本日紹介するのは、前回紹介したEAUXMARに続き、STMPD RCRDSファミリーでもあるBart B More。
STMPD RCRDSが好きで、Bart B Moreを知ったという人もいるかとは思いますが、実は十数年以上のキャリアを持ち様々な大手レーベルからもリリース歴があるのでざっと紹介したいと思います!
目次
- 1 Bart B Moreとは
- 2 自身のレーベル「Secure Recordings」も設立
- 3 Bart B Moreのオススメ曲
- 3.1 Bart B More – Superzoom
- 3.2 Bart B More – Who U Gonna Call
- 3.3 Bart B More – The Street
- 3.4 Bart B More – Lights Out
- 3.5 Bart B More – Rave Lab
- 3.6 Bart B More X Steff da Campo – Jump! ft. Simon Franks
- 3.7 Bart B More – Want U So
- 3.8 Bart B More & Chocolate Puma – Rising Up
- 3.9 Bart B More & Modek – Velour
- 3.10 Bart B More – Last Call
- 4 おわりに
Bart B Moreとは
Bart B MoreことBart van der Meerとは、オランダ出身のDJ/プロデューサー。
今でこそSTMPD RCRDSのイメージが強いですが、過去にはOWSLAやHexagon, Heldeep Records, Spinnin’ Records, Toolroom Records, Boys Noise Records, Fools GoldHeといったレーベルからも曲を出しています。
オランダ・アムステルダム近くの小さな街、カストリクムで生まれ育ったBart B Moreは、幼い頃はサッカーに勤しみ、学生時代は言語学を専攻してオランダ語、英語、フランス語、ドイツ語を学んでいました。
またBart B Moreの兄たちがハウスミュージックが好きだったことから、幼い頃からハウスを聴いて育ち、Armand van Heldenの“Ghetto House Groove”が人生で最初に買った曲だそうです。
なかでもシカゴハウスとフレンチハウスに影響を受け、ディスコサウンドをサンプリングしたりと音楽のプロデューススキルを向上させることにかなりの時間を費やしたそうで、自分で初めて音楽を作り出した頃は家にこもって両親の気を狂わせるほど何時間もビートやサウンドを作っていたとのこと。
そして他のアーティストの音楽にインスピレーションを受けることはあっても決してコピーしたりせず、自分を信じて心から作りたいと思うサウンドを作り続け、音楽のプロデュースをスタートして5年経ってやっとレーベルから初のオリジナル曲をリリースしたのです。
なかでもテクノが持つエネルギーや純粋に良い曲が持つパワーが好きとのことで、Bart B Moreの音楽も色んなジャンルの要素を詰め込んだハイブリッドなサウンドとなっています。
ちなみに「Bart B More」というステージネームの由来ですが、本名のラストネームがvan der Meerで、「Meer」というオランダ語は英語で「More」という意味があり、“自分の音楽を「bit more(もっと)」シーンにもたらす”という意欲を込めて付けたそうです。
2007年に“So It Goes”をToolroom Traxからリリースすると、これがNic FanciulliやJames ZabielaといったDJたちにサポートされ、同年リリースしたEP『Newschool Cuts』は母国オランダで大ヒットしチャートにもランクイン。
さらにPete Tongが「Essential Tune」としてHazeの“Freak”をBart B Moreがリミックスしたバージョンをピックアップしたことで、彼の名前は世界中へ広まり、多くのアーティストからリミックスの依頼が殺到したそうです。
彼が手掛けたリミックスもまた各方面から高い評価を受け、“Freak”が決してまぐれでヒットしたわけではないことを証明し、 Steve AngelloやMark Knight, Bob Sinclar, Sebastian Ingrosso, Axwell, Laidback Luke, Diplo, Erick Morillo, Armin van Burenらからもサポートされました。
特にBart B Moreの曲を初めてクラブでかけてくれたアーティストがLaidback Lukeでした。
2010年には“Brap”という曲をリリースしたのですが、この曲は2012年にRit Oraが出したアルバム『Facemelt』のファーストトラック“Facemelt”でサンプリングされたことでも話題に!
Bart B Moreは大学でマーケティングの学士号を取得していたのですが、多くの人に自分の音楽を宣伝する上で現在もマーケティングの知識が役に立っているのだとか。
このように彼の来歴を遡るとかなり長く、シーンで着実に実績を残してきたことが分かると思いますが、その後もOWSLAやHexagon, Heldeep Records, Spinnin’ Recordsといった大手レーベルからも曲やEPをリリース。
そして2018年からMartin Garrixのレーベル、STMPD RCRDSから曲やEPをリリースし、2018年のAmsterdam Dance EventではSTMPD RCRDSのショーケースにも出演しましたが、2019年2月25日に正式にSTMPD RCRDSファミリーの一員となったのです!
自身のレーベル「Secure Recordings」も設立
Bart B Moreは2008年に自身のレーベル、Secure Recordingsを立ち上げ、自分の曲を中心に幅広いジャンルの音楽を発信してきました。
自分が好きな音楽やそのとき作りたいと思った音楽を自由にリリースするために設立したそうですが、ベースハウスからフューチャーハウス、エレクトロハウス、テクノよりなサウンドまでジャンルレスな音楽を作るBart B Moreにとっては、その曲がどのレーベルの色に合うか考えるより自分でレーベルを作ってしまったほうが好都合だったのでしょう。
自身の楽曲やEP、リミックス、ミックスだけでなく、過去にはMasonのEP『Calabrese/Palmetto』や大沢伸一のEP『Birds/Swallow』も同レーベルからリリース。
Secure Recordingsで最もヒットした曲はBingo Playersの“Get Up”をDiploがリミックスしたバージョンで、そのほかBart B More自身の“Make Some Noise”や“So It Goes”も当時多くのDJたちにサポートされました。
曲のリリースだけでなく、2014年のAmsterdam Dance EventではSecure Recordingsのレーベルナイトも開催し、レーベルボスのBart B Moreはじめ、BaskervilleやJust Regular Guysらも出演しました。
残念ながら2015年以降、Secure Recordingsは活動を停止していますが、このとき自分のレーベルで磨き上げた多方面にも及ぶプロデューススキルが評価されて、現在のようにSTMPD RCRDSはじめ、より複数のレーベルとの契約に至ったのかもしれませんね。
Bart B Moreのオススメ曲
Bart B More – Superzoom
タイトルのとおり、Bart B MoreがInstagramのストーリー機能のひとつ「Superzoom」の効果音にインスパイアされたというだけに、その効果音が使われています!
ダーティハウスとベースハウスの中間といったサウンドがカッコイイです!
Bart B More – Who U Gonna Call
シンプルだけどキャッチーでクセになるBPM126のベースハウスとなっています!
この曲も“Superzoom”同様、Martin Garrixのレーベル、STMPD RCRDSからのリリースです!
Bart B More – The Street
2018年6月にSTMPD RCRDSから出したEP『The Street』のタイトルソング。
この上なくグルーヴィーなハウストラックとなっており、一方、もうひとつの収録曲“Front 2 Back”はダークでミステリアスなベースハウスとなっています!
Bart B More – Lights Out
Bart B Moreが2018年9月にこれまたSTMPD RCRDSから出したEP『Lights Out』のタイトルソング。
EP全体を通してヒップホップ要素の入ったハウスミュージックとなっていますが、この“Lights Out”はドロップのレトロなビートが特徴的で、もうひとつの収録曲である“Wack”は、Kriss Krossが1992年に出した“Jump”をBart B Moreワールド全開でフューチャーハウス/ベースハウスにアレンジしています!
Bart B More – Rave Lab
オールドスクールなスネアと8ビット風のシンセの組み合わせがこれまた面白く、まるでコンピュータの誤動作音を再現したかのような斬新な1曲です!
Bart B More X Steff da Campo – Jump! ft. Simon Franks
オランダ出身のプロデューサー、Steff da Campoのコラボで、ヴォーカリストのSimon Franksをフィーチャーしたナンバー。
アングラな雰囲気漂うBPM125のベースライン/フューチャーハウスとなっており、この曲はDon Diabloのレーベル、Hexagonが2017年に出したコンピレーションEP『Generation HEX 004』にも収録されました!
Bart B More – Want U So
美しいピアノのコードとスイートなヴォーカルによるメロディアスな部分とドロップのベースよりのサウンドの組み合わせが面白い1曲!
自身でもお気に入りの1曲だというこの曲は、まずベースラインから手を付け、その後すぐに曲にぴったりのヴォーカルを見つけてという風に上手い具合に事が進み、1時間以内には全体の骨組みが出来上がったそうです!
Bart B More & Chocolate Puma – Rising Up
オランダ出身のデュオ、Chocolate Pumaとのコラボ・ナンバー。
アップリフティングなコードとダンサンブルなドラムが織りなす多幸感のあるハウスにソウルフルなヴォーカルもマッチしています!
この曲はもともとBart B Moreが2006年にChocolate Puma宛てに送ったデモからスタートしたそうで、そのときはインスピレーションを受けなかったものの、約10年の歳月が経って聴いたときにインスピレーションが舞い降りてきて、夏のディスコにピッタリなフューチャーハウスに作り上げたそうです。
Chocolate PumaはBart B Moreの“Fusion”にエディットとして加わったこともあります!
Bart B More & Modek – Velour
ベルギー出身音プロデューサー、Modekとコラボしたナンバー。
キャッチーなオルガンのコードが印象的なバウンスも適度に効いたスイートなハウスに仕上がっています!
もともとModekのファンであったBart B Moreはベルギーのフェスで一緒になったときに、Modekもまさかの自分のファンだということを知り、コラボすることが実現したそうです。
ModekはBart B Moreの“Share Your Love”を公式リミックスしたこともあります!
Bart B More – Last Call
この曲は2015年にリリースしたアルバム『SAT NAM』収録曲のひとつでもあるのですが、このアルバム自体、クラブ向きかどうかなどは考えずプロデューサーとしてサウンドの多様性を表現した1枚だそうで、その中でもお気に入りの1曲がこの“Last Call”なのです!
おわりに
いかがでしたか。
Bart B Moreがどんなアーティストか少しは分かっていただけたでしょうか。
今後もMNNではSTMPD RCRDSと契約しているアーティストも積極的に紹介していくつもりですが、来日して欲しい(紹介記事を書いて欲しい)アーティストがいましたら、コメントやメッセージ等で教えて下さい!
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