
MNNでは毎週、その週にリリースされる新曲を『新譜紹介記事』として、リリース前に50曲前後一気にピックアップしてきました。
しかし、リリース前の執筆ということもあり、音源そのものを聴けていない状態でピックアップしたり、曲に関する情報が少なく細かい説明を提供できていなかったため、本日より2記事/週くらいのペースで、十数曲に厳選した楽曲をもうちょっとだけ詳しく紹介した『新作深堀りコーナー』をスタートしたいと思います!
本日は記念すべき第1回目ですが、2022年3月後半にリリースされた厳選の14曲をご紹介します。
目次
- 1 Jack Back – Feeling
- 2 Chris Lake – 400
- 3 Damaged Goods – SAVE ME
- 4 Jack Trades – Right Thing
- 5 Taylor Kade – Love You Like That
- 6 Snakehips, Tony Romera – On My Body
- 7 Flume – Sirens
- 8 Louis The Child, Aluna – Cry
- 9 A7S, S1MBA – On & On
- 10 Surf Mesa, Nitti Gritti – Marching Band
- 11 Kungs, Good Times Ahead – Without You
- 12 ODESZA, The Knocks – Love Letter
- 13 ManyFew, Franky – You Had Me
- 14 The Chainsmokers – High (Leondis Remix)
Jack Back – Feeling
フランス出身のプロデューサー、David Guettaがサイドプロジェクトの「Jack Back」名義でリリースしたシングルです。
David Guettaが初めて音楽プロデュースというものに夢中にさせられた頃にインスピレーションを受けたフロアライクな真のハウスサウンドを追求したとのことで、ディープに鳴り響くキックと野太くソウルフルなボーカルサンプルのコンビネーションが病み付きになります!
David Guettaがこの「Jack Back」名義で、Simon Dunmore主宰で世界最高峰のハウスレーベルと称される「Defected Records」から曲を出すのは、2019年にアメリカ出身のシンガーソングライター、CeCe Rogersとコラボした“Freedom”以来、約2年半ぶりのカムバックとなります。
David Guettaは今年に入ってからも、MORTENとフューチャー・レイヴを掲げたシングル“Permanence”を出したり、3月にはAfrojackやMissy Elliotらを迎えたヒップホップトラック“Trampoline”を出したりと自由法奔放な作風を発揮しています!
Chris Lake – 400
イギリス出身のプロデューサー、Chris Lakeが今年3月に、自身のレーベル「Black Book Records」から出したコンピレーションEP『Black Book ID’s : Chapter 3』にも収録された最新フロア・アンセム。
この「400」というタイトルですが、この曲のメインとなるシンセサウンドでも使用したも本格的モジュラー・シンセサイザーの「Pocket Operator Modular 400(ポケット・オペレーター・モジュラー 400)」が由来となっていて、ピコピコした音が頭から離れない遊び心溢れる実験的なテック・ハウスは中毒性も半端ないです!
Damaged Goods – SAVE ME
マイアミを拠点に活動するプロデューサー、Damaged Goodsが久しぶりにTchamiのレーベル「Confession」から出したシングルです。
ドイツ出身のプロデューサー、Steve Nortonが2018年にリリースした落ち着いた雰囲気のフューチャー・ハウス”Who’s Gonna Save Me”で使用されているヴォーカルサンプルと同じものを使っており、このサンプルは、Jay HardwayとMestoのコラボ曲”Save Me”でも同じネタが使われています!
この曲はなんと言っても滑らかなピアノの旋律が印象的で、哀愁漂うテック・ハウスに酔いしれることができます。
Jack Trades – Right Thing
カナダ出身のプロデューサー、Jack Tradesが新進気鋭プロデューサーのPiquesと女性シンガー・ソングライターのPachel Westとタッグを組んだシングルです。
開放感溢れるフレッシュなサウンドがこれからの夏にピッタリで、軽快なピアノの旋律とキャッチーな四つ打ちビート、さらに感情的なヴォーカルが絶妙なハーモニーを奏でるダンストラックに仕上がっています!
恋人との関係が上手くいっていないとき「あの時こうしていれば良かった」と過去の原因を振り返りがちになりますが、変えられない過去のことばかり考えるのは止めて、今目の前のことに集中することの大切さを歌っています。
Taylor Kade – Love You Like That
南カリフォルニア出身のプロデューサー、Taylor Kadeのシングル。
辛いときも楽しいときも全てを一緒に共有したい!といった内容の永遠の愛を誓った壮大なラブソングとなっています!
そんな一途な愛と強い想いをサウンドにも込めたメロディック・ダブステップに仕上げてありますが、終盤では一瞬、疾走感のあるリキッド・ファンクへとスタイルチェンジするパートが個人的にお気に入りです。
Snakehips, Tony Romera – On My Body
UKダンス・ソウル・デュオのSnakehipsの最新EP『Couple Bandz』収録曲のひとつで、フランス出身のプロデューサー、Tony Romeraとのコラボ作となっています。
2組の音楽スタイルを織り交ぜたお洒落なファンキー・ハウスを展開しており、ノスタルジーを誘うサウンドとエモいボーカルチョップが印象的です!
同じく収録曲でディスコテイスト強めのタイトル・トラック“Couple Bandz”もオススメです。
Flume – Sirens
Flumeが今年5月20日に出すサード・アルバム『Palaces』からの“Say Nothing”に続くセカンド・シングルとなります。
Flumeと女性シンガー・ソングライターのCaroline PolachekはLAの同じ通りに住んでいた頃からの「マジック:ザ・ギャザリング」のゲーム仲間で、スタジオセッションを行い、今回のコラボが実現したそうです!
この曲はCaroline Polachekがロンドンで一人暮らししていたとき、パンデミック中で自分の無力さを感じて気分も落ち込んでいた時の”心のサイレン”とコロナで毎日のように聞いた救急車のサイレンを掛け合わせた感情的な作品となっています。
Louis The Child, Aluna – Cry
アメリカ出身のプロデューサー・デュオ、Louis The Childがロンドンのエレクトロニック・ミュージック・デュオ、AlunaGeorgeのメンバーでもあるAlunaと初めてコラボしたシングルです。
穏やかで落ち着いた雰囲気もありつつ、ダンサブルでファンキーなハウスを披露しており、Alunaの透明感のあるハイトーンボイスが異彩を放っているこの曲は、Louis The Childが近日リリース予定のEP『To Believe』にも収録されます。
ちなみに、ボーカルを担当したAlunaは、今年1月にリリースしたDiploとDuranteとのコラボ・シングル“Forget About Me”にも参加したほか、Diploは「Jack Ü」名義で2015年に発表した“To Ü”でも共演しています。
A7S, S1MBA – On & On
スウェーデン出身のプロデューサーでシンガーソングライターでもあるA7Sのシングルです。
InstagramのDMでのやり取りをきっかけにコラボすることになり、最終的にZoomを使って完成させたそうで、ジンバブエ出身のシンガー兼ラッパーのS1MBAによる色気溢れる歌声が魅力のアップビートなメロディック・ハウスとなっていてます!
キャッチーなコーラスは頭から離れないほど印象的で、フューチャー・レイヴ要素も感じられるエレクトロ感の強いドロップも際立っています。
Surf Mesa, Nitti Gritti – Marching Band
現在21歳のアメリカ出身のプロデューサー、Surf Mesaがグラミー賞受賞歴のあるマイアミのプロデューサー、Nitti Grittiにデモを送って実現したコラボレーション。
燃え上がるような夏のロマンスをイメージしたような情熱的なナンバーに仕上げたこの曲は、 シーンに新しい波を起こすべく制作したそうで、ラテンの雰囲気を放つホルンの音色が特徴的で、淡くセクシーなヴォーカルと小気味良いビートが心地良い1曲です!
Kungs, Good Times Ahead – Without You
フランスのヒットメーカーことKungsが先月リリースしたアルバム『Club Azur』収録曲のひとつで、マイアミを拠点に活動するプロデューサー・デュオ、Good Times Aheadとのコラボ曲です。
イタロ・ディスコをモダンに刷新したアルバムのコンセプトとは少し方向性を変えた、メロディックでエレクトロニカ的なアプローチに打ち鳴らすよう電子音が響き渡るクラシックなハウスを披露しています!
ODESZA, The Knocks – Love Letter
お互いファン同士でもあったODESZAとThe Knocksによる話題のコラボ・シングルで、フェスのバックステージで出会ったのをきっかけに今回のコラボに発展したそうで、何度も何度も修正を加え、約5年の歳月をかけて完成した作品となっています。
ODESZA X THE KNOCKS
we may or may not have something in the works…. 🤫 pic.twitter.com/Sp2UTDCrM2
— The Knocks (@theknocks) March 2, 2019
ODESZAが 今年7月22日に約5年ぶりに出すニュー・アルバム『The Last Goodbye』にも収録される1曲で、シンフォニックで壮大なシンセ・サウンドとダイナミックでエモーショナルなヴォーカルのハーモニーがたまりません!
自分が傷つくことを避けるために恋愛をしないとも捉えられるフレーズの繰り返しが頭に残ります。
ManyFew, Franky – You Had Me
スウェーデン出身の兄弟プロデューサー・デュオ、ManyFewによるシングル。
高揚感が湧き上がるエンパワーメント・ソングを目指して制作したそうで、明るいピアノの旋律とEDMとポップをブレンドしたようなリズミカルなビートが夏にぴったりなナンバーです!
R&Bやディスコ要素を感じられるFrankyのソウルフルな歌唱も爽やかで、夢みごこちでずっと聴いていたくなる作品に仕上がっています。
The Chainsmokers – High (Leondis Remix)
南フロリダ出身のプロデューサー、Leondisが19歳という若さでThe Chainsmokersにオフィシャルリミックスを提供したことでも話題となった1曲。
Leondis自身も音楽プロデュースをスタートした16歳の頃に多大な影響を受けた憧れの存在とリミックスで初共演を果たした記念すべき作品と言えます!プロデュースをスタートして3年でトップアーティストにオフィシャルリミックスを提供する脅威の成長ぶりです!
これからの夏にピッタリの高揚感のある爽やかなピアノ・ハウスにアレンジされていて、リズミカルなビートとキャッチーなボーカルチョップが気分をウキウキさせてくれます。
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