先日、TJO さんが PARISI を取り上げられていて、昨日は早速、PARISI 特集もされていましたが、あの Fred again.. が全幅の信頼を置いているパートナーだと語る PARISI とはいったい何者なのか、改めて興味が沸いたので、少し調べてみました！
イタリアの兄弟プロデューサーユニットPARISIの話がしたくて、Twitter検索したけど界隈で話題にしてるの@banananbeats 君@AD__MINARAI 君@makinomello さん
メディアだと @Music_News_Net_ くらいしかいない。PARISIの話がしたいんだよ〜https://t.co/cqZm6nl9nv
— TJO (@TJO_DJ19) June 12, 2023
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ラジオは「Swedish House Mafia, Fred again..の裏にPARISIあり！今注目すべきイタリアの兄弟プロデューサーを紹介！」オススメ新曲も楽しんでね😊 @SpotifyJP
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— TJO (@TJO_DJ19) June 14, 2023
まず、PARISI とは、Marco Parisi と Giampaolo Jack Parisi で構成されたイタリア・サレルノ出身のプロデューサー/ソングライター・デュオです。
世界中を回るプロのピアニスト/オルガン奏者兼ソングライターでもあった父親と叔父の影響も大きく、Marco も Jack も幼い頃から音楽に親しんでいたそうですが、現在、ソロでも国際的なミュージシャンとして大活躍する兄の Marco の情報の方が多かったため、兄中心でまとめたいと思います。
2歳のときに Marco が絶対音感を持っていることに気付いた父親はクラシックピアノの訓練を受けさせ、その後、合唱団の一員として歌ったり、サレルノ音楽院ジャズハモンドオルガン科を満点で卒業し、ジャズハーモニーに対する深い理解も備えたマルチ楽器奏者になります。
一方、Jack も4歳のときにドラムとパーカッションを演奏し始め、ピアノとギターなど毎日あらゆる種類の音楽を聴いたり演奏したりして育ちました。
Jack は 10 代のときに DJ をしていた Luca Bertolini と出会い、兄の Marco も含めて 3 人でエレクトロニック・ポップ・トリオ Heymen を結成していた時期もあります。
そして 2011 年、Marco が 22 歳のとき、Jamiroquai のイタリア公演で 3 公演ともオープニングアクトを務めたほか、同年、イタリアの男性トリオ歌手 Studio 3 のキーボード奏者としてツアーにも参加したのですが、フランクフルトでの公演をきっかけにさらに軌道に乗り始めます。
そこで、アメリカのプログレッシヴ・メタルバンド、Dream Theater のメンバーで”キーボードの魔術師”の異名を持つ Jordan Rudess が、Marco の珍しいキーボード演奏方法に目を付け、ロンドンに招待し、イギリスの ROLI 社の創設者である Roland Lamb を紹介。（ Marco はキーボードを弾くとき手首を揺らしてビブラートするクセがあります。）
ROLI 社と言えば、最初の製品にして鍵盤楽器的なデザインの MIDI コントローラーである「シーボード（Seaboard）」が有名ですが、今やシーボディストの第一人者として知られる Marco は、このシーボードと運命的出会いを果たし、後にシーボードだけを使ったアンビエント・アルバム『Untitled』を 2021 年に発表しています。
3 歳から毎日のようにピアノを弾いて育った Marco にとって、ギターのようにチョーキングやビブラートが出来たり、感情をより音に反映させたりと自在にコントロールできるシーボードはまさに夢のような楽器で、今では Marco にとって欠かせない存在と言っても過言ではありません。
少し話が逸れましたが、Marco の才能はすぐに音楽業界に広まり、彼のライブを見た will.i.am は Marco と Jack に、2017 年に発表したシングル “FIYAH” のプロデュースを依頼したというわけです。
PARISI として兄弟が本格的にフルタイムのソングライター兼プロデューサーに移行するにつれて、さらに大きな仕事が舞い込むようになり、Wu-Tang Clan のメンバーである RZA のシングル “No Refuge” にはじまり、Fred again.. や Ed Sheeran のグラミー賞ノミネートアルバム『No.6 Collaborations Project』などなど、プロデュース業で数々の功績を残しました。
Fred again.. とのコラボレーションはその後も続き、Fred again.. のアルバム『Actual Life』シリーズにおいて、最多と言えるほど何度も共同制作と共同執筆にクレジットされたほか、Ed Sheeran のシングル “Afterglow” や “Bad Habits” でも共同プロデュースとして参加しています。
ほかにも、Baauer や Anti Up（Chris Lake, Chris Lorenzo）, Elderbrook の楽曲にもクレジットされているほか、Fred again.. のDJセットや音楽そのものにおいて大きな役割を果たしています。
掲示板 Reddit でも推測されていましたが、2022 年に “Turn On The Lights again.. ” で一緒に仕事をした Fred again.. が、Swedish House Mafia のメンバーに PARISI を紹介したのではないかと思われます。
Who are PARISI and why are they on nearly every Fred Again.. track in the credits?
by u/ProducerEncore in fredagain
Swedish House Mafia のメンバーである Sebastian Ingrosso と Steve Angello は、サイドプロジェクトである Buy Now 名義を2022年に復活させてすぐ、12 月に PARISI との2トラックのコラボ EP『Church』を La Mode Records からリリース。（タイトルはロンドンにある元教会だったスタジオ Church Studios でレコーディングしたことに由来してそう。）
PARISI は 2023 年に Pete Tong が創設した FFRR Records と契約を結ぶと、Sebastian Ingrosso と Steve Angello の2人は、同年 3 月に再び PARISI とタッグを組んで、新たなシングル “U Ok?” を FFRR Records から発表。( DJ をしている Jack の友人が古いUSBに入っていた Roman Flügel の “Geht’s Noch?” を発掘し、編集したバージョンを Sebastian Ingrosso と Steve Angello に聴かせて再コラボが実現)
この曲は、Swedish House Mafia が 2023 年の Ultra Miami のクロージングセットでオープニングを飾ったのも記憶に新しいのですが、共同 EP を制作しただけでなく、すぐに 3 度目のコラボを取り付けつけるなど PARISI にかなり熱中しているのが伝わってきます。
そして、PARISI は 5 月にリリースした “See The Light” で、Swedish House Mafia との正式初コラボを果たしたのです！
“See The Light” について、Sebastian Ingrosso が Discord で語っていましたが、この曲は、フィーチャリングで参加しているフィラデルフィア出身のラッパー Fridayy が母親に送った電話録音の内容を聴いて生まれたそうで、PARISI と一緒にプロデュースしただけでなく、Fred again.. もアレンジを手伝ったとのことで、Fred again.. みがあるのも納得ですね。
PARISI は今後も Swedish House Mafia のメンバーや Fred again.. と一緒にバンバンヒット曲を生み出していくと思いますが、Paradise Again の時代が一旦幕を閉じた今、Swedish House Mafia と共にどんな新時代を築いていくのかにも注目です！
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