
MNNでは毎週、その週にリリースされる新曲を『新譜紹介記事』として、リリース前に50曲前後一気にピックアップしてきました。
しかし、リリース前の執筆ということもあり、音源そのものを聴けていない状態でピックアップしたり、曲に関する情報が少なく細かい説明を提供できていなかったため、先週より2記事/週くらいのペースで、十数曲に厳選した楽曲をもうちょっとだけ詳しく紹介した『新作深堀りコーナー』をスタートしました!
本日は第5回目となりますが、2022年4月中旬にリリースされた厳選の14曲をご紹介します。
目次
- 1 Mansionair – Shallow Water
- 2 Spencer Ramsay – Take It Easy
- 3 Habstrakt, Nitepunk – Point
- 4 Lauv – All 4 Nothing (I’m So In Love)
- 5 San Holo – bb u ok? (LP Giobbi Remix)
- 6 KDrew – Losing My Mind
- 7 Cihanback – Sun In Your Eyes
- 8 Chase & Status – Mixed Emotions
- 9 Zeds Dead, Blunts & Blondes – Think Of You
- 10 Alle Farben, Keanu Silva – Music Sounds Better With You
- 11 Gareth Emery, Omnia – UNITY
- 12 Above & Beyond, anamē – Gratitude
- 13 Darren Styles, Mark Sixma – Louder
- 14 Swedish House Mafia, A$AP Rocky – Frankenstein
Mansionair – Shallow Water
オーストラリアのインディー・エレクトロ・トリオ、Mansionairが4月29日(金)にリリースするアルバム『Happiness, Guaranteed』からのファイナル・シングルです。
この曲はグループの関係が上手くいかなかったとき、些細なことで言い争いながらも、それらの経験を乗り越えて完成させた曲だそうで、お互いの期待を捨てて、欠点を受け入れることの大切さを伝えたパーソナルな作品となっています!
そのため、グループとしてこれまで以上に強い結束感を培うことができたとのことで、メロディックで繊細なサウンドに酔いしれることができます。
Spencer Ramsay – Take It Easy
2021年4月にリリースしたクラブスマッシュ曲”Love With You”も記憶に新しいイギリス出身のプロデューサー、Spencer Ramsayが「Polydor Records」からリリースした最新シングルです。
この上質で高揚感のあるアップリフティングなハウスを18歳の少年が作ったとはとても思えなくないですか?
ユーフォリックなピアノのコードとソフルフルなボーカルが印象的で、Spencer Ramsay自身が作詞まで担当するなど才能溢れる作品です。
Habstrakt, Nitepunk – Point
フランス出身のプロデューサー、Habstraktとアメリカ出身のプロデューサー、Nitepunkによる初のコラボレーションで、切れ味の鋭いカオスなサウンドを魅せた作品となっています。
パンクロックとベース・ハウスをクロスオーバーさせたような音楽スタイルで、ザラザラした耳をつんざくような凶悪なベースサウンドとギターの音を強く歪ませたファズの絡みは一度聴くと頭から離れません!
Skrillexとのコラボ歴もあるHabstraktは、ゴールデンウィーク期間中の5月6日に、新宿のナイトクラブ「iP Tokyo」で来日公演を行うので、この新曲も生で聴けるかもしれませんね。
🆕5月6日金曜Habstrakt来日🔥
iP TOKYO GW SPECIAL
2022. 05. 06 (Fri)世界的 DJ / Producerで
Bass houseシーンのパイオニア
” Habstrakt (ハブストラクト) ” が、
iP TOKYOにて来日公演決定! pic.twitter.com/C4qdTZtK9u— TCPT (@TCPT_JP) April 10, 2022
Lauv – All 4 Nothing (I’m So In Love)
Lauvが今年8月5日にリリースするセカンド・アルバム『All 4 Nothing』のタイトル・トラックとなります。
自分自身を愛することをまだ学んでいる最中に、誰かを好きになってしまい、自分の不安定さがその恋愛関係を壊してしまうのではないかと不安になってしまう感情を描いているとのことですが、初恋のときに感じるようなフワフワとした浮遊感のあるサウンドと抒情的なリリックがマッチしています!
San Holo – bb u ok? (LP Giobbi Remix)
San Holoが2020年に生み出したヒット曲をアメリカ出身の女性プロデューサー、LP Giobbiがオフィシャルリミックスを提供。
1970年代のディスコ風のグルーヴを漂わせつつ、幻想的で優美なシンセワークと優しいピアノの旋律を見事に組み合わせたアップリフティングなハウスを提供していて、美しくエモーショナルな世界観に惹き込まれます!
KDrew – Losing My Mind
アメリカ出身のプロデューサー、KDrewが作詞・作曲だけでなくボーカルにも挑戦した最新シングルです。
2010年代初期のユーフォリックなエレクトロを彷彿とさせるノスタルジックなサウンドなのですが、曲の内容は、KDrew自身の過去の失恋経験に基づいたストーリーかどうかは分かりませんが、破綻寸前の恋に悩み苦しむ様子を描いた切ない楽曲となっています。
歪んだリードシンセと煌くような電子音の組み合わせが独特の浮遊感をもたらしてくれます!
Cihanback – Sun In Your Eyes
トルコ出身の気鋭プロデューサー、Cihanbackが今月中旬にリリースした最新シングルで、夏に聴きたい瑞々しい疾走系ナンバーを展開しています。
特にピアノの打ち込みが特徴のドロップ部分なんかは、EDM全盛期と言われる2010年代のプログレッシブ・ハウスや、昔のAviciiの音楽スタイル(Tim Berg名義時代の楽曲)を彷彿とさせるものがあり、ドリーミー且つノスタルジーな音色がどこか懐かしく心に沁み渡ります!
昔のAviciiの音楽スタイルを彷彿とさせる楽曲と言えば、ベルギー出身のプロデューサー、Bastoによる”Again and Again”なんかもオススメです!
Chase & Status – Mixed Emotions
イギリス出身のプロデューサー・デュオ、Chase & Statusが今年6月10日にリリースするニュー・アルバム『What Came Before』からのサード・シングルです。
ピアノ主体のお洒落ドラムンベースとなっていて、快活なハイハットとソウルフルな女性ボーカルが印象的です!
人間のあらゆる生の感情や衝動を捉えたディープな作品となっているのですが、ちなみに、この曲のアートワークは去年11月に表紙を撮影するために開催したレイヴの様子を捉えています。
Zeds Dead, Blunts & Blondes – Think Of You
Blunts & Blondesが今月リリースしたアルバム『Story of a Stoner』からのファイナル・シングルで、「Deadbeats」のレーベルボスでもあるZeds Deadとコラボしました。
去年7月にBlunts & BlondesがRed Rocksで開催したイベント「Deadrocks VII」に出演したときに初披露したのですが、その日からファンが1年近くリリースを待ち望んでいた1曲で、うねりの強いヘヴィなベースサウンドと感傷的なボーカルが特徴のクラシックなダブステップを再現しています。
Alle Farben, Keanu Silva – Music Sounds Better With You
Alle FarbenとKeanu Silvaというドイツ出身のプロデューサー同士がタッグを組んだ新曲。
Daft Punkのメンバー、Thomas Bangalterとフランス出身のプロデューサー、Alan Braxとパリ出身のシンガーソングライター、Benjamin Diamondによるユニット、Stardustが1998年にリリースしたフレンチ・ハウス不朽の名曲を、モダンなフューチャー・ハウスにアレンジしたリメイクバージョンとなっています!
全世界で200万枚以上のセールスを記録したこの原曲は、Chaka Khanが1981年に出したクラシック”Fate”をサンプリングしており、軽やかなビートとスモーキーなボーカルを掛け合わせた時代を超えたダンスミュージックと言えます。
Gareth Emery, Omnia – UNITY
イギリス出身のプロデューサー、Gareth Emeryがクライナ出身のトランス・プロデューサー、Omniaと今月はじめにコラボしたシングルで、ウクライナの国旗を意識したアートワークからも分かるように、ウクライナのために捧げた応援ソングとなっています。
人々が手を取り合い一致団結して戦争のない世界を実現させることを願った、アップリフティングなトランスに仕上がっています!
この楽曲で得た収益はユニセフを通して、ロシア・ウクライナ戦争で被害を受けたり、避難を強いられた子供たちへのサポートに全額寄付されることになっています。
Above & Beyond, anamē – Gratitude
イギリス出身のプロデューサー・トリオ、Above & Beyondが、スウェーデン出身のプロデューサー、 Marcus SchössowとThomas Sagstadによるコラボ・プロジェクト「anamē」とコラボした新曲です。
Marcus Schössowはアメリカ出身のプロデューサー、Matthew Felner(と共に「gardenstate」というプロジェクトを組んでいましたが、3月に脱退して、「anamè」を結成することになったのですが、この曲は「anamè」にとってのデビュー・シングルとなります!
去年9月にロンドンで開催した「Group Therapy 450」で初披露して話題となりましたが、プログレッシブ・トランスとブレイクビーツを融合させた多幸感溢れるサウンドがたまりません。
Darren Styles, Mark Sixma – Louder
Darren StylesとMark Sixmaというそれぞれイギリスとオランダを代表するトッププロデューサーで、お互いファン同士でもあった2人が初めてコラボした最新シングルです。
Mark Sixmaは送られてきたBPMの高いボーカルを活かしたトランスを作るのに困難し、ハードダンス風の作品になったとき、この曲を完成させるのに適任なのはDarren Stylesだと思いコラボが実現したそうです!
心の内に秘めたあらゆる感情を詰め込んだエモいハッピー・ハードコアとなっており、高揚感を煽るキャッチーなメロディや心臓まで響くパワフルなキックは一度耳にすると忘れられません。
Swedish House Mafia, A$AP Rocky – Frankenstein
Swedish House Mafiaが今月リリースしたニュー・アルバム『Paradise Again』収録曲のひとつで、人気ラッパーのA$AP Rockyとのコラボ作となっています。
この曲はSwedish House Mafiaが2019年の「Ultra Europe」で初披露したのですが、当時、A$AP Rockyが暴行の疑いでスウェーデンの現地警察に逮捕された直後ということもあり、彼の釈放をサポートするためにプレイしただけで公式リリースはないのかと思っていましたが、3年の辛抱を経てついに正式リリースされました!
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