本日は「デフ」でお馴染みの人気プロデューサーのひとり、KUUROについて紹介します。
KUUROを結成する前の活動や、ソロプロジェクトになる前、まだデュオで活動していた頃の話も書いているのでチェックしてみて下さい!
KUUROとは
KUURO(キュロ)とは、アメリカ出身のDJ/プロデューサー。
2020年4月からLuke Shipstadによるソロプロジェクトとなりましたが、2016年の結成当時から約4年間はJordin PostとLuke Shipstadからなるデュオでした。
KUUROを結成する前、Luke Shipstadはもともとプロデューサー・トリオ、「Suspect 44」のメンバーとして活動しており、Jordin Postは「Juventa」として活動してました。
当時は2人ともKUUROのスタイルとは正反対とも言えるプログレッシブ・ハウスやトランス中心の楽曲をプレイしており、2011年頃からお互いがお互いの作品のファンでもあったそうです。
Jordin Postはオランダに、Luke Shipstadはシアトルにいたのですが、2013年にJordin Postがシアトルでショーがあったときに直接会いに行ったところ、性格や音楽のテイストも似ていたこともあって意気投合。
Jordin Postがオランダに戻った後、「今までと全く違ったスタイルの曲が出来たからチェックしてみてよ!」と曲の一部が送られてきたのですが、その曲がちょうど同じ時期にLuke Shipstadも挑戦していたベースミュージック系のサウンドだったことから、一緒に曲を作ろうということになり、最終的にデュオを結成することになったのです。
彼らがベースミュージックに挑戦しようと思ったのもSkrillexの影響が大きかったのだとか。
KUUROとして初めて曲をリリースする前に約1年の歳月をかけて独自のKUUROサウンドを構築し、イメージやビジュアルもしっかり組み立てたそうで、ダークでポスト・アポカリプス的な世界観を意識したサウンドとビジュアルが出来上がったのです。
そしてダークな世界観とアジアのカルチャー及び美学を融合させたスタイルで2016年にベースミュージックシーンに登場し、同年、Monstercatからデビュー・トラック“Aamon”をリリース。
デビュー当初は素性を明かしておらず、ミステリアスな存在でしたが、2017年のMonstercatのラジオショー「Call of the Wild」の中で、Jordin PostとLuke Shipstadによるプロジェクトだと明かしました。
KUUROの2人はアニメや漫画など日本の文化や美的センスが大好きだったため、アジアの文化も取り入れることにしたそうで、彼らの作品には日本や中国、タイといったアジア風のメロディや音楽理論を感じたり、アーティストネームに「デフ」という日本語を付けたりしています。
この「Kuuro」とは「聴覚障害」を意味するフィンランドの言葉で、英語だと「Deaf」という意味なので、それを日本語のカタカナ表記にして「デフ」としています。
KUURO in Finnish means Deaf.
Defu = Deaf.
— KUURO デフ (@KUUROmusic) May 4, 2018
これまでGalantisやDillon Francisといった人気プロデューサーに公式リミックスを提供したこともあり、Monstercatを中心に次々とヒット曲を生み出し、退廃的なムードを漂わせたアグレッシブなベースミュージックで世界中のファンを魅了しています!
Zedd自らリミックスを依頼!
KUUROはエレクトロニックニュージックのプロデュースを本格的にスタートする前からZeddのことを尊敬していたのですが、そんなZeddからリミックスを依頼されています。
KUUROはZeddと親交の深いGreyと友達で、GreyのMichaelから聞いた話によると、MichaelはZeddから「KUUROっていうアーティスト知ってる?」と尋ねられ、「もちろん。彼らと友達だよ。」と答えたところ、“Get Low”のリミックスを担当してくれないかすごい考えていたそうで、その後、Zedd本人からも連絡が来て公式リミックスのリリースに至ったそうです。
その後もKUUROはZeddがKaty Perryとコラボした“365”の公式リミックスも担当するなど、Zeddからもその才能と技術を認められていることが分かります。
ソロプロジェクトに形態変更
上でも触れたように、2016年からJordin PostとLuke Shipstadによるデュオとして活動し始めたKUUROですが、2020年4月にメンバーのJordin Postがグループを去ることを発表しました。
To all of our amazing fans – KUURO is about to go through some big changes, and I want to tell you about it personally – @JordinPost pic.twitter.com/JASTea3d46
— KUURO デフ (@KUUROmusic) April 28, 2020
Jordin PostはKUUROから離れて「Juventa」として、かつて自身が取り組んでいたトランスやプログレッシブ・ハウスの道に戻ることを決め、一方、Luke Shipstadは多くのファンからのサポートもあって、ひとりでKUUROプロジェクトを存続させることを決意したのです。
When I think about all of the amazing fans and colleagues we have, coupled with the fact that I have an insane amount of music (that I’ve never felt more confident about) scheduled and ready to go for the rest of this year…I’m more than ready, and hope you are too 😈
— KUURO デフ (@KUUROmusic) April 29, 2020
Jordin PostはKUUROを結成する前から、「Juventa」名義でAbove & Beyondのレーベル AnjunabeatsやArmin van Burenのレーベル Armada Musicなどから曲を出していましたが、脱退した今、Anjunabeatsをメインに曲をリリース。
2021年にはKUURO時代にリリースを重ねていたMonstercatからAu5とのコラボ曲“Dying Stars”を発表し、メロディック・ダブステップという新たなスタイルも披露しました。
「Suspect 44」時代から活躍!
現在、KUUROはLuke Shipstadによるソロプロジェクトですが、こちらも上で触れたようにLuke Shipstadは、もともとプロデューサー・トリオ、「Suspect 44」の一員として活動していたことがあります。
Luke Shipstadは幼い頃からピアノを習っており、Coldplayの“Talk”をJunkie XLがリミックスしたバージョンを聴いてエレクトロニックニュージックに興味を持ったそうです。
そんなLuke Shipstadは、Hoz SabirrとZhiar Mahmoudと共に、オランダ/アメリカ出身のプロデューサー・トリオ「Suspect 44」を結成し、2010年頃から積極的に活動スタート。
2011年にAnjunadeepから出した“Japanese Schoolgirls”と翌年同レーベルから出した“Neon Feel”で一気に知名度を拡大。
2013年にArmada Tricから出した“Amazing”はBeatportのトランス・チャートTop100で堂々の1位を獲得したり、2015年に同レーベルから出した“Here Right Now”はHardwellやArmin van Buuren, Nicky Romero, The Chainsmokersなどのトッププロデューサーたちからもサポートされました。
2016年にはEDC Las Vegasにも出演したりと、プログレッシブ・ハウスやトランスシーンで大いに活躍していましたが、2016年以降、フェスへの出演や曲もリリースしておらず、実質活動休止状態となっています。
KUUROのオススメ曲
KUURO, MC Mota – Rapture
ベルギー出身のヴォーカリスト、MC Motaをフィーチャーした新曲。
次々と畳み掛けるような攻撃的ベースサウンドとハードダンスやビッグルーム要素の入ったドロップがカッコいいベースハウスで、全身の毛穴からアドレナリンが分泌されます!
KUURO, hayve, imallryt – Collapse
フィンランド/イスラエルを拠点に活動するデュオ、hayveのコラボで、イギリス出身のアーアティスト、imallrytをフィーチャーしたナンバー。
タイトルの通り、世界が崩壊していく様を大胆なサウンドで表現しており、映画音楽のような壮大なサウンドデザインと激しくもドラマティックなドロップに心奪われます!
KUURO – Possession
ダークな雰囲気がカッコいいシネマティックでヘヴィなトラップとなっていて、ムーンバートン調のドロップは一度聴いたら忘れられないほどインパクト抜群です!
KUURO – Don’t Stop
KUUROがドラムンベース本来のBPMを半分にした ハーフタイムに挑戦した楽曲で、スローテンポながらに強烈なドラムとワブルベースが体内まで響き渡ります!
KUURO, Bianca – Take Me Down
オーストラリア出身の女性シンガー、Biancaをフィーチャーしたナンバー。
Biancaの透明感のある歌声とパンチの効いたドロップのギャップが印象的なトラップに仕上がっています!
KUURO – Savage
ダークなファンタジー映画をイメージさせてくれるストーリー性のある1曲で、ベースハウスやトラップ、ダブステップなど様々な要素をミックスしたハイブリッドな作品です!
KUURO – Inferno
Monstercatではなく珍しくセルフリリースした楽曲。
アフリカンテイストなパーカッションと神秘的なヴォーカルサンプル、そしてタイトルにもなっているように地獄の業火をイメージしたような攻撃的なドロップが見事に重なった1曲です!
KUURO, Spencer Ludwig – What U Wanna Do
アメリカ出身のシンガー、Spencer Ludwigをフィーチャーしたナンバー。
2000年代のR&Bスタイルとヒップホップのサンプルを持ち込んだ斬新なサウンドでファンを魅了しました!
KUURO, Goja – Close To Hell
イタリア出身のデュオ、Gojaとのコラボ・ナンバー。
リスナーに絶望感を与える陰鬱なトラップに仕上げていますが、甘美な男性ヴォーカルと合わせることで絶妙なバランスを保っています!
Post Malone – Better Now (KUURO Cover)
アメリカ出身のラッパー、 Post Maloneが2018年に出したヒット曲をカヴァー。
トレードマークであるベースサウンドを取り入れつつも、普段のサウンドよりソフトに仕上げたリメイクで、Cure8 Recordsが出したコンピレーション・アルバム『disCOVERED』にも収録されました!
おわりに
いかがでしたか。
KUUROがどんなアーティストか少しは分かっていただけたでしょうか。
近いうちにKUUROの元メンバーで、現在は「Juventa」として活動しているJordin Postの紹介記事も扱いたいと思います!
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