本日ご紹介するアーティストはグラミー賞受賞経歴を持ち、格式ある授賞式で名前が挙がった回数は数知れず、キャリア20年以上のベテランDJ、Roger Sanchez(ロジャー・サンチェス)。
8月26日(土) WOMBに12年ぶりの来日が決定しているので、このタイミングでRoger Sanchezについて、そしてイベントの詳細をご紹介します!
目次
Roger Sanchezとは
Roger Sanchez(ロジャー・サンチェス)とは、アメリカ出身のハウスミュージックDJ/プロデューサー。
1967年6月1日に生まれたRoger Sanchezは、NYにある芸術関係の名門校「High School of Art and Design」に入学。
卒業後は私立の高等教育機関「Pratt Institute」に入学し建築学を専攻していましたが、エンジニアをしていた父親の「勉強だけでなく気分転換のためにも他の事もしてみなさい」というアドバイスを受け、友人から勧められたこともあり興味があったDJをスタート。
その後DJに熱心に取り組む息子の姿を見た父は「音楽をしている方が建築をするより凄く楽しそうだな。父のために建築の道に進むのはやめなさい。もしかしたらいつか有名なDJになるかもしれない。自分がやっていて幸せな方を選んびなさい。」と後押ししてくれ、本格的にDJの道に進むことを決意します。
はじめはNYのクラブで回していたRoger Sanchezは、持ち前のスキルですぐにErick MorilloやDavid Morales, Danny TenagliaといったNYの人気DJたちと肩を並べるようになり、その後海外からもオファーが掛かり始めヨーロッパなど世界中のクラブでプレイするまでに成長!
特にスペインにあるパーティーのメッカ、イビサ島での人気も非常に高く、2000年から現在に至るまでずっとレジデントを務めています!
話を戻しますが、DJと同時にリミックスのセンスもピカイチだった彼は、Diana Ross, Kylie Minogue, Daft Punk, Madonna, The Police, Maroon 5, Prince, Jamiroquaiといったスパースターたちの楽曲のアレンジも手掛けました。
リミックスを制作するのは曲の作り方を本質的に学ぶためでもあったそうで、Roger SanchezはただのDJに留まらずより高みを目指し今後プロデューサーとしても活躍していくことも視野に入れていたのです。
90年代に“Luv Dancin”や“Release Your Self”, “The Deep”といったクラシックなハウストラックを生み出しましたが、なにより2001年に満を持してリリースした“Another Chance”はUKはじめあらゆるチャートで1位を記録するなど大ヒットし、成功への道さらに開くことになります。
ちなみにこの曲はアメリカのロックバンド TOTOの“I Won’t Hold You Back”をサンプリングしているのですが、“Afria”など昔から彼らの曲が好きで、なかでもこの曲は歌詞が素敵で心を動かされ、サンプリングすることに決めたそうです。
1999年にはグラミー賞の「Best Remixed Recording」部門で初めてノミネートされたことがありますが、ついに2003年にGwen Stefaniらが所属するアメリカのロックバンド、No Doubtの“Hella Good (Roger Sanchez Remix Main)”で受賞し、人気リミキサーの称号を手にしたのです!
この“Hella Good”をプロデュースしたSoul II Soulのメンバーであり、イングランド出身のプロデューサー Nellee Hooperから直々に「君がリミックスを手掛けたら完璧な曲!」と言われて作ってみたところ、本当にグラミー賞まで獲ってしまったのが凄いですよね!
またRoger Sanchezは『Release Yourself』というウィークリーのラジオ番組やポッドキャストも持ち、世界各国1500万人以上のリスナーたちに長年親しまれており、2007年には「International Dance Music Award」において初の「Best Podcast」部門で受賞しています!
「自分自身を解き放ちサウンドによって観客たちとエモーショナルな部分で繋がりたい」、そんな意味を込めて「Release Yourself」という名前を付けているのですが、ラジオ番組だけでなく同タイトルのコンピレーションアルバムも2000年から10年以上に渡って出し続けており、ディープハウスやラテン、テックハウスをブレンドしたミックスは各方面から高い評価を受けています。
さらにテクニカルDJとしても世界的に知られており、スペインのイビサ島で毎年開かれるエレクトロニックミュージックの式典「DJ Awards」において1999年, 2002年, 2004年, 2007年の過去4回も「Best House DJ」に選ばれ、ノミネートに関してはなんと12回以上も選出!
ほかにもマイアミで開かれる世界的な音楽の祭典「Winter Music Conference」では、「International Dance Music Award」において2003年から2010年において8年連続で「Best American DJ」にノミネート!
イギリスのクラブ雑誌「DJ Mag」が毎年行っている人気DJの格付け「Top 100 DJ」では2004年に17位で初ランクインして以降、2011年まで8年連続ランクインしていることからもその人気の高さが伺えます!
Ultra Music Festivalなど世界各国のビッグフェスに出演し、2017年にはイビサ島のAmnesiaやUKのBoardmasters Festival、クロアチアのDefected Croatia、そしてTomorrowlandにも出演するなど、デビューから30年が経とうとしている現在もなおシーンの第一線で活躍する姿から“生きる伝説”と呼ばれるのも納得だろう。
「S-Man」というアンダーグラウンドな別名義でも活躍!
Roger Sanchezは「S-Man」というアンダーグラウンドシーンの別名義も持っており、こちらのアンダーグラウンドな活動もコアなファンが付いています。
1991年にクラブでプレイしたのを最後にその後約20年間は「Roger Sanchez」として活動し、世界中のクラブでレジデントを務めたり、トップアーティストたちのリミックスを手掛けグラミー賞も獲りました。
しかし2014年に自身の新しいレーベル「UNDR THE RADR」からEP『Dangerous Thoughts』や『2 Close』,『Runnin』などをリリースしたほか、「Return of the S-Man」ツアーまで行い、20数年ぶりに長い沈黙から復活を果たしたのです!
もともと「S-Man」としてキャリアをスタートさせたRoger Sanchezは、ダークでアンダーグラウンドな音楽を表現していました。
その後数十年に渡って「Roger Sanchez」としてハウスミュージックを届けてきましたが、自分のルーツに戻る良いタイミングだと感じて「S-Man」を復活させたのです。
2013年後半にパーティーバイブスを取り入れたアンダーグラウンドなナンバー“My Roots”をリリースしていますが、この時期からアンダーグラウンドなルーツに戻る決心をしていたのかもしれません。
もう一度昔みたいにディープでダークなサウンドを探求してみたいと思い、そんなときに以前使っていたステージネーム「S-Man」は打って付けだったとも語っています。
それぞれのサウンドやスタイルの違いですが、「Roger Sanchez」はヴォーカルを使ったり、ラテン要素を組み込んだアップロフティングな曲が多いのに対して、「S-Man」ではディープハウスやUKベース、テクノなどジャンルの縛りなく色んなサウンドに挑戦することができるそうですが、とにかくアンダーグラウンドなものにこだわっているとのこと。
ちなみに「S Men」というRoger Sanchezのほかに同じくアメリカ出身のDJであるJunior SanchezとDJ Sneakとタッグを組んだコラボプロジェクトもしています。
3人は以前から一緒にツアーを一緒にまわったりしていましたが、その後各々忙しくなりなかなか3人が顔を合わせる機会が減っていたのを憂えていたとき、Roger Sanchezが一緒にプロジェクトをスタートすれば集結することができると考えてスタートしました。
それぞれ違ったサウンドで楽しませてくれる「Roger Sanchez」と「S-Man」、今後もどちらのステージネームからも生み出される新曲やリミックスに期待です!
自身のレーベル「Stealth Records」や「UNDR THE RADR」を運営!
Roger Sanchezは2002年に自身のレーベル「Stealth Records」を立ち上げ、自身の曲をはじめLaidback LukeやProk & Fitch, Tim Berg, Jesse Garcia, Muzzaikといったアーティストたちの楽曲もリリースしてきました。
また2005年からレーベル主宰のイベントにも力を入れ初め、「Stealth Live!」と呼ばれるクラブパーティーをオランダやイギリス、スペイン、ドイツ、アメリカなど各国で開催し成功を収めています!
その後「Stealth Records」のサブレーベル的な位置づけで2014年に「UNDR THE RADR」という新しいレーベルも設立!
「UNDR THE RADR」からは「S-Man」の楽曲を多数リリースしているように、こちらのレーベルではディープでアンダーグラウンドな曲に力を入れています。
もちろん自身の曲だけでなく様々なアーティストの楽曲のリリースも行っていますが、どれもコンセプト通りのダークでカッコ良い曲ばかりとなっているので聴いてみて下さい!
ちなみによくRoger Sanchezが着用しているキャップや服の「U」のようなマークはこの「UNDR THE RADR」のシンボルマークです。
8月26日(土) WOMBにRoger Sanchez出演!
17周年を迎えた日本を代表するクラブ「WOMB」が、MASANORI MORITA、HOUSE TRIBEとタッグを組んで始動するパーティー『FACT』。
Toolroom Records主宰でイギリス出身のプロデューサー Mark Knightを迎えた第1回目に続き、8月26日(土) 第2回目の開催となる『FACT』にRoger Sanchezが出演します!
今回12年ぶりとなる来日ということで、すでにヤフーニュースマイナビニュースなど各メディアでも話題となっています!
4つのCDJを駆使しあらゆるエフェクトやループ、サンプル、アカペラを駆使する彼の驚異的なテクニックを堪能できる貴重な機会ですので是非お見逃しなく!
MASANORI MORITAとは、日本を代表するダンスミュージックプロデューサーユニット「STUDIO APARTMENT」のひとりで、今まで300曲以上のオリジナル曲を国内外のレーベルからリリース。過去にADEやWMC世界の主要ダンスミュージックカンファレンスにも出演し、イビサ島のクラブのレジデントまで務めたことのあるハウスミュージックプロデューサー。
HOUSE TRIBEとは、D-Unity、MANUEL DE LA MARE、ADRIAN HOUR など世界基準の音楽を常にリアルタイムで発信しているパーティー。
シーンのトップに君臨するゲストを迎えた『FACT』で世界基準のダンスミュージックを体験して下さい!
【8/26(SAT) FACT】
GUEST: ROGER SANCHEZ
LINE UP: MASANORI MORITA (STUDIO APARTMENT), YAMARIKI (HOUSETRIBE)
VIP LOUNGE: KEISUKE MATSUOKA, ASAMI, 513(InfinitySense), hiroko, KENYA KOMATSU, Bryan
WOMB LOUNGE: Cartoon, KITKUT, hidemi, Yas Sun Bunch, Forbeatz, ZIG
OPEN: 23:00 CLOSE: 4:30
DOOR: ¥3500
前売り: ¥3000
お得な前売りチケットはこちらから購入可能です。
公式サイト; http://www.womb.co.jp/news/2017/08/10/roger-sanchez/
Roger Sanchezの卓越したDJセット!
約30年のキャリアを持つRoger Sanchezのオススメ曲を語るだけでひとつの記事ができてしまうほど、膨大な良曲があるので今回はオススメ曲ではなく彼の最近のDJセットを見て頂き、8月26日(土)の予習にしてみて下さい!
まず2017年8月9日から13日の5日間、イングランドで開催されたミュージックフェス「Boardmasters Festival」に出演したときのフルセット動画です。
1曲目のATFCの“The Head Honcho (S-Man Remix)”や11曲目の“Morning Prayer”ではリミックス含め自身の曲を掛けていますが、このセットではBasement JaxxやGroove Armada, Mark Knightなど自分の曲というより他人の曲を満遍なくかけるメージがあります。
次は2017年の5月9日にインドで開催された「Budweiser New Delhi」のフルセット動画。
Ruffneckの“Everybody Be Somebody”やArmand Van Heldenの“You Don’t Know Me”などもとても懐かしく、Roger Sanchezの2001年に放ったヒットナンバー“Another Chance”など曲の新旧問わないセットが素敵です!
ハウスを知り尽くしたRoger Sanchezのセットは毎回違うため、8月26日(土)の『FACT』ではどんな曲を聴かせてくれるのかは未知数ですが、ひとつだけ言えるのは彼の放つお洒落なハウスサウンドに酔いしれることは間違いありません!
いくつか彼の曲をピックアップすると、2010年にFar East Movementとコラボした“2Gether”は、MNNがRoger Sanchezの名前を知った曲でもあるのでそういった意味では思い入れがあります。
「S-Man」として2014年にリリースした“2 Close”やSpinnin’ Recordsから出した“Turn On The Music”、“Troubleman”は個人的に好みで、どれも男性シンガーのGTOとはがヴォーカルを務めておりソウルフルな作品となっています!
ちなみにオールドスクールなヒップホップユニット The Masterdon Committeeの“Funk Box”のヴォーカルを聴いて以来、彼のソウルフルな歌声に魅せられたのだそうです。
2017年にArmada Musicのなかでもハウスやテックハウスに特化したサブレーベル「Armada Subjekt」から出したお洒落な“Work 4 It“なんかもオススメです!
おわりに
いかがでしたか。
Roger Sanchez(ロジャー・サンチェス)について少しは分かっていただけたでしょうか。
今回12年ぶりとなる久々の来日、この機会を逃したら次に彼の生プレイを日本で見られるのはいつになるか分かりません!
グラミー賞を受賞し今まで数え切れない程の賞を勝ち取ってきたRoger Sanchezのパフォーマンスをその目に焼き付けて下さい!
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