MNNでは今までMartin Garrixのレーベル「STMPD RCRDS」と契約しているアーティストにスポットを当てて数名紹介してきました。
今回「DJ MAG JAPAN」さんご協力のもと、「STMPD RCRDS」のレーベルマネージャー兼A&RであるSteven Hiemstraにインタビューを行い、他のレーベルと違う点やレーベルとしての今後のビジョンなど色々聞いてみたのでチェックしてみて下さい!
「STMPD RCRDS」とは
インタビューの前にまず簡単な紹介ですが、「STMPD RCRDS」とは2016年3月4日にMartin Garrixによって設立されたレコード・レーべル。
DJ/プロデューサーが自身の持つビジョンを具現化するため、また他のアーティストの楽曲リリースをサポートしてシーンを活性化させるために自身のレーベルを持つことは今や珍しいことではないですが、Martin Garrixは当時19歳という若さで自身のレーベルを立ち上げたのです。
Martin Garrixが以前契約していた「Spinnin’ Records」及びマネージメント会社の「MusicAllStars Management」を離れた直後に自身のレーベルを立ち上げたのは、楽曲や権利を自分自身で管理したいという強い想いがあり、「STMPD RCRDS」では“Artists First. Always(常にアーティスト第一)”をモットーに素晴らしい音楽をサポートしてアーティスト第一のコミュニティを作り上げ、才能ある若いアーティストやベテラン問わず成功できるシステムを築くためだとしています。
2016年のMiami Music Week期間中にレーベルのローンチパーティーをマイアミのStory Nightclubで行い、レーベルを設立してちょうど1週間後の2016年3月11日に「STMPD RCRDS」から記念すべき1曲目のシングルとなる“Now That I’ve Found You”をリリース。
Martin Garrix
価格: 200円posted with sticky on 2018.12.13
その後も“In the Name of Love”や“Scared To Be Lonely”, “Ocean”, “Burn Out”, “Dreamer”など数多くのヒット曲を連発。
Martin Garrix & Justin Mylo
価格: 250円posted with sticky on 2018.12.13
ちなみにレーベル名の「STMPD」の由来ですが、Martin Garrixの父親であるGerard Garritsenが切手のオークション会社を経営していたこともあって、切手(Stamps)をレーベル名にしたら面白いと考えて付けました。
@N0THINGT0UL0USE my dad has a stamp auctioning company so I thought it’d be fun to use the word Stamps haha lol #STMPDRCRDS
— STMPD RCRDS (@stmpdrcrds) 2016年3月4日
2017年、2018年のTomorrowlandでは「STMPD RCRDS」がホストを務めるステージまで登場し、今ではMatisse & SadkoやDyro, Blinders, TV Noise, DubVision, Loopers, CMC$, Brooks, Julian Jordan, Todd Helder, Osrinなど才能あるプロデューサーの楽曲を毎週のようにリリースしています。
レーベルボスであるMartin Garrixはというと、2018年12月14日(金)にJulian Jordanとコラボした新曲“Glitch”のリリースが決定しており、それに加えて今年を締めくくるような楽曲のリリースの準備もしているとのことなので楽しみです!
「STMPD RCRDS」インタビュー
2018年のADEで「STMPD RCRDS」のレーベルマネージャー兼A&RのSteven HiemstraとA&R部門の責任者であるWatse de Jongが登壇されていましたが、今回Steven Hiemstraに色々とお話を伺いました。
Q1: 本日はインタビューのお時間とって頂いてありがとうございます。まず音楽シーンに興味を持ったきっかけはなんですか?
自分も若い頃からDJをしていてプロとしてキャリアを積んだ経験もあって、イギリスに本社を置くレコード・レーベル「Hed Kandi」のイベントで世界各国を回っていたときに、音楽出版社の「EMI Music Publishing」で働いてみないかって声をかけてもらったんだ。これがきっかけで音楽やアーティストのもっとバックグラウンドな部分に興味を持つようになったね。
Q2: 「STMPD RCRDS」と他のダンスレーべルを比較してここが違うという点はありますか?
僕たちは「STMPD RCRDS」をダンスレーベルだと思っていない。というのも僕たちが取扱っている曲はとても幅広いからね。この幅広さも他のレーベルとは違う点じゃないかな。だから曲のスタイルにはこだわってなくて、素晴らしい音楽だと思ったらどんなスタイルの曲でも積極的にリリースしていきたいね。もちろんそのアーティストがビッグネームか新人なのかも全く気にしてない。純粋に良い曲だと思ったらゴーサインを出してる。あと全て自分たちのメインレーベルからのみ曲をリリースするようにしているのも他のレーベルとは違う点かな。他のレーベルと協力して曲を出そうとなると、そのレーベルのスタイルに縛られてしまうからね。みんなには「STMPD RCRDS」から出す曲全てを聴いて欲しいね。
Q3: 今日の「STMPD RCRDS」の勢いは目を見張るものがありますが、短期間でここまで成功すると予想していましたか?
僕たちは他のレーベルとは違ったやり方で心から気に入った音楽をリリースしているけど、レーベルとしての成功について考えたことは全くないんだ。もちろん一緒に働いているアーティストや「STMPD RCRDS」からリリースした曲でシーンに大きなインパクトを与えたいという夢はあるけど、まだまだ自分たちのレーベルはプラットフォームとしてはスタート地点だと思っている。だから新しい事にもどんどん挑戦してしっかりとしたプラットフォームを確立できるよう日々努力して、レーベル自体をもっと大きくしていきたいね。
Q4: 「STMPD RCRDS」にはMartin Garrixはじめ、Matisse & Sadko, TV Noise, DubVision, Loopers, CMC$, Brooks, Julian Jordan, Todd Helderなど素晴らしいアーティストが揃っていますが、彼らとどのように契約まで至ったのか、そのプロセスを教えてください。
すばり音楽が全てだね!彼らの曲に何か感じるものがなかったら契約には至らなかったと思う。曲にしろプロフィールにしろ、やっぱり他のアーティストとは違う何かがあるというのは大事だね。「STMPD RCRDS」と契約しているアーティストの楽曲を聴けば、全員そのアーティストだけの独特のサウンドを持っているのが分かるはずだよ。
Q5: レーベルマネージャーを務めてきた立場から、アーティストがスターになるために重要なものは何だと思いますか?
アーティストがスターになるには様々な要因があるから一概には言えないね。このシーンにおいてはリリースする曲が最も重要だけど、僕はアーティストのパーソナリティも大きな要因のひとつだと思うよ。それにマーケティング次第で大きなインパクトを与えることができるから、賢いマーケティングも多少は必要になってくるね。
Q6: どうやって契約するアーティストを見つけているのですか?
アーティストを見つけるためにこれっていった明確な方法はないんだけど、多くの場合は友人や知人を通して新しいアーティストを知ることが多いかな。あと僕たちは「STMPD RCRDS」の公式サイト (https://demo.stmpdrcrds.com/) からデモを受け付けているんだけど、ここで新しいアーティストを発見することもあるよ。
Q7: どういった音楽に惹きつけられますか?
アーティストにとって最も重要なのは自分だけのサウンドで、その次にメロディが重要だと僕は思ってる。だから曲を聴くときまずその2点に注目して、その後リリックに注目してという風にひとつの曲を必ず2,3回は聴くようにしているよ。
Q8: 「STMPD RCRDS」における今後のビジョンを教えて下さい。
僕たちのビジョンは当面、素晴らしい音楽とアーティストのためにしっかりとしたプラットフォームを作リ上げることだね。ただ音楽をリリースするだけではなく、それ以上のものを提供できるプラットフォームの形成に力を注いでいる。具体的には契約しているアーティストたちがもっと成長できるよう色んなやり方を模索しているところだよ。例えば、Tomorrowlandの「STMPD RCRDS」ステージにアーティストを出演させてたのもその一環だし、今年はDua Lipaと彼女のバンドに45分フルのショーを与えたのも新しい試みだったよ。
Q9: 「STMPD RCRDS」から曲を出したいと思っているプロデューサーたちにアドバイスお願いします。
第一に自分の作りたい音楽を作ること。あとヒット曲を持っていたり成功している他のアーティストの音楽をコピーしようと思わないこと。他のアーティストの音楽からインスピレーションを受ける意味で利用するのはいいけど、常にユニークなものを目指す必要がある。これが難しいことだというのは分かるけど、目立つことができる唯一の方法だと言えるよ。
おわりに
いかがでしたか。
「STMPD RCRDS」は純粋に”良い音楽”を追求しており、アーティストのことも考えて色んな試みを行っているというのが分かったのではないでしょうか。
Martin Garrix自身も「STMPD RCRDS」を単なる音楽レーベルではなく非常に多様性のあるレーベルにしていきたいと意気込んでいるので、今後どのような進化を遂げていくのかにも注目していきたいですね。
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