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アジア最大のブッキングエージェンシー「Supermodified Agency」のCEO、Robb Harkerとは!

アジア最大のブッキングエージェンシー「Supermodified Agency」のCEO、Robb Harkerとは!

本日はアジア最大と言っても過言ではないブッキング・エージェンシー「Supermodified Agency」及び、CEOを務めるRobb Harkerについて簡単に紹介します。

初めて名前を聞いたという人もいるかもしれませんが、日本でも「Supermodified Agency」を通して呼んだ海外アーティストが出演するイベントのフライヤーによく下のようなロゴが載っているので、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

所属アーティストは、3LAU, AFSHeeN, Amtrac, Angger Dimas, Apster, A-Trak, Bassjackers, Brooks, Cesqeaux, Chocolate Puma, Christian Smith, Corsak, Cristoph, Crisis Era, Curbi, Dash Berlin, Dante Klein, Dave Seaman, Delta Heavy, Dee Montero, Dennis Ferrer, Dipha Barus, Dimitri Vegas & Like Mike, Dirtyphonics, Dolf, Dyro, DJ Soda, D-Wayne, Eagles & Butterflies, Emma Hewitt, Eva Shaw, Far East Movement, Fleetmac Wood, Flosstradamus, Finnebassen, Ferry Corsten, Futuristic Polar Bears, Gaby Endo, Goldfish & Blink, Glow In The Dark, Hito, Helena Legend, Jay Hardway, Joel Fletcher, Josh Pan, Kaku, Kim Lee, Luude, Liquid Stranger, Lizzy, LNY TNZ, Lost Frequencies, Mambo Brothers, Matroda, Martin Garrix, Martin Jensen, Mashd N Kutcher, MATADOR, Mat.Joe, Matisse & Sadko, Mattn, Mightyfools, Mike Cervello, Moksi, Monkey Safari, Miss Nine, Myrne, Nicky Romero, Nick Warren, Oliver Heldens, Promnite, Pegboard Nerds, Peking Duk, PKCZ, Quintino, Raiden, Rampue, RayRay, Rave Radio, R3hab, Ruby Rose, Sander Kleinenberg, Sandro Silva, Sasha, Sebastien Leger, Snavs, Spirit Catcher (live), Super Flu, Swanky Tunes, Terror Bass, Throttle, Tigerlily, TJR, Tritonal, Tropkillaz, Ummet Ozcan, Vicetone, Wiwek, Wolfpack, Wuki, Yellow Clawなどがいます。

上記アーティストのアジアツアーやショーを組んだり、Yellow Calwのレーベル「Barong Family」やDimitri Vegas & Like Mikeのレーベル「Smash The House」, Monstercatのレーベルナイトをアジア各国で開催したこともあります。

Barong Family: Shanghai Nights [TRAILER]

 

Monstercat Uncaged – China Tour Celebration

 

この「Supermodified Agency」のCEOを務めるのがRobb Harkerなのですが、クラブのマネジメントやプロモーターといった経歴まで持つユニークな人物なのです。

カナダ・ビクトリア出身のRobb Harkerは、1997年に1年間だけ英語を教えるために韓国に行ったのですが、そのときアジアの魅力にすっかりハマってしまい移住することを決意。

もともとダンスミュージックが好きだったRobb Harkerは、韓国のローカルな音楽シーンに不満を持っており、自分の手でこの問題を解決させようと心に誓います。

Robb Harkerは韓国語が分からなかったため、まず韓国・ソウルに駐在していた友人 Morgan Wilburとパートナーを組み、わずかな予算でカナダ・バンクーバーでDJをしている友人を招いてパーティーを開催するところからスタート。

最初は誰も期待してくれませんでしたが、弘大の NBINBなどのクラブで根気強く続けていくうちに、いつしか800人以上を動員するイベントにまで成長し、ソウルでエレクトロニックミュージックシーンが徐々に形成されていくのを肌で感じたそうです。

それから約6年間は「Sickboy Productions」というプロダクション名で韓国のダンスシーンを盛り上げ、Fatboy SlimやSashaなどのアーティストを招聘したイベントも開催したこともありますが、2003年にMorgan Wilburが韓国を去ってしまったのをきっかけに、クラブマネジメント業へとシフト。

この年の暮れにはソウルのクラブ M2をローンチするためのチームの主要人物となり、当時小さな箱しかなかったソウルに初めて1000人以上のキャパを持つ大箱で、尚且つ海外DJを定期的に呼ぶクラブを作り、大きな話題となりました。

数年間はM2のディレクターとして企画やマーケティングを務めたのですが、このとき海外DJを呼ぶためによく使っていたのが、Simon Birchが運営する香港の代理店で、このSimon Birchという人物はSashaやNick Warren, Steve Lawler, Lee Burridgeといったアーティストを扱うイギリスのエージェンシー「Excession」のアジア担当者でもありました。

仕事で何度も関わるうちにRobb HarkerとSimon Birchは仲良くなるのですが、Simon Birchは2004年に昔からの夢でもあった芸術家になり、エージェンシーに割く時間が少なくなってしまい、代わりにRobb Harkerが中心となって引き継ぐ形となり事業を更に拡大。

2005年にエージェンシー名を「Supermodified Agency」に変えてリブランディングし、オフィスをインドネシア・バリに移して4年間ほど運営した後に、2009年ソウルに拠点を移して現在に至るのです。

Robb Harkerはエージェンシーをスタートしたての頃は自分の好きな90年代のサウンドとも言えるプログレッシブ・ハウスを押し出しており、「その時代の音」を基準にしていたのですが、時代と共にマーケットが徐々にコマーシャルなサウンドにシフトしたことで、マーケットのトレンドを先読みしたスタイルに転向。

「Supermodified Agency」では個人的に気に入ったコアなアーティストたちを抱えつつ、マーケットの需要を反映したアーティストたちを育てることにも重きを置いて、コマーシャルなアーティストたちとの契約を増やしていったのです。

2011年頃にAviciiをアジアに連れてきたのもRobb Harkerで、2016年3月29日にAviciiがDJ引退を公式サイトで発表したときも、メッセージの中にRobb Harkerに対する感謝の気持ちが入っていたことからもRobb Harkerの存在の大きさが伺えます。

Hello world,

Thank you for letting me fulfill so many of my dreams. I will be forever grateful to have experienced and accomplished all that I have with the help of the team around me and my beloved fans. Thank you to all my peers in the business for building a new movement that took the world by storm and I was lucky enough to be in the middle of it. Thank you to all my partners through the years who believed in what I have created and wanted to amplify my work to a truly global presence.

(中略)Thank you Robb Harker, Malik Adunni, David Brady, Andrew Mckeough, Rob Woo and Felix Alfonzo – you helped introduce touring to me in as much of a functional way possible for a kid my age and my road could have been a lot darker if it wasn’t for your personal support at such a crucial point. Thank you Semi Baddredine for all your personal support, talks and help in me growing up. I have a weird feeling i could be dead If it wasn’t for you and I will always love and support you.(後略)

Robb Harkerは何も変化のない仕事だったらすぐに辞めるつもりでしたが、変化し続けるシーンだからこそ現在も楽しみながら続けることができていると語っています。

プロモーターやクラブ、フェスティバルが増えてきているのは世界共通して言えますが、アメリカやヨーロッパではすでに確立されているのに対して、アジアではまだ新たに切り開ける領域が沢山あり、人口から考えてもまだまだマーケット拡大が見込めるため、多くの業界人がアジアのマーケットに注目しています。

なかでも最後の未開拓地として注目されているのが中国。

中国ではまだナイトクラブのシェアは全人口の1パーセント(1000万人以下)にも満たないのですが、マンドポップ(中国のポップミュージック)は全人口の約70パーセント(約9億人)のシェアがあることからも未知なる可能性があり、前々から中国で必ず訪れると言われ続けている大きなダンスミュージック時代がまだ来ていないだけで、転換期はかなり近いと読んでいます。

ただ中国のクラブでよく見られるテーブルで溢れたダンスフロアや音楽よりテーブルゲームに夢中になっている客たちはDJたちからも問題視されており、前向きな考え方を持ったプロモーターたちが増えてきているとのこと。

そういったプロモーターたちは自身のフェスティバルをローンチしていて、Robb Harkerも関わる機会も多いそうですが、そのうちのひとつの「STORM」なんかは過去にAviciiやAxwell Λ Ingrosso, Afrojack, Kaskade, Darren Emerson, Dave Seaman, Emma Hewittといったアーティストを呼んだこともあります。

また過去に台湾出身のポップスター Leehomが Aviciiとコラボ曲“Lose Myself”をリリースした背景にも、「STORM」を手掛けた会社と同じ「A2 Live」が絡んでいたりと、今後も中国のダンスミュージックマーケットがどのような進化を遂げていくか目が離せません。

 

話を戻しますが、「Supermodified Agency」にはDJ SodaやRay Ray, DJ Lizzy, KAKU, PKCZ®といったアジア出身のアーティストも所属しており、現在Robb HarkerはそういったアジアのDJ/プロデューサーたちをアジアから世界へと活躍の場を広げるサポートにも力を入れているとのこと。

彼らはすでにビッグアーティストとコラボしたり、Tomorrowlandなどの大きなフェスのステージに出演したりしていますが、今後ますますアジア出身のアーティストとの契約も増えそうな気がしますね。

http://www.supermodifiedagency.com/

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