47歳となった現在も尚、ヒップホップシーンを牽引し世界中から注目を浴び続けているラッパーのEMINEMことMarshall Mathers。
そんなEMINEMが2020年1月17日(金)、ニューアルバム『Music To Be Murdered By』を、Dr. Dre.のレーベル Aftermath Entertainment及び、Universal Music Groupが所有するInterscope Records, EMINEM自身のレーべル Shady Recordsから何の前触れもなくサプライズでリリースしました。
It’s your funeral…#MusicToBeMurderedBy Out Now – https://t.co/q4TAFJUVGV pic.twitter.com/6PqnTjCKgu
— Marshall Mathers (@Eminem) 2020年1月17日
2018年8月にサプライズで出したアルバム『Kamikaze』に次ぐ、通算11作目となるこのアルバムは、EMINEMを発掘したヒップホッププロデューサー Dr. Dreもプロデュースに関わっており、 全20曲の中にBlack Thought, Q-Tip, Juice Wrld, Ed Sheeran, Young M.A, Skylar Grey, Don Toliver, Anderson .Paak, Royce da 5’9といった豪華ゲストも多数参加しています。
7曲目の“Godzilla”でフィーチャリングしているアメリカ出身のラッパー/シンガーのJuice WRLDは、2019年12月8日にシカゴのミッドウェー国際空港にて発作を起こして21歳という若さで亡くなりました。
このアルバムのタイトルですが、アメリカの作曲家 Jeff Alexanderが1958年にリリースしたアルバム『Alfred Hitchcock Presents Music to Be Murdered By』にインスパイアされたとのことで、カバーアートもイギリスの映画監督 Alfred Hitchcockが右手に斧、左手に銃を持った当時のアルバムのカバーアートをEMINEM本人が模したものとなっています。
Inspired by the master, Uncle Alfred! #MusicToBeMurderedBy pic.twitter.com/ilXAjJtqzV
— Marshall Mathers (@Eminem) 2020年1月17日
今回、この『Music To Be Murdered By』には2種類のカバーアートがあり、もうひとつのカバーアートではトリルビーハットを被ったEMINEMが片手にシャベルを持っています。
ほかにも、“Premonition”というタイトルのイントロと“Alfred”というタイトルのアウトロには、『Alfred Hitchcock Presents Music to Be Murdered By』1曲目の“Music To Be Murdered By”と10曲目の“The Hour Of Parting”での語りもサンプリングされています。
前作のアルバム『Kamikaze』では、数々のラッパーたちへのディス含め、トランプ大統領へのディスなど政治的要素も含んだ作品となっており話題となりましたが、早速、ニューアルバム収録曲のひとつでYoung M.Aをフィーチャリングした“Unaccommodating”のリリックが物議を醸しているのです。
この曲のリリックの「But I’m contemplating yelling ‘Bombs away’ on the game / Like I’m outside of an Ariana Grande concert waiting(自分が’爆弾投下’と叫ぶことを計画している。まるでAriana Grandeのコンサートの外で待機しているように)」という部分で、Ariana Grandeが2017年5月に行ったワールドツアーのマンチェスター公演で、公演終了後に爆破テロが起きて22名が死亡し、59名がケガをおった事件を引用したため、多くの人が反応しました。
Eminem really just referenced the Manchester bombing where 22 people were killed… how disgusting, it’s time to cancel this trash and Young MA to for thinking this song was ok @Eminem @YoungMAMusic #EminemIsOverParty pic.twitter.com/DLuzgc98OO
— Joely (@tokyosnow_trip) 2020年1月17日
この部分のリリックが気分が悪くなる、として多くの非難の声が上がっており、SNSでは「#EminemIsOverParty(EMINEMはオワコン)」というハッシュタグまで拡散されています。
Ariana’s freaking fiance was making jokes about Manchester and Ariana defended him ……y’all can attempt to cancel Eminem for the 1 billionth time tho #EminemIsOverParty
— Sofi the gemini (@drugsbalIads) 2020年1月17日
Eminem is trash, I think that the Manchester reference is so unnecessary, it’s insensitive and very disrespectful to the families of the tragedy, some may think I’m being sensitive, but of all the things he could’ve talked about, he chose that. #EminemIsOverParty
— (@marcuskawa_) 2020年1月17日
センシティブな内容に触れたのはどうかとは思いますが、当時、EMINEMはSNSでファンにも呼び掛け、このマンチェスターの爆破テロの被害者やその家族のために200万ドル(日本円で約2億2000万円)近くの寄付金を集めたこともあり、擁護する声もあります。
Join me in helping Manchester victims & their families, Make a donation to the @BritishRedCross and @MENnewsdesk https://t.co/JchJtYOdMU
— Marshall Mathers (@Eminem) 2017年5月25日
さらにEMINEMは、アルバムのリリースと同時にSimon & Garfunkelの“The Sound of Silence”をサンプリングした収録曲“Darkness”のミュージックビデオも公開。
この曲では、2017年10月にラスベガスのMandalay Bay Resort & Casinoの32階のスイートから無差別に銃を乱射して58人を殺害した大量殺人事件を想起させる内容のリリックとなっており、ミュージックビデオのラストには銃乱射事件を報道するテレビがアメリカの国に形に積まれた映像が流れ、「WHEN WILL THIS END?WHEN ENOUGH PEOPLE CARE(これはいつになったら終わるのか? それは皆が問題の重要性に気づいたときだろう。)」というメッセージと、アメリカの銃に関する法律を変えるための投票を促すテロップが表示されます。
2018年2月フロリダ州の高校で元生徒による銃乱射事件が起きた後に公開した“Nowhere Fast”では全米ライフル協会を批判するなど、前々からアメリカの銃規制の問題について言及してきたEMINEMですが、今作のアルバムもアメリカで深刻さを増す銃規制問題により踏み込んだ内容も盛り込まれているので、聴いてみて下さい。
【トラックリスト】
01. Premonition (Intro)
02. Unaccommodating feat. Young M.A
03. You Gon’ Learn feat. Royce Da 5’9” & White Gold
04. Alfred (Interlude)
05. Those Kinda Nights feat. Ed Sheeran
06. In Too Deep
07. Godzilla feat. Juice WRLD
08. Darkness
09. Leaving Heaven feat. Skylar Grey
10. Yah Yah feat. Royce Da 5’9”, Black Thought, Q-Tip & Denaun
11. Stepdad (Intro)
12. Stepdad
13. Marsh
14. Never Love Again
15. Little Engine
16. Lock It Up feat. Anderson .Paak
17. Farewell
18. No Regrets feat. Don Toliver
19. I Will feat. KXNG Crooked, Royce Da 5’9” & Joell Ortiz
20. Alfred (Outro)
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