本日紹介するアーティストは、日本でもコアなファンが増えてきたAce Aura。
Colour BassやMelodicRiddimというサブジャンルの知名度を一気に引き上げた人物のひとりでもあり、先日出したCrankdatとの新曲もオススメで、プライベートでは婚約を発表したりと順風満帆なAce Auraをピックアップしてみました!
Ace Auraとは
Ace Auraとは、アメリカ出身のDJ/プロデューサーで、本名はEric Seallと言います。
複雑なコードとエネルギッシュなドロップが特徴のモダンなダブステップで、ベースミュージックのサブジャンルであるColour Bass(カラー・ベース)やMelodic Riddim(メロディック・リディム)の曲を得意とする今大注目のプロデューサーといっても過言ではありません。
Ace Auraがエレクトロニックミュージックの世界に惹き込まれたきっかけは、中学2年生のときの出来事で、カフェでランチをしていたときに、友人が携帯電話を取り出してお気に入りの曲をイヤホンで聴かせてくれたのですが、その時の曲がSkrillexの“Scary Monsters and Nice Sprites”をDirtyphonicsがリミックスしたバージョンでした。
この曲を聴いた瞬間、エレクトロニックミュージックの虜となり、クリスマスに両親に買ってもらった音楽編集ソフト「Pro Tools」のデモバージョンを使いながら、GoogleやYouTubeを頼りにダブステップの曲を作り始めるようになったのです。
ちなみにAce Auraはテキサス州北東部のマッキニーの プロテスタントの家庭で生まれ育ち、幼い頃から熱心なクリスチャンだったこともあって、彼が出す作品にはキリスト教や聖書に関する言葉や引用が使われたりしています。
2012年から「Ace Aura」という名義を使ってYouTubeに自分でプロデュースした曲をアップロードし始めたのですが、2019年にAce Auraの未発表曲(後に“Coma”というタイトルでCircus Recordsからリリース)も含んだクリップ集がTwitterでバズり、その名は一気に広がることになります。
少し時系列が前後しますが、2017年に開催された“Wait for Me”のリミックスコンテストで見事優勝を獲得しており、カラー・ベース界の中心人物とも言えるChime本人からサポートを受けます。
このChimeによるサポートがAce Auraの成功への道をさらに進め、ChimeのレーベルであるRushdown Recordsから数々のヒットを生み出し、Chime本人とのコラボも実現させています。
8年近くの歳月をかけて自分の頭にイメージしたサウンドをどうすれば再現できるか試行錯誤を重ね、ようやく確立させたのが今現在のスタイルで、MUST DIE!のメロディック且つヘビーなサウンドやVoltraのテッキーでフューチャリスティックなサウンド、そしてSkelerによるトラップやシンセウェイブ、トランスの要素を含んだハードウェイブからも大きなインスピレーションを受けたそうです。
そうして生まれた彼の力強さと美しさを兼ね備えた唯一無二のサウンドデザインは、Zomboy, NGHTMRE, SLANDER, Zeds Dead, Flux Pavilion, SVDDEN DEATH, Subtronics, Riot Tenといった人気プロデューサーたちから忽ちサポートされました。
2019年にはシアトルで開催された初のヘッドライナー・ショーを成功させ、SVDDEN DEATHがOgden Theateで行ったショーのオープニングアクトまで務め、2020年にはDodge & FuskiのRob Talbottが共同設立者である人気レーベルで、自身の目標でもあったDISCIPLE.からのリリースを果たしました。
そして2021年6月22日には長年連れ添った彼女との婚約をSNSで発表するなど、仕事とプライベートもどちらの充実を叶えており、ファンとして嬉しい限りです。
She said yes.
6/22/21 💙HUGE thanks to @StetsenColt for capturing the moment! pic.twitter.com/MuQThwcElB
— Ace Aura (@OfficialAceAura) June 25, 2021
Skrillexが後の大物プロデューサーたちに多大な影響を与えたように、Ace AuraもまたChime主宰のRushdown RecordsやOolacile主宰のHalcyonなどベースミュージックシーンに大きな影響を与えたことに間違いなく、この先、彼に感化されたアーティストたちが登場してくることでしょう。
Ace Auraのオススメ曲
Crankdat, Ace Aura – The Feeling
アメリカ出身のプロデューサー、Crankdatとのコラボ曲。
前衛的なサウンドデザインと独特のリズムがクセになるメロディック・リディムで、激情と哀愁に彩られたメロディック且つヘヴィな旋律が心の琴線に触れて涙を誘います!
Chime, Ace Aura – Interdimensional
イギリス出身のプロデューサー、Chimeとのコラボ曲。
ChimeはRushdown Recordsのレーベルヘッドであり、Ace Auraとはプライベートでも仲が良く、現在のカラー・ベースを牽引する2組がタッグを組んだこの曲は先の読めないダイナミックな展開と8bitサウンドを取れ入れた複雑なコード進行が病みつきになります!
TYNAN, Ace Aura – Stay
アメリカ出身のプロデューサー、TYNANとのコラボ曲。
フューチャー・ベースやリディム、ブレイクビーツなど様々なジャンルの要素をブレンドさせた先鋭的なベースミュージックで、ピッチを上げたヴォーカルが可愛らしい1曲です!
Ace Aura – Coma
上でも触れたようにAce Auraの代表曲のひとつ。
リリース前からSubtronicsやVincent, Cookie Monstaからサポートされ、Ace AuraにとってBeatportのダブステップ・チャートで初めてトップ10入りを果たした楽曲でもあります!
Ace Aura – Rise
“Coma”と並んで、Ace Auraが2020年に出した曲の中で個人的にお気に入りの1曲。
DISCIPLE.からリリースされたコンピレーションEP『Afterlife, Vol. 1』にも収録されており、繊細且つ大胆なサウンドメイクと滑らかな旋律は一度聴いたら頭から離れません!
Skybreak, Sharks, Ace Aura – Another Heart
アメリカ出身のプロデューサー、Skybreakとフランス出身のプロデューサー、Sharksとコラボしたナンバー。
可愛さと攻撃性の両方を秘めたメロディが印象的なダブステップで、コンピレーション・アルバム『All Nighter Vol. 5』にも収録されています!
Oolacile, Ace Aura – Stars
アメリカ出身のプロデューサー、Oolacileとのコラボ曲。
未知なる銀河系の探索を彷彿とさせるようなドリーミーで複雑なメロディがインパクト抜群のリディムで、この曲が好きな人はOolacile主宰のレーベル Halcyonからリリースされている曲も是非聴いて欲しいです!
Ace Aura, Heavy Pulse – Hypersonic (re_sound)
イギリス出身のプロデューサー、Heavy Pulseとのコラボ曲。
EP『reset_environment』の中でAce Aura本人がお気に入りの1曲と言っており、曲の最後の方にはキリスト教聖書の新約聖書の黙示録の第21章の言葉をレコーディングしたり、近未来的なテーマにフィットするよう沢山のエフェクトを使っているのが分かります!
Ace Aura – reset_environment EP
サウンドのまとまりとテーマに基づいたサウンドデザインを意識して制作に約1年半を費やしたEP。
天国、善悪間の闘争、および世界の終わりの幻想的な説明を含んだ新約聖書の最後の本にインスパイアされたそうで、近未来をテーマにしており、Disciple Round Tableからリリースされました!
おわりに
いかがでしたか。
Ace Auraがどんなアーティストか少しは理解していただけたでしょうか。
Ace Aura本人がオススメしたいアーティストとして、Papa Khan, Voltra, Myki, Skybreak, SpaceYeti, Millennial Trash, and Heavy Pulseの名前を挙げているので、彼らの楽曲も是非聴いてみて下さい!
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