Mack Maine) [prod. by Mannie Fresh]
18. Demon [prod. by 808-Ray and Cool & Dre]
19. Mess [prod. by Infamous]
20. Dope New Gospel (feat. Nivea) [prod. by R!o / co-prod. by Kamo]
21. Perfect Strangers [prod. by Mannie Fresh]
22. Used 2 [prod. by Metro Boomin / co-prod. by Prince85]
23. Let It All Work Out [prod. by Reefa, Jordan and Myles William]
Lil Wayneとは1982年9月27日生まれの現在36歳で、アメリカ・ニューオーリンズ出身のラッパー。
自称「生きている中で最高のラッパー」で、「Weezy」や実の祖母であるMercedes Carterから呼ばれていたあだ名「Tunechi」といった愛称でも知られています。
11歳の時にBirdmanとその兄のと出会い、彼らの留守番電話に残したラップがきっかけで「Cash Money Records」と契約。
1997年、15歳のときにアメリカのラッパー、Juvenileらと結成したヒップホップグループ「Hot Boys」の一員としての活動を経て、1999年に初のソロアルバム『Tha Block Is Hot』を発表。
このファーストアルバムは全米で100万枚以上を売り上げプラチナ・ディスクまで認定され、その後もゴールド・ディスク認定された『Lights Out』や『500 Degreez』と2枚のアルバムを出した後、2004年から『Tha Carter』シリーズをリリース。
その間『Tha Carter』シリーズ以外にも出した2枚のアルバム『Rebirth』,『I Am Not a Human Being』は、どちらもゴールド・ディスクに認定されました。
今回リリースした『Tha Carter V』は2015年にTIDALから限定リリースされた『Free Weezy Album』以来3年ぶりとなるアルバムでもあります。
コメントを残す