Aviciiのニューアルバム『Tim』がスウェーデンのナショナル・デーである2019年6月6日(木)に、そしてアルバムからのファーストトラック“S.O.S.”が2019年4月10日(水)にリリースされることが決定しました。
2018年4月20日に28歳という若さでこの世を去ったAviciiことTim Bergling。
このニュースに世界中の人々が深く悲しみましたが、あれから約1年が経とうとしている今、Aviciiの家族が非営利の財団「Tim Bergling Foundation」を設立し、彼の未発表曲を収録したアルバム『Tim』をリリースすることを発表したのです。
Aviciiの家族が「Tim Bergling Foundation」を設立。
心の病気と闘う人々をサポートし、自殺を未然に防ぐことを目的としたスウェーデンを拠点とした財団にするとのことで、行く行くは気候変動や自然保護、絶滅危惧種の保護など環境問題も取り扱っていきたいと語っています。 pic.twitter.com/hWI3gdoaGM
— MNN (@Music_News_Net_) 2019年3月26日
Aviciiが亡くなったときにはすでにほとんどの曲が75-80%完成していた状態だったそうで、彼の携帯電話やコンピュータなどに残されていたメモ書きやメールのやり取り、テキストメッセージなどをもとに複数のプロデューサーやソングタイターたちがAviciiのヴィジョンに近づけるべく制作を続けてきました。
またアルバム『Tim』はAviciiの新しい一面も出した作品になっており、コマーシャルなものにならないよう有名なアーティストはできるだけ採用せず、これまでAviciiと長く一緒に仕事をしてきたKristoffer FogelmarkやAlbin Nedler, Salem Al Fakir, Vincent Pontareといったプロデューサー/ソングタイターでプロダクションチームを組んで制作をしてきたとのこと。
なかでも“Without You”や“Broken Arrows”などAviciiと一緒に作業を続けてきたスウェーデン出身のプロデューサー/ソングライター、Carl Falkがプロダクションチームのなかでも中心人物となって、この半年間ストックホルムにあるレコーディングスタジオにこもってAviciiが生前残した曲のプロデュースを行い、常にAviciiならどういう風にするのかを必死に考えて作業してきたそうです。
まずはアルバムからのファーストトラック“S.O.S.”が4月10日(水)にリリースされますが、この“S.O.S.”はAviciiが亡くなる直前まで制作に取り掛かっていた曲のひとつで、Aviciiが作詞も手掛け、“Wake Me Up”でもヴォーカルを務めたアメリカ出身のシンガー、Aloe Blaccが再びフィーチャーされているとのこと。
リリックの一部と思われる一節「Can you hear me, S.O.S. / help me put my mind to rest (S.O.S.の声が聞こえていますか?/ どうか私の心を静めて)」が出ていますが、ストレスやプレッシャーに押し潰されそうになっていたAvicii本人の心の声を反映した内容になっていると思われます。
この“S.O.S.”は日本時間で4月11日(木)の朝方4:00にリリースされる予定となっています。
Nicky Romeroなどもかけた未発表曲のひとつ“Heaven”が収録されるかどうかは分かりませんが、Aviciiが2015年に出した“True Believer”で作詞とヴォーカルを一緒に手掛けたColdplayのヴォーカル、Chris Martinも『Tim』に参加しているそうで、もともとアルバムに収録する予定だったもののAviciiのヴィジョンとかけ離れてしまったため除外せざるを得なかった曲もあった、とUniversal Music Nordic Regionの専務取締役であるPer Sundinは語っています。
ほかにもAlbin NedlerとKristoffer Fogelmarkはアルバム収録曲であろう曲を一部公開しましたが、「I don’t want to be seen in this shape I’m in, I don’t want you to see how depressed I’ve been. (自分の調子を知られたくないし、どれだけ落ち込んでいるか見られたくない)」といったリリックからもAviciiが心に秘めていた感情を表した曲も幾つか収録されていることが予想されます。
Carl Falkは「アルバム『Tim』を聴けば、とてつもなく大きな感情を持ちつつも、それを話す相手がおらず孤独だったTim Berglingについて知ることができる」とし、最後に「Tim Berglingにとって、それらの感情を表に表現する唯一の方法が音楽であり、彼が言いたかったことは全てここにある。」と締めくくっています。
Per Sundinは、Aviciiが亡くなる2ヶ月前に行った電話会議で16曲存在していたことを明かしていたので、この中からアルバム収録曲も決定されていると思われ、このアルバムの売り上げに伴うAviciiの純利益は「Tim Bergling Foundation」と、特に精神疾患や自殺防止の分野に取り組む目的のために使われることになっています。
そしてもうひとつ、これはまだ確定情報ではないのですがスウェーデン出身のデュオ、Dimitri Vangelis & Wymanが4月12日(金)に出す新曲がAviciiとのコラボ曲ではないかと予想されています。
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この新曲のタイトルは“Changes”で、コラボしているという3組のなかの1組がDimitri Vangelis & Wymanで、残り2組のうちのひとりがAviciiと言われており、すでにコメント欄もAviciiの名前が沢山見受けられます。
【追記】Dimitri Vangelis & Wymanも参加している新曲“Changes”は、スウェーデン出身のプロデューサー、Mike Perryとスウェーデン出身のデュオ、Ten Timesとコラボし、オランダ出身のデュオ、The Companionsをフィーチャーしていることが明らかになりました。
“S.O.S.”はじめ、その他の『Tim』の収録曲もどんなサウンドとなっているのか楽しみですね!
ユニバーサルミュージックの公式サイトから”SOS”の歌詞の和訳を確認することができます。https://t.co/tPlLWkij4E pic.twitter.com/MH4jsYyMVE
— MNN (@Music_News_Net_) 2019年4月10日
Team Aviciiからのメッセージ
Tim Berglingが2018年4月20日にこの世を去ったとき、彼はニュー・アルバムの制作をほぼ終えるところでした。残されていたのは、完成間近な楽曲のコレクションとその音楽に関するメモ書き、メールのやり取り、テキスト・メッセージでした。
このアルバムでTimとコラボレートしていたソングライターたちは、そのまま制作を続け、Timが思い描いていたヴィジョンにできる限り近づこうと力を注いできました。
Timは亡くなりましたが、家族は彼の音楽を封じ込めることはしないと決め−−それよりも、世界中のファンたちと共有したいと願っていました。
シングル「SOS」は4月10日(日本時間:4月11日)、また『TIM』と名付けられたアルバムは6月6日にリリースする予定です。
アルバムの売り上げに伴うAviciiの純利益は、非営利のTim Bergling基金と、特に精神疾患や自殺防止の分野に取り組む目的のために使われることになっています。
愛をこめて
Team Avicii
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